厚生労働省保険局がまとめた2003年度の保険医療機関の指導監査実施状況によると、保険医療機関から返還を求めた額は63億2,721万円で、前年度から20億9,475万円と大幅に増加した。本年初頭に医師の名義貸しが社会問題となったことを受けて、医師数を水増しして診療報酬を不正請求していた国立療養所八雲病院(北海道)が昨年12月1日に保険医療機関の指定を取り消され3億4,891万円を返還する等、名義貸しに関する指定取消は前年から1機関増の7機関となった。
2003年度に保険医療機関に対して実施された監査は69件、保険医等は210人で、個別指導は3,129件、7,774人に対して行った。新規指定個別指導はそれぞれ5,017件、6,226人、集団的個別指導は9,591件だった。
これにより、保険医療機関の指定取消となったのは38機関(対前年比9機関増)保険医等の登録抹消は29人(同3人減)。保険医療機関等における取消の内訳は、医科19件、歯科13件、薬局6件、保険医等取消は医科13人、歯科14人、薬局2人だった。
とりわけ、前年度に比べて医療従事者数の水増しによる不正請求が目立ち、2002年度の3病院1億5,000万円から2003年度には5病院16億円に増加した。取消となった医療機関のうち、もっとも返還金額が大きかったのは医療法人同仁会牧角記念病院(鹿児島県)の4億5,023万円で、勤務実態のない医師や非常勤医師を常勤扱いとした虚偽の届出や入院患者数の改ざん、施設基準に適合しない届出を適合しているとした届出、無診察による投薬等で不正請求をしていた。2004年2月1日に保険指定を取り消されている。