《坂口力厚生労働相・年頭所感(抜粋・要約)》
患者ニーズに応じた医療提供体制の確立を
昨年は厚生労働行政にとって年金制度改革など様々な課題に取り組んだ激動の時期でありました。年頭に当たり初心に立ち返ると、厚生労働行政の使命は国民生活に安心と活力をもたらす礎を築いていくことにあると考えます。私は常にこうした原点を忘れず、わが国の未来に明るい希望が持てるような社会の実現のため、全力を尽くしてまいる決意であります。
医療保険制度につきましては、将来においても医療制度の安定的運営を確保していくため、昨年3月には今後の医療制度改革についての「基本方針」を策定したところであり、この方針を踏まえ、保険者の再編・統合や新たな高齢者医療制度の創設等の改革を図ると同時に、保険料収納の確保等にも取り組んでまいります。また、医療提供体制につきましては、昨年8月に取りまとめた「医療提供体制の改革のビジョン」を踏まえ、予防から治療までニーズに応じた患者本位の医療の確立を図ってまいります。特に、最近の医療事故の状況を踏まえ、昨年12月には私から「医療事故対策緊急アピール」を発表したところであり、「人」「施設」「もの」の三つの柱による医療安全対策を強力に進めてまいります。
《坂口力厚生労働相》
医療安全対策で緊急「アピール」
坂口力厚生労働大臣は2003年12月24日、医療関係者に医療安全の徹底を求める「厚生労働大臣医療事故対策緊急アピール」を公表した。このなかで、最近相次いでいる医療事故について「このような状況が続けば国民の医療に対する信頼が大きく揺らぐ」と問題視した上で、「人」「施設」「もの」の3分野に分けて、新たな取組みや対策の強化を進めるよう求めた。
具体的な対策として、まず「人」に関しては、2004年度からスタートする新しい医師臨床研修制度において、研修医に安全意識の徹底を図るよう要請。さらに生涯教育などの講習会の受講を奨励し、医師登録事項への追加も検討するとした。
また「施設」の対策としては、(1)第三者機関による事故事例情報の収集・分析・提供のシステムの整備や、医療機能評価機構等の外部機関による評価の受審促進等を通じて医療機関評価の充実を図る、(2)手術室や集中治療室などのハイリスク施設・部署におけるリスクの要因の明確化を図り、安全ガイドラインの作成を進める、(3)手術の画像記録を患者に提供することによって、手術室の透明性の向上を図る、(4)病院設計における安全思想の導入の強化を図る―などを盛り込んだ。
さらに「もの」に関する対策としては、医療事故要因の多くを占める薬剤使用について、「2次元コード・ICタグの利用」や「名称・外観データベースの整備」などを通じて安全管理の徹底を図るとした。また、オーダリングシステムや点滴の集中管理など、ITを活用した安全対策の推進を図るとともに、患者自らが薬剤や検査の確認などができるバーコードリーダーの導入など、患者参加型の安全推進を求めている。
《厚労省・2002年受療行動調査》
患者が入手したい情報は「医師の専門分野」
厚生労働省はこのほど「2002年受療行動調査の概況」をまとめた。同調査は2002年10月に病院を受診した患者15万4,100人を対象に実施し、11万8,188人から回答を得た。それによると、外来患者の約7割が「病院を選ぶにあたって入手したい情報があった」と回答。具体的には「医師の専門分野」(46.7%)や「予約制の有無」(38.7%)、「夜間・休日診療実施の有無」(37.9%)等が上位に入った。入院患者では「入院に必要な経費」や「医師の専門分野」等があがっている。
また、外来患者に、診察までの待ち時間に対する不満について聞いたところ、「30分未満」を不満とするのは20%台前半だったのに対し、「30分超」になると30%を超えることがわかった。また、外来患者の診察時間に関して見ると、「不満等」との回答は「3分未満」が約2割に達したが、「3分以上」では1割を切っている。満足度が最も高かった診察時間は「10〜20分未満」で49.7%にのぼっている。
《厚労省》
2002年度は保険医等32人の保険指定を取消
厚生労働省が公表した「2002年度における保険医療機関等の指導及び監査の実施状況」によると、2002年度に診療報酬の不正請求などで、29施設、32人の医師・歯科医師・薬剤師が保険指定の取消処分を受けたことが明らかになった。監査は保険医療機関等60件、保険医等175人に行われた。
指導や監査の結果、医療機関に求められた診療報酬の返還額は42億3,246万円。前年度より24億611万円も減少しており、要因としては前年度と比較して医療従事者数の水増し請求が減っていることがあげられる。返還額の最高は、定数超過入院や付増、振替などによる不正請求を行っていた医療法人社団青虎会カイ虎ノ門整形外科胃腸科外科(山梨県)の9,640万円で、次いで清和記念病院(福岡県)の5,168万円、医療法人緑仁会病院(北海道)の5,102万円と続き、いずれも医療従事者の水増しによる不正請求を行っていた。
また、保険医療機関等の指定取消は29件(前年度比20件減)で、内訳は医科18件、歯科9件、薬局2件。保険医等の登録取消は医科15人、歯科13人、薬局4人の計32人(同15人減)だった。
MMPG提供
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