《中医協・対馬健保連常務理事》
支払側は「前回並み」マイナス改定を要求
健康保険組合連合会の対馬忠明常務理事は、3日の中央社会保険医療協議会で、次期診療報酬改定において前回並みの引き下げを実施するべきとの考えを表明した。同日、薬価調査と保険医療材料価格調査の速報値が報告されたことを受けての見解。対馬委員は支払側の意見として、(1)医療費動向の増加を改善すべき、(2)
3割以上増えている100床あたりの材料費を減らす経営努力が必要、(3)診療所の収入減は病院より大きく、病診間の格差を是正することが必要、(4)医療安全や小児医療などの問題もあるが、診療報酬は前回並みの引き下げが必要―の4点を提示した。このうち、マイナス改定の必要性に関しては、保険者の2002年度決算が「2000年度に導入された介護保険の拠出金など清算分が含まれるなど特殊な事情もある」としながらも「極めて膨大な赤字に陥っている」と指摘している。
これに対し、診療側の青柳俊委員(日医副会長)は、「消費者物価指数が下落していると言うが、比較できるものを見ると医療機関に関する部分では下落していない。人事院勧告の削減でも、民間病院と国公立病院の賃金格差がある中で、人事院勧告が引き下げたから、民間も下げるというのは短絡的だ」として、支払側の要求について説得力がないと訴えた。
《中医協・厚労省調査報告》
薬価の平均乖離率は6.3%
厚生労働省は3日の中医協総会に、薬価調査の速報値として平均乖離率が6.3%になったと報告した。これによって11月26日に報告された医療経済実態調査の結果と合わせ、診療報酬改定における審議材料が出揃った。10日には次期改定のたたき台について議論を行い、早ければ12日にも基本方針をまとめる見通しだ。
薬価調査は9月取引分について、医薬品卸業者等から集めた1,090万件を集計した。薬価には調整幅2%、消費税5%も含まれている。前回調査の薬価の平均乖離率は7.1%、これを受けて前回改定では医療費ベースで1.3%の引き下げを行った。今回の平均乖離率は前回調査を0.8ポイント下回る6.3%だったことから、時期改定における薬価の引き下げ率は、前回を下回ることが予想される。
また、特定保険医療材料の平均乖離率は8.6%で、前回調査の11.6%を3.0ポイント下回った。前回改定における医療材料費の引き下げ幅は、医療費ベースで0.1%。今回、平均乖離率が縮小したことで、引き下げ幅はさらに縮小することが予想され、薬価の引き下げで診療報酬本体を補填することが難しくなり、改定財源の捻出方法が課題になってきたといえる。
《経済財政諮問会議・2004度予算編成基本方針案》
保険財政状況を反映した診療報酬改定を
政府の経済財政諮問会議は11月28日、2004年度予算編成の基本方針案を示した。歳出全般にわたる見直しを継続する方針で、特に医療や介護、年金などの社会保障関係費については、自然増を6,900億円以下(当初見込み9,100億円)に抑制する方針を改めて明記。社会保障分野のうち医療に関しては、厳しい保険財政や市場実勢価格に見合った診療報酬や薬価の見直しを盛り込んだ。なかでも財務省が引き下げを強く要望している来年4月の診療報酬改定に関しては、「近年の物価・賃金動向、経済動向、厳しい保険財政の状況等を踏まえ、国民負担の軽減を図る観点から水準全体を適正に見直す」と明記。具体的な改定幅には言及しなかったものの、暗に引き下げ方針を示した。さらに診療報酬体系については、入院医療の包括化の推進などにより、効率的で質の高い医療の確保を求めた。また、介護保険に関しては、適用範囲や施設サービスにおける「ホテルコスト」など給付と負担のあり方について検討し、制度施行後5年を目途とする制度見直しの中で、必要な措置を講ずる方針を示している。
《会計検査院報告書》
診療報酬支払関係の「不当」は15億円
会計検査院は11月28日、「2002年度決算検査報告」を公表した。それによると、厚労省関係で、支払基金などの審査点検が不十分だったことにより、医療機関や薬局に対して支払った不適切な診療報酬は91万4,338件、26億1,980万円。このうち国の負担額は14億円9,164万円だった。診療報酬支払関係における国庫負担の不当事項は下記の通り(抜粋)。
○初診料・再診料:9,065万6,576円。
配置医師が特養等の入所者に対して行った診療について初診料・再診料を算定するなどしていた。
○処置料:4,306万2,264円。
多くの入院患者に皮膚科軟膏処置を画一的に実施して処置料を算定したり、特養等の職員が入所者に対して行った創傷処置等を処置料として算定するなどしていた。
○在宅医療料:3,645万9,987円。
介護保険の要介護被保険者に対して厚労相が定める疾病等に該当していないのに在宅患者訪問看護・指導料等を算定したり、都道府県知事への届出を行っていないのに24時間連携体制加算を算定するなどしていた。
○指導管理料:3,119万8,338円。
配置医師が特養等の入所者に対して行った診療について、老人慢性疾患生活指導料等を算定するなどしていた。
○検査料:2,512万5,592円。
特養の多くの入所者に対して血液化学検査等を画一的に実施して検査料を算定するなどしていた。
MMPG提供
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