財政制度等審議会は19日に公表する来年度予算に関する建議で、医療費の伸びの“公的保険”部分を経済成長に見合った伸びに抑制する「総額管理方式」などの考え方を盛り込む方針を固めた。同審議会の起草検討委員会は、2014年の社会保障関係費は2004年度予算(19兆8,000億円)の1.6倍の32兆6,000億円にまでふくらむと試算。仮に国の歳入が増加しない場合、社会保障関係費を20兆8,000億円に圧縮しなければ、歳入と歳出、国債費と公債金収入の額をそれぞれ同じにするプライマリーバランス(基礎的財政収支)の均衡が図られないと指摘している。
起草委員会の試算によると、2004年度予算の総額82兆1,000億円が2014年度には119兆4,000億円となる。内訳は社会保障関係費19兆8,000億円→32兆6,000億円、地方交付税等16兆5,000億円→21兆円、国債費17兆6,000億円→35兆2,000億円―など。10年間の伸び率は国債費が2倍と最も高く、社会保障関係費は国債に次ぐ伸び率で1.6倍に増加する。
2004年度は歳入の45兆5,000億円に対し歳出は65兆5,000億円と、歳出と歳入の差は19兆円。ただ、実際には国債費17兆6,000億円(歳出)、公債金収入36兆6,000億円(歳入)があるため、総額で82兆1,000億円の予算規模となっている。現状のまま推移すると、2014年度は歳入56兆4,000億円、公債金収入62兆9,000億円、歳出は84兆2,000億円、国債費35兆2,000億円で、予算規模は119兆4,000億円となる。歳出と歳入の差は19兆円から27兆8,000億円に跳ね上がる。
これらの試算を踏まえ建議では、「地方交付税が歳出肥大化の原因の一つだ」として、地方への税源移譲を行う三位一体の改革の推進をあげた。社会保障関係費のうち、医療費については、“公的保険”での給付は経済成長の伸びにあわせたものにする「総額管理」の検討を要請。介護保険制度については利用者の1割負担引き上げの検討も盛り込むことを決めた。