《厚生労働省》
有床診の人員配置基準や報酬体系など検討へ
厚生労働省は13日の社会保障審議会医療部会(部会長・鴨下重彦社会福祉法人賛育会病院長)で、2006年度に予定している第5次医療法改正に向け、有床診療所の基準などのあり方を論点として提示した。
医療法では、有床診をプライマリケアを担う機関として位置づけている。そのため有床診は本来患者を入院させて診療を行うものではないとし、やむを得ない場合を除いては同一の患者について48時間を超えて入院させないよう努力義務が課せられている。しかし厚労省のまとめによると実際の平均在院日数は、その他の病床で16.6日と大きく乖離している。
一方、人員配置や構造設備などの基準は、病院に比べて緩く、医師の人員配置は病院の患者16人に1人に対し、有床診は1人だけで宿直義務もない。看護職員や薬剤師などのその他の医療従事者に至っては、療養病床を除いて配置義務すらない。
その反面、診療報酬では規制の緩さを考慮して最も高い1群入院基本料1でも病院の1群入院基本料5(1,223点、初期加算含む)より500点以上低い712点(同)に設定されている。
このため厚労省の提示した論点では、48時間規制や人員配置の基準のあり方、専門的な手術を行うなどさまざまな機能を備える有床診への規制のあり方が挙げられている。また、療養病床を除いては医療計画の基準病床には組み込まれていないが、基準病床制度への算入や診療報酬上の評価についても検討することになりそうだ。
《社会保障審議会医療部会》
かかりつけ医について疑問続出
社会保障審議会医療部会は13日、厚生労働省が示した日常医療圏ごとの診療ネットワーク構想について議論した。厚労省の示した診療ネットワークでは、これまでの1次〜3次の階層型だった医療提供体制を改め、住民・患者の視点に立ち、日常医療圏の中でかかりつけ医を中心としたがんや脳卒中、小児医療など主要な疾病ごとにネットワークを構築することを想定。かかりつけ医や救急病院、専門的な治療を行う医療機関、福祉施設などが機能分化し相互に連携することで、患者や住民からは医療機能が一元的にわかり適切な医療機関を選択できるようになり、医療の効率化や専門性が高まるとしている。
厚労省の担当者は、ネットワーク構築の実現に向けて「都道府県が中心となって調整機能を果たしてほしい」と期待を込めた上で、「われわれとしては、都道府県などが能力を発揮しやすいよう、補助金や税制、診療報酬など経済的なインセンティブを考える必要があると思う」と経済的な評価をする考えを示した。さらに法的な権限を与えることも必要とし、積極的に推進する姿勢をみせた。
しかし委員からはかかりつけ医の機能を疑問視する意見が相次いだ。厚労省はかかりつけ医の定義について従来通りとの考え方を示したが、これに対し古橋美智子委員(日本看護協会副会長)は「概念規定を設けないと絵に描いた餅になる」として、実効性があるものにするためにはかかりつけ医についてもきちんと機能を決めていかなければならないとした。今後かかりつけ医の定義を含め検討することとなりそうだ。
■地域医療支援病院は質的な担保を
診療ネットワークの中核となる医療機関について厚労省は「がんについては地域がん拠点病院があるが、そのほかの疾病は地域医療支援病院も考えられる」との考えを示した。これに対して古橋委員からは「地域医療支援病院が必ずしもそういう役割を担っているとは言えない」と指摘。また松井博志委員(日本経済団体連合会国民生活本部長)も「地域医療支援病院の要件は単に紹介率という要件だけでいいのか。質的なものはそういうもので担保できるのか」と疑義を呈した。
《中医協の在り方に関する有識者会議・宮内義彦議長》
「医療政策などの大枠は政府が決定を」
中医協の在り方に関する有識者会議は12日、規制改革・民間開放推進会議の宮内義彦議長に対しヒアリングを行った。宮内議長は規制改革会議の意見として、(1)中医協の権能・役割の明確化と限定、(2)中医協内部の改革―の2点について述べた。
中医協の権能等については、現在の診療報酬制度が適用範囲や点数設定で医療内容や診療行動を規定していると問題視し、医療政策などの大枠は政府が決定し、それに基づいて中医協が診療報酬を決定するよう提案。これを踏まえた議論では、委員の間から医療政策の基本方針を決める政府と中医協とを完全に切り分けることで賛否両論の意見が示された。
一方、中医協内部の改革については、公益委員を全体の過半数にすることや患者代表の委員参加、診療側委員について日医推薦委員を減らし病院団体などから直接委員を参加させるよう要望。宮内議長は「現在診療側委員は8人中5人を日本医師会が推薦している。広く公正に議論するためにも病院団体の参加を求め、自由な立場で意見を言えるようにすることが大事」と、日医の影響力を弱める必要性を強調。これに対し、奥島孝康委員(早稲田大学大学院法務研究科教授)は「中医協では利害をぶつけ合うことで問題点を明らかにしていった方が、政府も医療政策を決定しやすいのでは」として、委員構成を据え置くよう求めた。
MMPG提供
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