《厚生労働省・健康局》
「健康日本21」の見直しを検討
厚生労働省健康局総務課は1月31日に都道府県の担当部課長を集めて開いた会合の中で、健康寿命の延伸を目的とした健康づくりに関する目標値を定めた「健康日本21」の見直しに着手する方針を示した。
2000年に策定された「健康日本21」では、「栄養・食生活」「身体活動・運動」「休養・こころの健康づくり」「たばこ」「アルコール」「歯の健康」「糖尿病」「循環器病」「がん」の9分野70項目にわたり、2010年度を目途とした具体的な目標値を設定しており、来年度には中間報告を控えている。
しかし、直近の厚労省のまとめでは、必ずしも計画が順調に進んでいないことが明らかになった。たとえば、「適正体重を維持している人の増加」では、BMI(肥満度指数)を基にした肥満者の割合を、20〜60歳代の男性について24.3%(1997年)から15%以下へ、40〜60歳代の女性については25.2%(同)を20%以下にすることを目標。しかし、2002年のデータ(暫定値)ではそれぞれ29.4%、26.4%と悪化している。
一方、「多量に飲酒する人の減少」においても、男性4.1%(1996年)を3.2%以下に抑える目標値を定めているが、2002年のデータ(暫定値)では7.1%に増加。また、「高脂血症の減少」でも男性10.5%(1997年)を5.2%以下へ、女性17.4%(同)を8.7%以下に減少することを目指しているが、実際にはそれぞれ11.5%、18.2%(いずれも2002年)と悪化している。
こうした結果を踏まえ厚労省は、「『健康日本21』は改善すべき問題が残されている。健康づくりの目標は9分野70項目にわたるが、広く浅くで重点化されていない。また、だれが責任をもって取り組むのかも明らかになっていない」と「健康日本21」には構造的な欠陥があると指摘し、来年度の中間評価に合わせて都道府県と市町村の役割分担を明確にする方針を示した。
《厚生労働省・「最近の医療費の動向」》
8月の医療費は前期比1.7%増
厚生労働省がこのほどまとめた「最近の医療費の動向」によると、2004年8月の医療費総額の伸び率は、前年同月に比べて2.9%増加した。ただ、2004年8月の診療日数は前年同月に比べて土曜が1日少なかったこともあり、休日数などの影響を補正した場合の伸び率は+1.7%となった。
また医療費総額は2兆5,396億円で、制度別の医療費伸び率(休日数などの影響を補正後、以下同)については総計で+1.7%、被用者保険は▲1.2%(うち本人▲1.1%、家族▲1.4%)、国保+0.5%、高齢者+4.4%、公費+4.7%であった。
一方、医療機関別では医科診療所+0.6%、歯科+2.2%となり、1施設あたりに換算すると、医科診療所▲0.4%、歯科診療所+1.1%となった。
診療科別にみた医科診療所1施設あたりの医療費伸び率は、小児科が▲5.1%と引き続き減少傾向であった。また皮膚科における7月の伸び率は+10.2%と大きかったが、8月は▲4.8%と逆に減少。このほか産婦人科、耳鼻咽喉科、外科でもマイナスの伸び率を示した。
《社会保障審議会医療部会》
医療機関広告規制のあり方が一つの焦点に
医療提供体制のあり方を検討している社会保障審議会医療部会(部会長・鴨下重彦社会福祉法人賛育会病院長)は2日、2006年の第5次医療法改革に向けて、これまでの議論を踏まえ事務局(厚生労働省)がまとめた論点整理案について議論した。
その論点整理案では、▼情報提供のあり方などの「医療機関の国民の選択」、▼「医療安全対策」、▼医師確保対策を中心とした「小児救急体制」と「へき地医療提供体制」、▼基準病床数のあり方などの「医療計画制度」、療養病床のあり方や人員配置基準といった「医療機能分化」、認定医療法人制度の創設を含めた「医療法人制度の見直し」―などが提示された。
今後は医療部会を月2回程度開催し、論点に沿って6月までに議論を一巡させ、夏をめどに報告書をとりまとめ、これをもとに2006年通常国会に第5次医療法改正案として提出する予定だ。次回3月4日から本格的な議論を開始。まずは患者・国民の選択の視点や医療計画制度について検討する。
■ネガティブリスト支持が大半
同日の同会議では、広告規制に関して議論がなされた。その中で、基本的に自由とし一部に規制をかける「ネガティブリスト方式」と広告可能な項目をあらかじめ決めておく現行の「ポジティブリスト方式」のどちらをとるかが論点となった。
「広告規制がかからないインターネットと規制がかかる一般の広告はどこが違うのかということが問題」(松井博志日本経済団体連合会国民生活本部長)、「ポジティブリストは検討にも値しない。むしろ、ネガティブリストにするときにどこに注意するかを検討するべき」(福島龍郎安田健康保険組合理事長)、「医療機関の広告はネガティブリストでいい。むしろ、インターネットの規制が必要」(北村惣一郎国立循環器病センター総長)―など、広告を原則自由化すべきとの意見が相次いだ。
反対に、日本医師会常任理事の三上裕司委員は「医療は人の命に関わることなので、情報の精度は確保されるべき。政府は事前規制から事後規制へと言っているが、事故があってからでは遅い」として、現在のポジティブリスト方式を堅持するよう強く求めた。
MMPG提供
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