《財務省》
次期診療報酬改定で4%の引き下げを要求
財務省は13日、財政制度等審議会に「2004年度診療報酬・薬価等改定の基本的考え方」を提示した。このなかで、保険料収入の低迷や医療費の増加見込みにより、2004年度の医療保険各制度の収支状況はさらに悪化すると指摘、次期診療報酬改定において薬価等含め最低4%程度の引き下げを要求した。
財務省では、2002〜2003年の賃金・物価動向は、人事院勧告が▲4.9%、消費者物価指数が▲1.9%だったとして、これを医療費の費用構造(人件費約5割、物件費等約3割、薬剤費等約2割)に単純に当てはめると、診療報酬体系は▲3%となると解説。これに市場実勢に応じた薬価の引き下げ分を合わせ、最低4%の引き下げを求めた。財務省の試算によると、医療費を1%引き下げると約2,850億円(患者450億円、保険料1,500億円、国庫700億円、地方200億円)の国民負担が軽減されるという。医療機関の収入の増加や経営効率化を踏まえれば「さらなる引き下げも可能」としており、同審議会も大筋でこれを了承している。
■入院時食事療養費、検査・画像診断料の引下げ要求
さらに財務省は診療報酬体系の見直しにも言及。具体的には「入院時食事療養費の引き下げ」や「検査・画像診断料の引き下げ」などを例示した。また、保険給付範囲の見直しに関しても、特定療養費の弾力化や抜本的拡充、入院入所者の日常生活費用(食事、ホテルコスト等)に対する保険適用のあり方などについての検討を求めている。
《坂口厚生労働大臣》
財務省の診療報酬引き下げ方針を強く批判
坂口力厚生労働大臣は11日の閣議後の記者会見で、財務省が次期診療報酬改定で約4%の引き下げを要望する方針であることに対し、「数パーセントずつ切っていくというやり方をしていると、日本の医療は崩壊してしまう」と述べ、強く反対の意を唱えた。
さらに、現在、診療報酬体系の見直しを含めた医療制度改革の最中であるとした上で、「医療費を抑制していくために大事なことは、早い時点で疾病に対する手を打ち、医療費がかさまないようにしていくことである」と強調。診療報酬改定に対する厚労省としての考え方を示した。
《厚労省・介護給付費分科会》
介護報酬改定の影響、浮きぼりに
厚生労働省は7日、社会保障審議会介護給付費分科会に、「2003年4月介護報酬改定後の動向」を提示した。
それによると、2003年4〜6月までの介護給付費総額(1ヶ月あたり平均)は、要介護認定者が増加していることを背景に、前年同期比でプラス9.3%(在宅:+20.5%、施設:+1.2%)となった。しかし、介護報酬改定直前の3ヶ月(2003年1〜3月)の伸び率(プラス12.1%)との比較では2.8ポイント下回っている。特に施設サービス給付費の落ち込みが大きく、5.3ポイントのマイナス。在宅系は0.1ポイントの微増だった。
■グループホームの1人あたり費用は2.4%増
在宅サービス系の2003年4〜6月の1人あたり費用の状況をみると、通所リハビリテーションは対前年同期比で1.9%減。在宅での日常生活における自立支援を図る観点から新設した「個別リハビリテーション加算」の算定割合は、4月の23.1%から6月には29.1%まで拡大している。訪問リハビリについては、対前年同期比(4〜6月)が4.4%増。退院・退所後半年以内に算定できる「日常生活活動訓練加算」の算定割合(6月時点)は、病院・診療所が10.8%だったのに対し、老健は22.1%と、老健での取り組みが進んでいる状況が明らかになった。
このほか、痴呆対応型共同生活介護(グループホーム)の1人あたり費用(4〜6月)は、対前年同月比で2.4%増だった。4月改定で新設された「夜間ケア加算」については月を追うごとに算定する事業所が増えており、4月の約39%から6月には44.4%まで上昇した。
《東京都葛飾区・医療法人社団明正会》
初の地域医療振興債、発行へ
医療機関の資金調達手段として直接金融方式の導入を目指し、日本医療法人協会が枠組みを整えた「地域医療振興債」の第1弾が来年1月に発行される見通しになった。発行するのは、東京都葛飾区で診療所などを経営する医療法人社団明正会(近藤正明理事長)。来年4月に文京区でグループホームを開設するための資金約1億5,000万円のうち、約1億円を地域医療振興債方式で調達する予定だ。
地域医療振興債は、不特定の公募債ではなく、1回の募集が49人以下に限られる無担保、無保証の少人数私募債で、地域の縁故者を対象としている。資本投下によって与える社会的な影響を考慮するSRI(社会的責任投資)の視点を取り入れ、地域住民や患者のほか、職員ら病院関係者を引受手として想定している。明正会では、債券の金額を負担の軽い1口100万円に設定。利率は年2%に固定、償還期限は7年間とした。初回は来年1月20日をめどに49人に対して発行、7月には第2回の発行を予定している。4,900万円を2回、計9,800万円の調達計画だ。同会の近藤理事長は、「目新しいから飛びついたわけではなく、新しい資金調達の道を切り開きたいと思った。地域への責任が増す一方で、住民との距離を縮めることができれば嬉しい」と話す。
MMPG提供
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