《政府・2003年度経済財政報告》
人口減で経済成長率低迷 医療制度改革推進へ
竹中平蔵経済財政・金融担当相は10月24日の閣議に「2003年度年次経済報告(経済財政白書)―改革なくして成長なしV―」を提出した。白書では、高齢化と人口の減少により、我が国の生産年齢人口(15〜64歳)は2000年の8,622万人から2050年には5,389万人まで減少すると予測。このままでは2010〜2040年代の実質経済成長率は年平均0.2〜0.4%の低水準にとどまると試算している。さらに国民の社会負担増が過度に高まると経済成長率を押し下げるとの懸念を示し、医療や介護、年金等の社会保障制度改革を推進する必要性を強調。負担増に重点を置く厚労省をけん制した。
白書では、医療制度において、需要側と供給側の双方に医療費の適正化を促すような制度改革を要請。供給側については、診療報酬制度、薬価制度、医療提供体制、医療経営の近代化・効率化―の4つの観点から改革を進める必要性を強調した。このうち診療報酬制度については現行の「出来高払い方式」から、コスト削減のインセンティブが働きやすい「包括払い方式」中心の診療報酬体系に移行するよう提言しているほか、根拠に基づく医療(EBM)の推進などによって医療サービスの標準化を図るよう求めている。
また、医療経営に関しては、株式の発行など資金調達の多様化による経営基盤の強化が欠かせないとの見解を示した上で、構造改革特区における株式会社の医療参入の状況をみながら全国へ拡大していく必要性が示された。
《日本経済団体連合会・2002年規制緩和要望》
株式会社医療参入と混合診療解禁等求める
日本経済団体連合会はこのほど、2003年度の規制改革要望事項をまとめた。日本経団連では医療・介護・福祉分野の規制緩和に関して、「医療サービスの高度化・効率化を推進するためには、構造改革特区における状況等をみながら、営利法人による保険医療機関の経営を特区以外にも広げていくとともに、医療機関に関する評価体制や情報提供の充実を図る必要がある」との基本的考え方を明示。具体的には、(1)社会保険診療報酬支払基金から保険者に送付するレセプトの電子媒体化、(2)調剤報酬明細書の審査請求の見直し(新規)、(3)国保連によるレセプト審査・支払業務のアウトソーシング化、(4)保険者と医療機関の直接契約に係る規制緩和(新規)、(5)営利法人による保険医療機関の経営、(6)営利法人が経営する病院の地域医療支援病院としての承認、(7)いわゆる「混合診療」の容認(新規)、(8)電子化された診療録の外部保存と情報活用―など16項目の規制緩和を要求している。
このうち「調剤報酬明細書の審査請求の見直し」では、2,000点未満であっても疑義が生じた場合は支払基金等に審査請求できるよう求めている。調剤報酬明細書については現在、合計点数が2,000点以上の場合、医科歯科診療報酬明細書と突合して疑義があれば、保険者は社会保険診療報酬支払基金などに対して審査請求できるが、2,000点未満の場合はできない。
また、「営利法人による保険医療機関経営」については、構造改革特区において、自由診療分野で、高度な医療の提供に限定して医療機関の開設が認められたが、(1)医療サービスの効率化と質の向上に寄与する、(2)医療の安全性や質の確保には影響しない、(3)経営主体が非営利法人であっても、不採算の医療機関が経営を継続することは困難、(4)現存の企業立病院が地域の中核病院の役割を果たしている例もある―などを理由に、構造改革特区以外においても、株式会社等による医療機関経営の参入規制の解禁を要望している。
《社保審・介護保険部会》
介護保険制度の見直しで論点整理
厚生労働省は27日の社会保障審議会介護保険部会に、介護保険制度の見直しについての論点整理を提出した。具体的には「制度見直し全般」「保険者の在り方」「被保険者の範囲」「保険給付の内容・水準」「サービスの質の確保」「要介護認定」「保険料・納付金の負担の在り方」「他制度との関係性」―の8項目で、これまで委員から出た意見を広範にわたって取り入れた。
このうち「保険給付の内容・水準」では、施設サービスの利用者を要介護度が重度な者に限定すべきなどの声が出た。また、グループホームについては、将来的な保険料増加の要因になりうるとして指定基準の強化を求める意見と、ニーズが高いことからさらに増やすべきとの意見で割れている。「要介護認定」に関しては、「認定審査会等の簡素化、要介護認定の有効期間の拡大について検討すべき」との意見が出され、特に要介護認定の有効期間に関しては「無期限に延長すべき」との意見が出た。さらに「他制度との関係等」では、高齢者医療制度との整合性をどのようにとるのかが議論の俎上にのぼり、療養病床の実態が病院と同じであることを背景に、「介護保険の対象から除外し、医療保険の対象とすべき」との声もあがった。
《社会保険診療報酬支払基金》
8月診療分の支払確定件数は約1%減
社会保険診療報酬支払基金がこのほどまとめた8月診療分の支払確定状況によると、確定件数は前年同月比0.9%減、確定金額は7.0%減となっていることがわかった。制度別では、老人保健の大幅な落ち込みが依然続いており、件数は7.0%のマイナスとなっている。
MMPG提供
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