《厚生労働省》
出資額限度法人の税制上の措置を要望
厚生労働省はこのほど2004年度の税制改正要望項目をまとめた。このうち医療関係では、出資額限度法人制度化に向けての税制上の措置のほか、医療法人と特定医療法人の法人税率の引き下げなどを求めている。
出資額限度法人は、定款により社員の払戻請求権を出資額のみに制限している医療法人で、持分の定めのある医療法人が、持分がなく公益性の高い特別・特定医療法人への円滑な移行を促進するための1つの方策として、四病協などがその制度化を訴えている。今回の要望では、出資額限度法人の制度化に備え、所得税、法人税、相続税、贈与税上で所要の措置を講ずるよう求めた。
このほか、2004年度の要望では、社会保険診療報酬の所得計算の特例措置(四段階税制)の存続や、社会保険診療報酬に係る事業税の非課税措置の存続などを引き続き要望しているほか、医療法人の経営の安定化を図るため、医療法人の法人税を公益法人の収益事業と同率の22%まで引き下げる一方、特定医療法人の法人税については非課税とするよう求めている。
また、今回の要望では新たに、経済的使用可能年数との乖離が著しい病院・診療所の建物や一部の医療機器(ファイバースコープ、人工腎臓透析装置等)の法定耐用年数を現状に即した年数に短縮することを要求している。
《社会保険診療報酬支払基金》
医科入院と歯科の落ち込み大きく
社会保険診療報酬支払基金がこのほどまとめた6月診療分の支払確定状況によると、確定件数は前年同月比0.8%減、確定金額は5.0%減となっていることが明らかになった。制度別では老人保健の落ち込みが目立ち、件数は5.1%のマイナス。昨年10月の制度改正の影響が依然として続いている。
6月の確定件数を診療種別でみると、医科入院が3.0%減、医科入院外が1.8%減、歯科が3.6%減、調剤が3.4%増で、医科入院と歯科の落ち込みが大きくなっている。制度別では医療保険が0.9%減、老人保健が5.1%減、各法が8.6%増で、昨年10月からの高齢者の完全定率負担化などによる受診抑制の傾向が続いている状況がうかがえた。医療保険では、4月から自己負担が3割に引き上げられた被用者保険本人が3.6%のマイナスとなった。
確定金額は、医科入院が6.2%減、医科入院外が5.8%減、歯科が12.0%減、調剤が5.0%増となっている。歯科は二桁の落ち込みとなったが、これは被用者保険本人が20.5%ものマイナスとなったことが大きな要因だ。このほか、被用者保険本人は自己負担の引き上げにより、支払基金から医療機関への支払額が減少したことに伴い、医科入院が14.2%減、医科入院外が15.7%減となり、3ヶ月連続で10%台のマイナスを記録した。
《厚生労働省》
老人医療費の伸び適正化で指針を策定
厚生労働省は9月中旬、老人保健法に規定されている「老人医療費の伸びを適正化するための指針」を大臣告示する。都道府県と市町村が緊密に連携を取り、地域における老人医療費の現状把握・分析を行った上で、地域の実情を踏まえた施策を推進し、老人医療費の伸びの増大を抑制していく。
指針では、老人医療費の伸びの適正化や効率的な医療の確保を目的に、老人医療費の分析と、老人医療費と関連する事項の分析を都道府県、市町村に求めた上で、その結果をもとに都道府県、市町村が老人医療費の伸びの適正化に向けて自主的に取り組むよう要請している。
都道府県などが取り組むべき老人医療費の分析項目は、(1)入院・入院外別老人医療費(2)老人医療費の伸びの構成(3)疾病別老人医療費(4)高齢者の受診行動―。
老人医療費と関連する事項については、(1)医療提供体制(2)保健事業(3)介護サービスの提供体制及び利用の状況(4)高齢者の生活状況―の視点で分析を行う。
具体的には、入院・入院外別医療費については入院・入院外別の1人当たり老人医療費を分析。他地域と医療費の高低、受診頻度、単価の高低などを比較することで老人医療費の地域特性の把握を行うとしている。また、疾病別老人医療費については、国民健康保険団体連合会が保持している診療報酬明細書のデータなどをもとに、疾病別に1人当たり医療費や日数、受診率などの診療諸率を分析し、疾病構造の違いによる老人医療費の地域特性の把握を行う。
《坂口力厚生労働大臣》
医療保険と介護保険の範囲明確化を強調
坂口力厚生労働相は2日の会見で、社会保障制度改革を進める中で、医療保険と介護保険が担う分野を明確にする必要性を強調。重複している分野がある場合は、両制度を整理することが必要との認識を示した。
記者会見で坂口厚労相は、社会保険料の上限を32%に抑えるためには、経済の好転と社会保障制度の見直しによる「無駄の排除」が欠かせないと述べた上で、社会保障制度改革に関しては、医療保険と介護保険の統合には言及しなかったものの、「医療保険と介護保険の担うべき範囲をそれぞれ明確にし、重なりがないように、縦分けをきちんとしなければならない」として、各制度の役割を明確にする必要性を強調した。
MMPG提供
医業経営に関するお問い合せはご遠慮なく当社までお申し出下さい。

|