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ウェルフェア・レポート 2014年1月24日号

2014/2/5

消費税8%対応の介護報酬改定案を了承、厚労相に答申
~社保審介護給付費分科会

厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会は1月15日、田村厚生労働大臣から社会保障審議会に諮問のあった、今年4月の消費税率8%への引き上げに伴う介護サービス施設・事業所の負担増を補てんするため、現行の介護報酬に0.63%上乗せする「2014年度介護報酬改定案」を了承し、社保審西村周三会長に報告、西村会長が厚生労働相に答申した。今回の改定は給付費ベースで約530億円となる。
消費税率引き上げ時の介護報酬における対応については、基本単位数への上乗せを基本とし、▼基本単位数に対する割合で設定されている加算や福祉用具貸与に係る加算の上乗せ対応は行わない。▼その他の加算のうち、課税費用の割合が大きいものについては、基本単位数への上乗せ率と同様に課税費用に係る上乗せ対応を行う――などとしている。区分支給限度基準額については、「消費税引き上げに伴う上乗せ対応により、従前と同量のサービスを利用しているにもかかわらず、限度額を超える利用者が生じる可能性がある」として引き上げる。
厚労省は今回の改定に伴う各サービスの基本報酬を例示。たとえば、通所介護では「通常規模型で7時間以上9時間未満。要介護2の利用者」の場合、現行の811単位が817単位に、訪問介護では「身体介護20分以上30分未満」の場合、254単位が255単位になる。介護老人福祉施設では「ユニット型介護福祉施設サービス費(Ⅰ)算定の施設(定員31人以上)で要介護4の入所者」の場合、872単位から877単位になる。
このほか、現在ISDN回線で行われている介護給付費等の請求について、今年11月以降、ADSLや光ファイバーなどのインターネット回線によって請求できるようにすることに加え、一定の経過措置の後には伝送または電子媒体による請求を原則義務化することが示された。高齢等の理由で困難な場合には例外措置等を定めるという。

「介護職員処遇改善に関する調査」の結果を公表
~日本介護福祉士会副会長の内田氏が介護給付費分科会に提出

日本介護福祉士会副会長で介護給付費分科会の委員を務める内田千惠子氏は1月15日の同分科会に「介護職員処遇改善に関する調査」の結果(概要)を提出した。「介護保険制度を持続可能にするためには、さらに処遇改善を行い、人材確保対策を講じるべき。それを実現できるような介護報酬の仕組みを工夫すべき」などとまとめている。
調査は同会の会員を対象に2012年11月から13年9月に実施。2,171件の回答があった。それによると、12年の介護報酬改定による処遇改善状況について、約半数が処遇改善が行われたと回答したが、一時金の支給が6割近くと最多を占めた。同会では「必ずしも恒久的な処遇の改善となっているとはいえない」と指摘している。
現職の継続意向は約5割、介護現場では働きたいが職場は変えたいは約2割で、約7割が介護職の継続意向を示した。職場を変えたい理由は、給与、人間関係、将来への展望などで、これらが継続の阻害要因と見ている。職場環境については、キャリアパスの仕組みが必要と思うが6割を超え、職場に求められている特に重要なことでは、「増員による業務負担の軽減」「賃金体系等の人事制度の整備」「休暇制度、労働時間等の改善」が上位を占めた。

社会福祉法人の第三者評価の義務化を求める意見が相次ぐ
~厚労省の「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」

厚生労働省の「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」の第5回会合が1月20日に開かれた。「社会福祉法人の適正な運営の確保について」を議題に、厚労省が社会福祉法人に対する監督等に関しては、▼適正な法人運営や育成を支援する視点での指導・助言の導入、指導範囲をどのように考えるか、▼監査において、専門家を活用した方が望ましい分野など、行政機関によるもの以外の手法を加えるなどの重層化をどのように考えるか――など6つの論点を提示。第三者評価に関しては、▼受審促進のためには、どのような方策が考えられるか(メリットなど)、▼認証機関・評価機関に地域ごとに差異がある状況をどのように考えるか――など4つの論点を示した。
社会福祉法人の財務諸表の公表に関しては、公認会計士などの専門家がチェックする体制の必要性を指摘する意見があった。また、受審が進んでいない第三者評価については、受審を増やすことに加えて、評価機関・評価調査者の質を向上する必要性も指摘されるなど、義務化を求める意見が相次いだ。

介護ロボットの保険適用を推進へ、厚労省が提案
~介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会が初会合

厚生労働省は1月16日、「介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」の初会合を開いた。同検討会では、介護保険の給付対象となる福祉用具・住宅改修の新たな種目・種類の追加・拡充の妥当性や内容について検討する。
初会合では、厚労省が介護ロボットについて、「これまで基準として用いてきた『介護保険制度における福祉用具の範囲の考え方』を適用することが可能な機器もあると考えられる」と指摘。また、「これまで想定してこなかった有効性の高い介護ロボットが開発される可能性もある」としたうえで、「介護保険給付対象とすることが望ましいと考えられる事案が生じた場合については、福祉用具の範囲を具体的に検討していくことをしてはどうか」との論点を挙げた。
また、介護保険における福祉用具の対象範囲の例示として記載する内容の案について、①要介護者等の自立の促進または介護者の負担の軽減を図るもの、②要介護者等でない者も使用する一般の生活用品でなく、介護のために新たな価値付けを有するもの、③治療用等医療の観点から使用するものではなく、日常生活場面で使用するもの――など7つを提示。この中で、対象外として、②では玄関用踏み台やベンチのように要介護者等でない者も使用する一般生活用品など、③では点滴スタンドや酸素ボンベカートなどのように、医療の観点から用いられるもの――を挙げている。

「医療・介護を新たな成長エンジンにするべく改革」
~安倍首相

首相官邸によると、安倍晋三首相は1月20日、産業競争力会議が年央の成長戦略の改訂に向けてとりまとめた「成長戦略進化のための今後の検討方針」を挙げ、「医療・介護を新たな成長エンジンにするべく改革を進めていく」との考えを表明した。
検討方針では、(1)働く人と企業にとって世界トップレベルの活動しやすい環境を実現する、(2)モノづくりに加えて、これまで成長産業と見なされてこなかった分野を新たな日本の成長エンジンに育て上げる――などを挙げ、(2)では、「社会保障の持続可能性確保と質の高いヘルスケアサービスの成長産業化」を提示。その具体的な項目としては、①医療・介護等の一体的サービス提供促進のための法人制度改革等、②患者ニーズの充足、競争力強化等のための保険制度改革、③予防・健康増進等の公的保険外のサービス産業の活性化、④医療介護のICT化――を挙げている。
このうち、①では「病院や社会福祉施設等の経営を効率化・高度化するとともに、受け皿不足となっている回復期病床等を増やし、在宅医療・介護分野を充実する機能分化を進める」として、複数の医療法人や社会福祉法人等を社員総会等を通じて統括し、一体的な経営を可能とする「非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)」を創設することを提示。具体的内容について2014年中に結論を得て速やかに制度的措置を講じるとしている。

成長戦略の工程表となる「実行計画(案)」を了承
~日本経済再生本部

政府の日本経済再生本部は1月21日、成長戦略の工程表となる「産業競争力の強化に関する実行計画(案)」を了承した。
実行計画(案)では、日本再興戦略の「戦略市場創造プラン」関連として、国民の「健康寿命」の延伸を挙げ、①予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり、②医療情報の利活用推進、③医療法人制度に関する規制の見直し、④安心して歩いて暮らせるまちづくり――などを挙げている。このうち、④では、内閣総理大臣や国土交通大臣等を担当大臣に、高齢者向け住宅および病院(自治体病院を含む)等を対象とするヘルスケアリートの活用に関し、ガイドラインの策定等の環境整備を14年度中に行うとしている。

「消費税率10%、今年中に決断していきたい」  ~安倍首相

「2014年政治はどう動くのか」をテーマとした1月19日のNHK討論番組に、安倍晋三首相をはじめ、各党の党首が出演した。
安倍首相は、「2014年、何を最重要課題にするか」との問いに、「経済最優先でいきたい。特に全国津々浦々の皆さまに景気の回復を実感していただけるような年にしていきたい」と述べた。
消費税率8%への引き上げに関しては、「年金や医療や介護、大切な社会保障制度を守り、次の世代に引き渡していくという責任を果たすためで、そのためには伸びていく社会保障費に対応し、かつ子育て支援策を拡充していく。そのための消費税だ」と強調。一方、「同時に、やっとつかんだデフレから脱却できるかもしれないチャンスを逃すわけにはいかない。消費税引き上げの影響を緩和し、7月からまた今の勢い、成長軌道に戻れるようにするため、5.5兆円の経済対策と1兆円の税制対策を行っていく」と説明した。消費税率10%への引き上げについては、「来年10月から引き上げるかどうか。今年中に決断していきたいと思う」などと述べた。

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