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2004年12月27日号

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《医師法改正・義務化も検討中》
医師の再教育制度の骨格固まる

行政処分を受けた医師に再教育を施す制度の骨格が固まった。医業停止期間中の倫理教育と停止期間後の臨床指導に大きく分かれ、専属の指導医が倫理面や臨床面の向上の度合いを判断する。具体的な再教育プログラムを作成したうえで来夏にも試行を開始するが、厚生労働省は再教育を義務化するための医師法改正にも踏み切る考えだ。
再教育は行政処分を受けたすべての医師が対象。診療行為ができない医業停止期間中は医師としての自覚をあらためて促す倫理教育のほか、米国などにならい奉仕活動等も盛り込む。さらに医療技術の未熟さが原因で処分を受けた医師は、医業停止期間後の一定期間に、指導医の監督の下で技術指導を受ける。
指導医は都道府県ごとに必要数を確保する予定で、倫理面、臨床面で処分を受けた医師から定期的に報告を受ける。臨床面では、指導医の許可が出るまで診療行為の監督が続く。現段階では、一律の監督期間は設けない考えで、修了時期は指導医の裁量にゆだねる方向だ。今後、倫理教育と診療科ごとの再教育プログラムを設定する。
指導医の人件費等の再教育費用については、処分を受けた医師が負担する。高額になる恐れがあるため公費負担を求める意見もあるが「再教育費用に税金を使うことに国民の理解が得られるのか」(厚労省)との観点から困難と判断。経済的な理由で支払いができない医師には、金銭貸与制度を設けて対応する見通しだ。
再教育の実施主体は厚労省のほか、医療界、法曹界の団体が加わることを想定しており、医療界からは日本医師会や日本医学会がかかわる可能性が高くなっている。厚労省は来夏をめどに試行に移すが、あくまで処分を受けた医師に対する受講の「指導」にとどまり強制力はもたないため、2006年にも医師法を改正して義務化することも検討している。
厚労省によると、1971年度から今年7月までの約33年間で、医師及び歯科医師が、行政処分を受けた例は833件。診療報酬の不正請求が145件と最も多く、所得税法違反が73件で続く。また、医師の処分件数は604件で、業務停止が558件、免許取消が46件だった。

《厚労省・指導監査実施状況》
2003年度不正請求等による返還額は63億円

厚生労働省保険局がまとめた2003年度の保険医療機関の指導監査実施状況によると、保険医療機関から返還を求めた額は63億2,721万円で、前年度から20億9,475万円と大幅に増加した。本年初頭に医師の名義貸しが社会問題となったことを受けて、医師数を水増しして診療報酬を不正請求していた国立療養所八雲病院(北海道)が昨年12月1日に保険医療機関の指定を取り消され3億4,891万円を返還する等、名義貸しに関する指定取消は前年から1機関増の7機関となった。
2003年度に保険医療機関に対して実施された監査は69件、保険医等は210人で、個別指導は3,129件、7,774人に対して行った。新規指定個別指導はそれぞれ5,017件、6,226人、集団的個別指導は9,591件だった。
これにより、保険医療機関の指定取消となったのは38機関(対前年比9機関増)保険医等の登録抹消は29人(同3人減)。保険医療機関等における取消の内訳は、医科19件、歯科13件、薬局6件、保険医等取消は医科13人、歯科14人、薬局2人だった。
とりわけ、前年度に比べて医療従事者数の水増しによる不正請求が目立ち、2002年度の3病院1億5,000万円から2003年度には5病院16億円に増加した。取消となった医療機関のうち、もっとも返還金額が大きかったのは医療法人同仁会牧角記念病院(鹿児島県)の4億5,023万円で、勤務実態のない医師や非常勤医師を常勤扱いとした虚偽の届出や入院患者数の改ざん、施設基準に適合しない届出を適合しているとした届出、無診察による投薬等で不正請求をしていた。2004年2月1日に保険指定を取り消されている。

《日医・植松会長》
混合診療問題これで終わったわけではない

日本医師会の植松治雄会長は21日の記者会見で、4月の会長選挙で初当選してからの活動を振り返った。とりわけ精力を注いだ医療分野の規制改革をめぐっては、混合診療の解禁問題に重点的に言及。決して今回の合意ですべてが終わったわけではないとの慎重な見方を示す一方で、「少なくとも全面解禁を国民のために阻止できたことで責任が果たせた」と成果を強調した。
植松会長は新執行部となってからの主な活動として、日本医師会の推薦候補を当選させた7月の参院選や、東京都内で10月に開いた世界医師会総会、政府の規制改革・民間開放推進会議が主張している混合診療の解禁に反対する活動などをあげた。
また、混合診療の解禁問題で、厚労省と内閣府が合意した内容については、「おおむね私どもが考えていたこと。特定療養費を見直すという方向性は中医協でも議論されていた」とほぼ日本医師会の主張に沿ったものであったと述べた。
ただ、規制改革会議側は今回の合意内容に納得したわけではなく、新たに構造改革特区を活用した全面解禁の提案も検討している。植松会長も「混合診療の問題はこれで終わったわけではない」との見方を示し、今後、合意内容が具体化していく過程でも「注視するだけでなく、必要なことは発言していきたい」と積極的に関わる姿勢を見せた。



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