《厚生労働省》
特別医療法人の要件を大幅に緩和
厚生労働省は5日、特別医療法人の要件緩和案をまとめ、公表した。特別医療法人制度の改正案は、同省の「これからの医業経営の在り方に関する検討会」において、医療の非営利性を徹底するため、特別医療法人を普及させることが必要であるとの提言がなされたことを受けて作成されたもの。病床要件の緩和や収益業務規制の拡大、給与規制の緩和等を打ち出している。
このうち、病床要件については、現行制度では救急病院やがん末期病院、研修病院など9種類の特定病床を備えることが要件となっているが、改正案では「へき地医療拠点病院」「病院群輪番制などに参加する病院」「緩和ケア病棟届出病院」「老人デイケア施設」「療養病床が50%以上の病院」など14種の病床を追加する案が示された。
収益業務に関しても、駐車場やクリーニングなど現行で認められている12業務に加え、「農業」「林業」「漁業」「製造業」「運輸業」「飲食」「宿泊」「サービス業」などを追加。特別養護老人ホームなどに代表される「医療、福祉」や学校などの「教育、学習支援業」も含まれるが、「設置主体に制限がある業種は除く」(医政局指導課)としている。
また、「収入の80%以上が社会保険診療」との要件は存続させるが、現行では対象外の人間ドッグなどの健康診断関連業務を、新たに社会保険診療とみなすよう改正する方針。また、優秀な医師を採用する妨げになっていた給与制限を撤廃し、年間3,600万円を上限に一本化する。一方で、自己資本比率については、医療法人の安定性を高めるためにハードルを高くし、通常の医療法人では20%以上のところを特別医療法人には30%以上であることを求めるとした。
第3次医療法改正で導入された特別医療法人はこれまで、要件の厳しさから実際に移行したのは29件(3月末現在)にとどまり、税制上の優遇がある特定医療法人の356件(同)に比べても少ない。医政局指導課は「どれほどの医療法人が移行するかは未知数だが、できるだけ普及させたい」と期待を込めた。
同案に関しては、10月6日までの意見募集を経て、10月中の省令改正を目指すとしている。
《厚生労働省》
病院会計にキャッシュフロー計算書導入
厚生労働省の「病院会計準則及び医療法人会計基準の必要性に関する研究班」は4日、病院会計準則の改正案を公表した。同研究班はこれまで13回にわたる会合を重ね、新たな病院会計準則の検討を進めてきており、パブリックコメントの募集などを経て来年1月にも通知を発出する見通しだ。
改正案では新たにキャッシュフロー計算書と、賃借対照表、損益計算書を基本財務諸表とし、これを補足する附属明細書を加えた4点を病院が作成する財務諸表の範囲と定めた。一方、これまで組み込んでいた利益処分計算書は除外し、開設主体がそれぞれの病院を単位として毎年度作成するとしている。
キャッシュフロー計算書は、「業務活動」「投資活動」「財務活動」の3区分に分けて収支内容を示すこととし、具体的な内容として、「業務活動」には医業損益計算の対象となる取り引き、「投資活動」には固定資産の取得や売却、国からの補助金の受け入れ、短期投資(現金同等物を含まず)、「財務活動」には資金調達や返済などがそれぞれ含まれる。
また、非営利を原則とする病院の本質を踏まえ、賃借対照表の「資産」の部を「純資産」の部に改訂。純資産には当期純利益・損失を内書きし、業務活動の結果、増減した純資産の額を表示する方針を示した。
改正案はリース会計、研究開発費会計、退職給付会計なども導入し、それぞれ財務諸表に反映させるよう求めている。すべての医療機関を対象とするため、異なる開設主体間での経営状況の比較が可能になる。ただ、人員が充足していない小規模医療法人などでは事務作業に対応できない点を考慮し、一律な導入はもとめない考えだ。
また、同研究班は「医療法人会計基準」の必要性も訴えた。個々の施設ごとでなく、法人全体の財務状況や運営内容を把握する会計基準の作成を提言している。会計基準の導入について厚労省は早ければ来年度にも適用したいとしているが、「実際に使用されるのは2005年度以降になる」との見方を示している。
《厚生労働省》
保険医療機関の再指定基準を明確化
厚生労働省保険局はこのほど、「指定等の取消後5年を経過しない医療機関等の再指定等に係る運用基準」を策定し、地方社会保険事務局に通知した。これまで診療報酬の不正などにより保険指定を取り消された医療機関について、不正の金額や件数が「軽微」であった場合に再指定・再登録が認められていたが、その基準が曖昧だったため、今回改めて明確化したもの。
通知によると、基準では、▼保険指定を取り消された日より過去3年未満の期間に取消を受けた医療機関を、監査時に判明した一月当たりの平均不正請求金額の多い順に並べ、このうち下位2.5%未満に含まれる医療機関等、▼同様に一月当たりの平均診療報酬請求総額に対する平均不正金額の割合、かつ平均診療報酬請求総件数に対する不正請求件数の割合の多い順に並べた場合の下位2.5%の医療機関等―を「軽微」の対象とする方針を示した。
MMPG提供
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