《医業経営の非営利性等に関する検討会》
同族50%以下で「みなし贈与」非課税に
「医業経営の非営利性等に関する検討会」は22日、出資額限度法人について、その定義や課税関係などを明確にした報告書をまとめた。「出資額限度法人」とは、社員の任意退社や死亡に伴って発生する出資持分の払戻請求権や、解散時の残余財産分配請求権を出資額内に限定する法人のこと。通常の医療法人社団では、出資額に加え、剰余金などの「含み益」についても出資額に応じた払戻請求が認められており、場合によっては医業経営を脅かす恐れがある。
同報告書では、最大の焦点である課税問題について、「医療法人社団から出資額限度法人に移行する際の法人税や所得税、贈与税などの課税は、医療法人や出資者のいずれにも一切生じない。出資額限度法人に移行した後も持分は存続するため、税法上の扱いに変更はない」と明示。出資者の退社などに伴い、残る出資者の持分が増額して発生する「みなし贈与」への課税については、(1)全出資額に占める同族関係者らの出資額の割合が50%以下、(2)全社員数に占める同族関係者らの割合が50%以下、(3)役員に占める同族関係者らの割合が3分の1以下、(4)役員や社員、同族関係者らに「特別の利益の供与」がないこと―の4要件をクリアする出資額限度法人に限り、非課税とした。
一方、特定医療法人や特別医療法人に求められる「差額ベッド比率」などの条件をつけることは、今回は見送られている。
厚労省は、この報告を受け、近くモデル定款を作成するとしている。
■「さらに法制化を検討すべき」〜豊田委員
今回の措置に関しては、現行法上における出資額限度法人の課税関係を明らかにしただけで、特定・特別医療法人のように法令で定義されたわけではない。厚労省が近く作成するモデル定款についても強制力はなく、不安定な面があるのは否めないのが現状だ。
豊田堯委員(日本医療法人協会長)は、「制度として確立されないと、運用は難しい。今回の報告書は、あくまでも途中段階。曖昧さをなくすためにも法制化の必要がある」と指摘している。厚労省は今後、出資額限度法人の普及状況を踏まえ、特定・特別医療法人を含めた制度の整理を検討する考えだ。
《医療保険部会で厚労省が論点案提示》
後期高齢者医療制度 保険者は「地域が適当」
厚生労働省は23日、社会保障審議会医療保険部会に対し、75歳以上の後期高齢者医療制度の保険者や財政方式などに関する論点案を提示した。高齢者医療制度をめぐっては、給付費の半分を税金で、残りを加入者の保険料と現役世代の支援で運営する方針などは決まっていたが、運営主体に踏み込んだのは今回が初めて。
まず、保険者については、医療、介護の役割分担とその連携を図り、高齢者のQOLや医療費の適正化を実現するため、「地域で担うことが適当」とした。
また、現行の老人保健制度について、「老人医療費の世代間・保険者間の負担状況がわかりにくい」、「実施主体と財政主体が分かれているため、実施主体には医療費適正化の動機付けが働かない」などと指摘。その上で新たな高齢者医療制度では、「保険者が保険料の徴収等の財政責任を果たす中で、自ら医療費適正化に取り組めるようにするべき」と述べた。
さらに、高齢者本人と現役世代の負担割合に関しては、「各世代全体の負担能力が向上した場合、それぞれに見合う負担額を設定する必要がある」とした一方で、「負担能力を上回って高齢者医療費が伸びた場合の評価と負担方法についても検討する」とした。
同部会は7月中に論点整理メモをまとめ、秋から新たに議論をスタートさせる予定だ。
《個人情報保護のあり方検討会》
秋口までにガイドライン策定へ
来年4月から施行される個人情報保護法について、医療機関の取り組みに関するガイドラインの検討が始まった。23日に初会合を開いた「医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」では、厚生労働省が「医療機関(個人情報取扱事業者)の義務等に係る論点(例)」を提示、議論が行われた。
「論点(例)」では、(1)個人情報の利用や第三者への提供等にあたり、具体的に必要となる対応、(2)個人情報の安全管理のために必要となる対応、(3)本人からの要求・苦情等に対する対応―等の4項目があげられ、このうち、医療機関の連携などによる他の医療機関(第三者)への診療情報の提供については、具体的な検討方向として、(1)本人の同意を得る、(2)委託の場合は第三者に該当しないので、同意は必要ない、(3)医療法による立ち入り検査等は、例外規定のため、本人の同意を得ずに提供しても良い―の3つの考え方が例示された。
診療情報は、プライバシー性が高い一方、診療への利用が目的の一つとなっており、チーム医療や医療機関間の連携においても共有が必要になる。そのため、情報の保護と利用のバランスが今後の論点となることは必至だ。
樋口座長は、医療機関における個人情報の取り扱いについて、「病気になったら、世界中にその情報を発信し、利活用してほしいという考えもある。ガイドラインによりルールを明確化することで、医療に対する患者の信頼も向上する」として、情報の制限だけでなく、十分に利活用できる体制を整備したい考えを述べた。
MMPG提供
医業経営に関するお問い合せはご遠慮なく当社までお申し出下さい。

|