《厚労省・出資額限度法人のモデル定款案》
「払戻請求権は出資額内」など明記
厚生労働省はこのほど、「出資額限度法人」のモデル定款案を公表した。出資額限度法人は、通常の医療法人から移行の際、(1)全出資額に占める同族関係者らの出資額の割合が50%以下、(2)全社員数に占める同族関係者らの割合が50%以下―など4点の条件をクリアした場合のみ、非課税になることが決まっている。
出資額限度法人は、社員の任意退社などに伴って発生する出資持分の払戻請求権や、解散時の残余財産分配請求権を出資額内に限定するのが柱。このため同案では、通常の医療法人のモデル定款で「その出資額に応じて払戻を請求できる」としているのを、「その出資額を限度として払戻を請求できる」と改めた。また、解散時の残余財産についても、通常の医療法人が「払込済出資額に応じて分配する」とあるのを、同案では、都道府県知事の認可を得た上で、国か地方公共団体、特定医療法人、特別医療法人に帰属させることをうたっている。公益性の高い社会福祉法人等を帰属先に指定できるかどうかは、事例ごとに判断される見通しだ。
厚労省には、出資額限度法人を一つのステップとして、段階的に特定・特別医療法人に移行してほしいとの思惑がある。しかし、現行法の枠内では、出資額限度法人から通常の医療法人への後戻りを禁止できないため、一時的な相続対策などに利用されかねないとの懸念もある。このため、通常では社員総会の議決を経て、都道府県知事の認可が得られれば定款変更が可能だが、同案では持分のない特別・特定医療法人に移行する場合を除き、変更できないと定めている。医政局指導課は「出資額限度法人の趣旨を踏まえ、あまり後戻りということは考えないで欲しい」と説明した。
《日医・櫻井副会長》
特定療養費の拡大「保険診療に入れることが前提」
日本医師会の櫻井秀也副会長は6月29日の会見で、特定療養費制度について、「高度先進医療のように、将来、保健医療に入れることを前提にした新しい医療行為、アメニティなど医療とは関係のない選定医療の拡大には反対しなくて良いと思う」との考えを示した。
櫻井副会長は、「新しい医療行為でエビデンスがあれば、保険診療に入れることを前提にすべき。何らかの特定療養費制度に加えることで、対処できると思う」として、具体的には、乳房を切除した患者に対する乳房再建や遺伝子診断をあげた。また、選定医療については、本来の趣旨とは異なる多種多様なものが詰め込まれていると指摘、これを見直すべきと述べた。
特定療養費制度拡大の限界については、「無制限とは思っていないが、せめて医療費全体としてGDPの10%はほしい」としており、財源については「個人的には、たばこ税と年金が増額することが決まった中で、健康保険についても保険料を上げられるのではないかと思っている」との見解を述べている。
《厚労省》
診療録のスキャナー読み取り保存容認へ
厚生労働省の医療情報ネットワーク基盤検討会は6月24日、2005年4月から施行予定の「e−文書通則法(案)」により、スキャナー読み取りによる診療関連文書の電子保存を認める方向で一致した。
今回、認める診療関連文書は、診療録や処方せん、照射録などで、いずれも紙で作成したものをスキャナーで読み取り、電子的に保存することを認めている。しかし、電子的に作成されたものについては、診療録や照射録は作成・保存を認めるが、処方せんは、医療機関だけでなく薬局においても体制整備が必要となるため、当面は認めない方針だ。
スキャナーによる紙の読み取り保存においては、▼光学解像度やセンサーについて、一定の規格・基準を満たすこと、▼管理者に対し、運用管理規定を定めること、▼情報作成管理者を配置すること―等を求めている。また、過去の診療録などを電子保存する場合は、事前に院内掲示による情報提供を行い、患者からの異議申し立てがあった場合は、読み取りを行わないなどの配慮も必要とした。
《厚労省・懇談会が初会合》
医療用医薬品の取引慣行是正など検討へ
厚生労働省は、医療用医薬品の流通過程における不適切な取引慣行の是正に向け、懇談会を設置、6月25日に初会合を開いた。
医療用医薬品の流通をめぐっては従来から、価格の未妥結状態のままでの仮納入、総価山買い、過度のリベート等の問題点が指摘されており、同会では、(1)医療用医薬品の流通に関する状況の変化、(2)医薬品流通近代化協議会提言への対応状況など価格形成の実態、(3)医療用医薬品の流通改善の推進方策―を主な検討事項としてあげている。
この日の会合では、事務局からの現状報告とフリートーキングが行われた。委員からは、「以前は卸が得られる利益は3〜4%だったが、厳しい価格交渉でゼロになっている」など厳しい現状を吐露する意見や、医療団体側から「R幅が2%となり、薬価差益はほとんどない。ある程度R幅がないと競争原理が働かないのでは」などの意見が寄せられた。
同会は、今後4回程度会合を開き、必要に応じ参考人を招いて意見を徴収する。12月には医療用医薬品の流通改善に向けた提言を行う予定。
MMPG提供
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