《社会保障審議会》
社保審で三位一体改革に反対意見続出
厚生労働省は9月29日、社会保障審議会に対し来年度概算要求の概要や各審議会などの審議状況を報告した。この中で、委員からは三位一体改革について、「社会保障の一部を国が実施し、残りの一部を自治体が実施することは非効率だ。社会保障は国が責任を持って取り組むべき」などの意見が相次いだ。三位一体改革の推進を求めたのは日本経団連と市町村を代表する委員のみで、社会保障審議会の中でも考え方の溝が深まりつつある。三位一体改革について厚労省は、「社会保障関係の改革は影響が大きい」とするとともに、基本的な考え方について「社会保障は、全国民に対して一定水準のサービスを保障していくという国民的合意の下で実施されてきた」として、慎重な議論を求めた。
そのうえで厚労省は、全国知事会、全国都道府県議会議長会などによる地方六団体が8月24日、小泉総理に提出した「国庫補助負担金等に関する改革案〜地方分権推進のための『三位一体の改革』〜」のなかで、国から地方に税源移譲すべき項目として社会保障関連で9,444億円分を提案したことに対し、具体的な問題点として6項目を指摘。主な項目は(1)どの地域においても一定水準のサービスを格差なく保障するという国の責任が果たせなくなる、(2)生活習慣病対策の補助金などが廃止された場合、給付費の適正化に責任を果たせなくなる、(3)障害者施策については、入所施設の運営費は18歳までが地方、18歳以降が国と、支援の一貫性が分断される―。厚労省は今後、地方六団体と議論を行う中で、10月末までに対案を策定していく。
これらについて、久保田泰雄委員(日本労働組合総連合会副事務局長)は「障害者など弱者にしわ寄せが行くとともに、エイズや感染症対策など、全国的に対応しなければならないことまで取り上げられている。一方、老人医療費や介護給付費については全く手つかずだ。国と地方の役割分担をまず議論するべきだ」として、三位一体改革を根本から見直すよう求めた。
京極高宣委員(日本社会事業大学長)も「昨年は次世代育成が予算の目玉だったが、今年は削る目玉になっている。プライオリティをどこに置くか再検討が必要」として、予算と事業のあり方の見直しを提言した。
《2003年社会医療診療行為別調査》
薬剤料の比率は8年ぶりにプラスに
厚生労働省がこのほど発表した2003年社会医療診療行為別調査では、医科総点数に占める薬剤料の比率は22.2%で、前年から0.6ポイント上昇した。薬剤料の比率は1995年を境に減少傾向を示していたが、8年ぶりのプラスとなった。
薬剤料の比率は入院が12.0%(前年同)、入院外34.5%(同+1.1ポイント)だった。このうち、「投薬・注射」で使用された薬剤料の比率は総数で19.6%、入院9.8%、入院外31.5%となっている。
《尾辻厚労相》
「個人的には混合診療には賛成」
尾辻秀久厚生労働相は9月28日の会見で、いわゆる混合診療について「個人的には大きく進めることには賛成」との意向を示した。尾辻厚労相はこの日、「混合診療の無制限な解禁は患者負担などの問題が生じるため、一定のルールが必要」と厚労省から説明を受けたことを紹介し、「それはわかった。もう少し進める方向で検討するように、と指示をした」と述べた。
《社会保険診療報酬支払基金まとめ》
昨年度レセプトの査定は14%減少
社会保険診療報酬支払基金がこのほどまとめた昨年度(2003年4月〜2004年3月審査分)の審査状況によると、医科・歯科診療報酬明細書の原審査が請求された5億7,865万件のうち、査定が行われたのは604万件で、前年度に比べ14.3%減少したことがわかった。査定点数は25億4,264万点で、10.4%減少。これに伴い、査定件数率は1.045%(前年度比▲12.6ポイント)、査定点数率は0.219%(同▲8.4ポイント)となっている。
2003年度に審査請求が行われたのは5億7,865万7,865件、1兆1,616万1,247万点で、いずれも前年度から2.0%、2.4%減少した。
再審査の処理件数は1,483万1,317件で前年度から7.9%減少。処理内訳は診療内容について保険者や医療機関の申し出に対し原審査のままとした「原審どおり」が半数を占める702万3,708件(前年度比▲10.9%)。次いで保険者から受給資格がないとの申し出があり医療機関に返戻した「資格等返戻」425万2,603件(同▲0.7%)、診療内容について保険者または医療機関の申し出を認めた「容認」が264万4,428件(同▲14.5%)の順。また、診療内容について医療機関に返戻照会した「内容返戻」は47万6,651件(同+3.7%)だった。
《医療経済フォーラム・ジャパン》
医療保障財源テーマにシンポジウム
医療経済フォーラム・ジャパンは10月26日(火)、第3回公開シンポジウムを開催する。テーマは「日本の医療保障財源を考えるPart2」。田中滋慶應義塾大学大学院教授の基調講演の後、水野肇副会長を座長に加藤寛会長、櫻井秀也日本医師会副会長、辻哲夫厚生労働省厚生労働審議官、福田淳一財務省主計局主計官、北郷勲夫国民健康保険中央会理事長がシンポジウムを行う。問合せは事務局(TEL:03-3572-3051)まで。
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