《厚生労働省》
1保険者で都道府県ごとに保険料率を設定
厚生労働省は4日の社会保障審議会医療保険部会(部会長・星野進保総合研究開発機構客員研究員)に対し、「政府管掌健康保険の改革に伴う論点について」を提示した。その中で厚労省は、政府管掌健康保険を社会保険庁の業務から切り離し、都道府県ごとに保険料率を設定する方向へ移行することを明らかにした。
具体的な案としては、▼全国単一の保険者組織を設け各都道府県ごとに区分経理とする、▼各都道府県が保険者組織となる―の2つを示した。そのうち保険料率の決定については前者の場合、▼保険料率決定の権限は国にあり、保険者が各県の保険料率改定の申し出を行い国が告示で改訂する(A案)、▼保険料率の決定権限は保険者組織にあり、国に対しては報告義務のみを負う(B案)、また後者者の場合は▼保険料率の設定は各都道府県が独自に策定し設定する(C案)―の3つの案を示した。
そのうちB案について同省は、都道府県ごとの区分経理とすることから、予算や決算時に各都道府県ごとの財政状況を明確に区分して公表するため、透明性が図られる点や、資金繰りを全国一本で行うことが可能であることから各都道府県間においては、弾力的な資金の融通が可能であり安定性があることを強調。それに対してC案については、47保険者による財政運営の形態をとるため、保険者の財政規模が小さくなり、資金ショートのリスクが発生。各都道府県間の資金融通については困難と資金管理面での不安定さを指摘している。同省ではB案の促進を視野に入れていることを明らかにしたが、各都道府県の支部が借入金に頼らないよう「最低限、国の関与は必要である」とし、あくまで国の監督権限を残すとしている。
■B案では機能が発揮されない
厚労省が提示した案に対して対馬忠明委員(健康保険組合連合会専務理事)は、「保健事業を全国で一本化するのは無理であり、健康保険組合のような公法人で管理するのがよいのではないか」とし、厚労省が提示した案には賛同はしなかった。また、B案について齊藤正憲委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療改革部会長)は、各都道府県が財政経営で機能を発揮できないと指摘、反対にC案をベースにして、ブロック分けすることを提案した。
《厚労省・医業経営の非営利性等に関する検討会》
医療法人の剰余金の使途の明確化案を提示
厚労省は8日に開催された「医業経営の非営利性等に関する検討会」(座長・慶応義塾大学大学院経営管理研究科教授)の中で、医療法人における剰余金の使途の明確化について具体的方策案を提示した。
同省が提示した方策案では、医療法に剰余金の使途を明示した場合、医療法人にとっては、硬直的な会計・財務状態となり法人運営の自主性を阻害する可能性が高いと指摘し、法人の自主的な規律としての剰余金の使途の考え方を理念的な規定として明確化する検討を促した。例えば、医療法人の剰余金は、運営に必要な経費を充てるものとした場合、具体的には、(1)医療の質向上に向けた資源の充実要する費用、(2)安定的な財政基盤の確保に要する費用、(3)医療法人の経営の確立に要する費用―をあげた。
上記で示した中で具体的な費用項目の例として、(1)の中には、施設整備費や職員の人件費、教育費や医療安全費など、(2)の中には、外部監査費や格付け機関審査費、他の医療法人への出資など、(3)の中には、持分のない医療法人への移行のための費用など、の項目をあげた。
一方、不適切な費用負担としては、役員や社員に対する根拠のない高額な報酬や医療法人の運営とは無縁な費用の支出、社会通念上著しく高額な賃借料や収入に応じた定率賃借料の支出などをあげた。
《社会保障審議会・医療部会》
広告のあり方 結論は持ち越し
社会保障審議会医療部会(部会長・鴨下重彦社会福祉法人賛育会病院長)は4日、医療機関の広告規制の緩和について、現行の「ポジティブリスト」を継続するのか、幅広く広告を可能とする「ネガティブリスト」へ移行するのかについて議論を行った。しかし、意見は一致せず結論は出なかった。この中で同部会の委員からは「医療の広告規制をどう進めていくべきかを考えるべき」「患者にとって情報は必要だが広告と情報とは違う」などといった、ネガティブリストを支持する意見が相次いだが、反対する意見も根強く、合意の目途は立っていない。引き続き次回の部会で議論を行うこととなった。
広告を緩和する方向性については、見解が一致しているが、手法や具体的な項目に関する部分に大きな乖離が生じている。最も乖離が生じている部分は、広告を認めるものだけをあらかじめ決めておく「ポジティブリスト方式」にするか、逆に広告を認めないものだけを決めておく「ネガティブリスト方式」にするかという点だ。現状は、ポジティブリスト方式となっており、医療法による医師や医療機関の名称等10項目と「厚生労働大臣が定める事項」として、医師の略歴や患者数等66項目が定められている。
議論が難航していることから厚労省では、今後4月までに医療安全対策や医療機能分化、医療法人制度の見直し等の議論を行ったあと、早ければ、6月末にも中間的な取りまとめを行う考えを明らかにした。
MMPG提供
医業経営に関するお問い合せはご遠慮なく当社までお申し出下さい。

|