《中央社会保険医療協議会》
病院開設の「門前診療所」取扱いの検討要求
22日の中央社会保険医療協議会で診療側委員は、次回診療報酬改定についての要望書(第2次)を提出した。要望書では次回改定に対する診療側の基本姿勢として、(1)国民が安心して医療が受けられる体制、(2)質の確保、(3)安全に立脚した診療報酬、(4)「もの」と「技術」の分離―など6項目を提示。その上で、具体的な検討項目として、(1)適正な技術料評価、(2)医療機関機能の明確化、(3)地域医療の推進、(4)医業経営基盤の安定確保、(5)その他―の5項目をあげた。
このうち「医療機関機能の明確化」では、病院から外来機能を切り離した「門前診療所」が急増している状況について、これに対する是正を要求。青柳俊委員(日医副会長)は、「病院が経済的理由から敷地内に診療所をつくり、独立させていることに対し、評価を下すべき」と最大級の問題意識を表明した。また、「その他」の項目では、リハビリテーション処方料、廃棄物処理に対する診療報酬上の評価、こころのケアの評価、長期投薬に伴う管理の評価などを求めている。
■支払側はプラス改定要望に反発
診療側が提示した要望項目について支払側の対馬忠明委員(健保連常務理事)は、「社会経済状況の認識が必要」として、厳しい医療保険財政を訴え、点数の引き上げ要望をけん制した。また、松浦稔明委員(香川県国保連監事)も、「要望はプラス改定ばかり。保険者は財政の健全化を図らねばならない」として、保険財政を圧迫するプラス改定に反対。これに対し青柳委員は、「小泉改革は2006年の経済成長率を2%としている」として、この数値を視野に入れ、財源を確保する必要性を強調した。
今回の診療側の要望に対し、支払側委員も考えをまとめ、次回の中医協総会に提出するとしている。この中医協の前にも、健保連の下村健副会長が11月早々に中医協に支払側委員の考え方を提出する声明を発表。下村副会長はすでに中医協の委員ではないが、対馬常務理事からこれまでの報告を受け、考えを示した。診療側をけん制しつつ意見を出すとしている。
《厚労省・医業経営の非営利性等に関する検討会》
「出資額限度法人」の制度化に向けて検討
厚生労働省の「医業経営の非営利性等に関する検討会」は17日、初会合を開き、出資額限度法人の要件などに関して年度内に結論を出すことを確認した。出資額限度法人は、社員の任意退社などに伴って発生する出資持分の払戻請求権や、解散時の残余財産分配請求権を出資額内に限定する制度。通常の医療法人社団では出資額に加え、剰余金などの「含み益」についても出資額に応じた払戻を行わなければならず、場合によっては医業経営を脅かす恐れがある。
同日の会合では、出資額限度法人の制度化に向けて、同法人の位置付けや物価下落時の払戻請求に対する対応のほか、将来の特別・特定医療法人への移行を念頭に置いた時限的な制度にするかどうかといった論点が示された。このうち、出資額限度法人を経過的な位置付けにするかどうかについては、「特定・特別医療法人に移行したくても、出資額の放棄を望まない出資者もいて意見がまとまらない。出資額限度法人を恒久的な制度にしてほしい」など、否定的な意見が出た。一方、厚労省は、物価下落で出資額の価値が下がった場合に、当初の出資額そのものを払い戻すことを疑問視。「『出資額基準』というのであれば出資額になるが、『出資額限度』であるのでその範囲で対応するべきでは」(医政局指導課)と、物価にスライドさせたい考えを示した。
また、公益性を確保する観点から、出資額限度法人が医療法人社団に後戻りすることを禁じる方向で調整が進むものとみられる。贈与税・所得税・法人税の扱いについても課題が残され、当面は11月中旬の中間まとめに向けて、急ぎ足の議論になりそうだ。
同検討会メンバーは下記の通り(敬称略)。
▽石井孝宜(公認会計士)▽大道學(日本病院会副会長)▽川原邦彦(医業経営コンサルタント協会副会長)▽品川芳宣(筑波大大学院ビジネス科学研究科教授)▽田中滋(慶応義塾大大学院経営研究科教授)▽豊田堯(日本医療法人協会会長)▽西澤寛俊(全日本病院協会副会長)▽西島英利(日本医師会常任理事)▽松原由美(明治生命フィナンシュアランス研究所主任研究員)▽真野俊樹(多摩大大学院客員教授)▽山崎學(日本精神科病院協会常務理事)
《厚労省まとめ・医療費動向》
被用者保険本人が前年比5.6%マイナス
厚生労働省がまとめた「最近の医療費の動向」によると、6月の医療費総額(休日数などの影響を補正した後)は、対前年同月比で1.3%増加していることが明らかになった。ただ、4月に窓口負担額が3割に引き上げられた被用者保険本人に限り5.6%の減少がみられる。
6月の医療費動向を制度別にみると、被用者保険は対前年度比で3.1%減(本人5.6%減、家族0.3%減)、国保は3.0%増、高齢者は3.2%増だった。また、休日数などの影響を補正した1施設当たりの医療費は、医科診療所、歯科診療所がそれぞれ1.7%、4.9%の減少。保険薬局は5.1%増加した。さらに、診療所1施設当たり医療費の伸び率を診療科別にみると、内科2.6%減、小児科2.8%減、外科1.4%減、整形外科1.0%増、皮膚科0.2%減、産婦人科1.5%減、眼科2.8%減、耳鼻咽喉科1.8%減で、マイナス基調にあった整形外科が昨年4月の診療報酬改定以後、初のプラスとなった。
MMPG提供
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