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介護経営情報(2018年6月1日号)

◆介護人材確保のため、新たに外国人受け入れの制度を
安倍首相が明言 「骨太の方針」で提示する方針

――「ニッポン一億総活躍プラン」フォローアップ会合
 政府は5月30日に、「第1回『ニッポン一億総活躍プラン』フォローアップ会合」を開催。出席した安倍晋三首相は、介護人材確保対策について、新たに外国人受け入れの制度を導入する考えを明らかにした。毎年6月に発表する経済財政に関する基本方針「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)にも盛り込む方針だ。

 会合の議論を受けて、安倍首相は次のように発言し、加藤勝信厚生労働相を始めとする関係大臣に「更なる施策の実行に向けて、スピード感を持って取り組んでいただきたい」と指示した。

「有効求人倍率が44年ぶりの高水準となる中で、深刻な人手不足が生じています。幅広く即戦力となる外国人材を受け入れるため、新たな専門的・技術的な外国人受入れの制度を、骨太の方針において提示したいと考えています」

 介護分野での外国人材活用をめぐっては、昨年11月に「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律」が交付され、在留資格「介護」が創設された。同じく昨年11月には外国人技能実習制度の対象職種に介護が追加されており、5月に中国人女性2人の受け入れを認定したばかりだ。安倍首相は、2月の経済財政諮問会議でも外国人受け入れ対策の拡大を具体的に検討するよう指示しており、新たな在留資格が追加される可能性が高い。今後、ますます人手不足を外国人材でカバーしようとする動きが加速していくことは間違いない。

 なお、2016年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」は、少子高齢化問題を解決するため「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の「新三本の矢」の実現を目的とするもの。そのロードマップの進捗状況についての継続的な調査および施策の見直しの検討のため、フォローアップ会合を開催することが昨年5月に決定されていた。フォローアップ会合の議長は安倍首相が、議長代理は加藤厚労相が務めている。

◆経済同友会、介護データの早急な電子化を提言
「医療・介護領域のデジタル化の遅れは突出している」

――公益社団法人経済同友会
 公益社団法人経済同友会は、5月25日に「データ利活用基盤の構築を急げ―QOLを向上させるデータヘルスに関する中間提言―」を発表し、政府に基盤整備の加速を求めた。

提言の冒頭では、第一次ベビーブーマーである団塊の世代が後期高齢者になり始める2022年を目前に控えて、医療・介護サービスの「提供体制の効率化」と「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に資する高付加価値化」の両立が喫緊の課題と明記。両立を実現するには、「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(NDB)や「国民健康保険データベース」(KDB)、「介護保険総合データベース」をはじめとする保健医療分野のデータベースを連結し解析可能にすることと、それらのデータを活用して効果的な医療・介護サービスを開発・提供することなどが不可欠だとした。

そのうえで、公共領域のデジタル化が遅れている現状を厳しく指摘。とりわけ「医療・介護領域の遅れは突出している」と断言。日本は世界で最初に超高齢社会を迎えた国であり、国民が豊かな生活を送るために、また、産業競争力の強化につなげるためにも、健康・医療・介護領域におけるデータ利活用基盤の整備を加速させる必要があるとしている。

 具体的な提言としては、まず「データヘルス推進基本法」(仮称)を制定すべきとした。幅広く関係府省や地方公共団体の取り組みに横串を通す観点から、内閣官房が所管するプログラム法とし、アウトカムに関する数値目標と達成期限、工程表およびマイルストーンを設定するとともに、推進体制やモニタリング方法、評価の仕組みを規定することを提案している。

 そのほか、「健康・医療・介護データの位置づけの再整理と国民理解の醸成」や「医療・介護データ利活用に向けた制度設計・取り組みの推進」などを提言しているが、中でも注目すべきなのは「介護データの電子化、収集」だ。ここでも現状の問題点を厳しく突いており、要介護認定プロセスを槍玉にあげた。74項目の主治医意見書は電子化されているものの、紙に出力して提出すること、さらに受け取った紙のデータを行政が再度入力し直す工程を問題視し、「デジタル社会では考えられないことが行われている」と痛烈に批判した。

また、現在、介護記録について「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」が標準フォーマットを含めた検討を行っていることにも触れ、データの電子化とエビデンスの蓄積を早急に開始すべきだと迫った。さらに、今後「日本の介護」の輸出産業化を図ることを見据え、アウトカムに着目したデータ整備が求められるとして、質の悪い介護支援サービスを発見するシステムの構築が必要だと提言している。

◆生活機能向上連携加算、リアルタイムのテレビ電話以外に
動画の共有でも算定要件を満たす 介護の効率化につながるか

――厚生労働省老健局
 厚生労働省老健局は、5月29日に介護保険最新情報Vol.657「平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.4)」を発出。生活機能向上連携加算で「ICTを活用した動画やテレビ電話を用いる場合」の具体的な方法や注意点を提示した。

 生活機能向上連携加算は、サービス提供責任者および理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が同行し、アセスメント結果に基づいた計画を作成した場合に算定できる。加算できるのは最初の訪問月以降3カ月の間で1カ月100単位(※1)。

昨年度までは訪問介護のみが対象だったが、今年度の改定で対象となる介護保険サービス事業所が拡大した(※2)。同時に算定要件も見直され、ICTを活用した動画やテレビ電話を用いて助言をすることが可能となった。これにより、外部の理学療法士らと連携することも容易になっている。ただし「理学療法士等がADL(日常生活動作)及びIADL(買物、電話、外出などの手段的日常生活動作)に関する利用者の状況について適切に把握することができるよう、理学療法士等とサービス提供責任者で事前に方法等を調整するものとする」となっており、具体的な方法がわかりにくかった。

この点に関して、厚労省は2つの回答を提示。1つは「利用者の自宅(生活の場・介護現場)にてビデオ通話を行う」こと。リアルタイムでのコミュニケーション(ビデオ通話)が可能な情報通信機器を用いることを条件としており、スマートフォンやタブレットなどの活用が必要となるだろう。どの通信アプリを用いるか、アプリ使用方法を含め事前に調整することも求められる。

もう1つは「訪問介護事業所のサービス提供責任者が利用者宅で動画撮影を行い、当該動画データを外部の理学療法士等に提供する」。利用者および介護者がスマートフォンやタブレットをうまく活用できないケースなどは、こちらの方法を選択するのが現実的。しかも、リアルタイムでのテレビ電話の場合は関係者の時間調整も必要だが、この方法ならば格段に効率的だといえる。なお、この場合について、厚労省は「ADL及びIADLの動画内容は、当該利用者の自宅(生活の場・介護現場)の環境状況、動作の一連の動き等がわかるように撮影すること」と条件をつけているので注意したい。

 また、厚労省は利用者の同意を得ることと個人情報の適切な取扱いに留意することにも言及。SNSを利用するのは、セキュリティが十分に確保されていないサービスもあるため、一般社団法人保健医療福祉情報安全管理適合性評価協会(HISPRO)が公表している「医療情報連携において、SNS を利用する際に気を付けるべき事項」を参考に、適切な対策を講じることを推奨している。併せて、外部の理学療法士らが医療情報システムと共通のネットワーク上の端末を利用して通信する場合は、厚労省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5版)」に対応することも求めているので、対応チーム内で共有しておくことが肝要だろう。

※1:リハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満)の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師が訪問して行った場合は1カ月200単位。

※2:2018年度介護報酬改定で生活機能向上連携加算が算定できるようになった事業所

●通所介護・地域密着型通所介護
●認知症対応型地位書介護
●特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護
●介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
●小規模多機能型居宅介護
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護
●認知症対応型共同生活介護

◆ケアマネ試験の出題範囲が変更 今年度試験から適用
「介護医療院サービス方法論」が追加に 削除された内容も

――厚生労働省老健局
 厚生労働省老健局は、5月28日に介護保険最新情報Vol.656「介護支援専門員実務研修受講試験の実施について」を発出。ケアマネジャー試験の出題範囲が変わったことが明らかとなった。今年度の試験から適用される。

これは、昨年5月に成立し、今年8月に施行される改正介護保険法を踏まえての措置。大きな変更点としては、今年創設された介護医療院についての内容が盛り込まれている。「介護医療院サービス方法論」として、その意義や目的、利用者の特性や内容、特徴などが出題範囲に加わった。また、2016年に定義が改められた地域密着型通所介護も「地域密着型通所介護方法論」として新たに加わっている。

 一方、これまで出題範囲となっていた「介護予防訪問介護方法論」および「介護予防通所介護方法論」は削除された。介護予防訪問介護および介護予防通所介護の2サービスが、介護予防・日常生活支援総合事業へ移行されたことに伴う変更だ。こうした部分からも、ケアマネジャー試験が介護保険に関する最新の知識が求めていることがわかる。要介護者の心身の状況に応じて適切なサービスが利用できるよう支援するケアマネジャーが、各事業所がどのようなサービスを実施しているか正確に把握しなければならないことを試験内容でも知らせている形だ。

なお、細かいところでは、出題数の内訳にも変更があり、これまで20問が割り振られていた「保健医療サービスの知識等」は「保健医療サービスの知識等 基礎」が15問、「保健医療サービスの知識等 総合」が5問となっている。

ケアマネジャー試験(介護支援専門員実務研修受講試験)は都道府県が実施しているもので、今年度の試験日は10月14日、合格発表及び合格基準などの公表日は12月4日の予定となっている。受験申込は例年5月下旬から6月下旬頃までとなっている(各都道府県のホームページで要確認)。

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