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「〜大阪府医師協同組合セミナー〜」


平成14年12月5日(木)
(社)日本医業経営コンサルタント協会
大阪府支部副支部長
医業経営コンサルタント
公認会計士上田久之

<第1部> 「失敗しない新規開業のポイント」

  1. 開業して変わること
    (1) 労働時間が増える
    (2) ストレスが増える?
    (3) 長期休暇がとれなくなる
    (4) 所得は?

  2. 開業計画のポイント
    (1) 経営方針,基本コンセプトの策定,リサーチ
    (2) 家族の了解
    (3) 勤務先の了解
    (4) 資金調達の目安
    (5) スタッフ確保の目安

  3. 物件のチェック
    【1】土地のチェック
     (1) 土地の用途
     (2) 農地の場合
     (3) 建築基準法
     (4) 駐車場スペースと下水道
     (5) 各種権利の調査
     (6) 取得関連コスト
    【2】建築内装のチェック
     (1) 医療建築の経験のある設計士と工務店
     (2) 天井高,電気容量
     (3) 賃貸契約期間,賃料,保証金と敷引,空家賃

  4. 開業時の税務
    【1】開業準備費の取扱 >>開業アドバイス「開業時の税務について」
     (1) 開業準備費とは
     (2) 開業準備費の例
     (3) 税務上の処理方法
     (4) 経費と認められるためのポイントとは
    【2】開業資金の出所の明確化 >>開業アドバイス「開業時の税務について」
     (1) 開業総投資額と資金調達額をバランスさせる
     (2) 大口支払いは、各件ごとに資金の種類を明らかにする

    (例)保証金の支払← ○○銀行定期契約

    内装工事代の支払← ○○銀行借入3,000 万円より

    医療機械の支払← 国金借入1,000 万円より

     (3) 自己資金については証明できること
     (4) 親族借入のポイント
     (5) 資金の出所はどのように追求されるか

    ・テナント開業の場合・・・第一回目の税務調査
    ・戸建開業の場合・・・登記割合に注意、
    取得資金のお尋、
    第一回目の税務調査

    【3】上手な初年度申告 >>開業アドバイス「開業時の税務について」
     (1) 青色申告のメリットと申請方法
     (2) 初年度の赤字を勤務医給与と通算し源泉所得税を還付してもらう
     (3) 開業準備費の償却はメリットの大きい年度で行う
    【4】なるべく長期に亘り税金を支払わないパターン
     1 年目  赤字
     2 年目  赤字の繰越
     3 年目  開業費の償却
     4 年目  定率法へ変更する
     5 年目  医療法人設立

  5. 資金調達のポイント >>開業アドバイス「資金調達のポイント」
    【1】調達方法
     (1) 自己資金(証明できることが必要)
     (2) 贈与( 住宅資金贈与の特例の利用),贈与税の改正動向
     (3) 親族、知人よりの借入(贈与とみられないこと)
     (4) 市中銀行よりの借入
     (5)公的金融機関からの借入
     (6)リース
     (7)その他の金融機関からの借入
    【2】借入に必要なもの
     (1) 担保
       ・原則として不動産(その他に上場株、公社債、預金)
       ・掛目と空枠( 賃貸物件自宅は割り引く)
       ・遠隔地物件担保として適さない場合あり
       ・公的機関は第一順位が原則だが例外あり
       ・第三者の担保提供も可
     (2) 保証人
       ・公的機関では担保がなくても保証人があれば融資可能な枠がある
       ・資産と収入があること(保証人の確定申告書が必要)
       ・サラリーマンの保証限度は通常500万円程度
       (源泉徴収票を準備する)
     (3) 建築工事、機械代金見積書
     (4) 事業計画書
    【3】資金調達のポイント
     (1)総投資と借入を抑える
       (例)
        ・保証金を返還なしとして低く設定
       ・院長室、スタッフルーム等は賃料、保証金の安い上層階に
       ・中古機械の活用
       ・保有不動産があれば売却し借入を少なくする(税金に注意する)
       ・生命保険を解約する
       ・自動車は中古でもよい
     (2)身内から借りて銀行借入を抑える
       ・親族借入は自己資金に近い
     (3)親族の土地に建築するかもしくは地主に建ててもらう
       ・土地は親が購入し、借地して建築する
       ・地主に建物を建築してもらいそれを貸借する
     (4)住居併用建物の場合、自宅部分をおさえる。
     (5)投資額のうち、土地、保証金、自宅部分は減価償却、支払利息、関連経費において税務上不利
     (6)据置期間をおく
     (7)借入期間の長期化と据置期間
       ・借入期間は長いほど返済が楽
       ・目安  不動産  15〜20年
             設備    10年
             運転     5年
       ・住居部分が50%以上あれば、都銀の住宅ローン最長35年又は住宅金融公庫が利用できる。
     (8)公的機関の固定レートを利用する
       国民生活金融公庫1.6%(平成14年11月11日現在)
       社会福祉医療事業団新築資金1.3% (平成14年11月1日現在)
     (9)融資の感触をえてから、テナント契約、工事の実行をする
       役席者と話をする融資額が大きい場合・担保が乏しい場合、特に慎重に詰める
     (10)運転資金は最低、1000万円は必要
     (11)国民生活金融公庫の無担保貸付,有担保貸付,リースを組み合わせても、さらに資金が不足する場合
     (12)兄弟間で保証人を頼むと将来相保証になる
    【4】借入額の目安
     非分業で年間想定収入の70%位を上限とする
     分業で年間想定収入と同額を上限とする
    【5】返済方法の種類

    借入額期間利率
    ( 例3,000万円10年3% )

       ・元金均等返済

       ・元利均等返済



    元金均等元利均等
    返済開始時390352
    支払総額34953517
    支払い利子総額495517
    メリット総額少税法上有利
    当初楽
    デメリット当初がきつい総額大
    長期になるほど利子大

    【6】金利水準(長期資金)と金利の種類

    (1) 都市銀行     1.889%     (2002年9月分、日銀ホームページより)


    地銀 2.282%


    第二銀行 2.577%

    (2) 固定金利と変動金利

    【7】リース
     (1) リースのメリット
       ・原則として担保第三者保証人不要
       ・固定資産税がかからない
     (2) リースのデメリット
       ・返済期間が短い
     (3) リースか借入か
       ・リースの方が支払総額が大きいが固定資産税がいらないので、
        買取と大差なし。税務上も効果は同じ。
        自己資金や担保力があれば、借入を推奨。
        担保や保証人がなければ返済期間の短いリースを採用する事になる。

  6. スタッフ採用のポイント
    【1】採用計画
       職種,資質,人数,給与,常勤かパートか
    【2】条件の明示
       保険関係,給与,労働時間,有給休暇,初回の賞与,
       服務規律,労働法規の理解が必要,交通費
    【3】よくでる不満
       前の職場と扱いが違う
       103万円以内に抑えたい
       入社前に聞いていた条件と違う
       労働法規が守られていない

<第2部> 「「医院継承のポイント」

  1. 継承開業のメリット
    【1】売主側のメリット
     (1) 建物を診療所仕様のままで、譲渡又は賃貸できる
     (2) 譲渡対価に営業権を織り込める
     (3) リース残債務を引継いでもらえる
     (4) テナントの場合、現状復帰費用が不要
     (5) 賃貸する場合、他業種に比して比較的有利な賃料設定ができ、長期安定的な収入を確保
        できる
     (6) 従業員の雇用の継続ができる
     (7) 地域医療の継続性が図れる
    【2】買主側のメリット
     (1) 一般の新規開業に比してローコストで開業できる
     (2) 開業コストが一般の場合よりも低額ですむので、自己資金不足や担保力不足又は保証人
        の保証能力が低く、開業をあきらめていたケースでも開業可能となる
     (3) 既存患者を引継げるので立ち上がりが早く、運転資金が少なくてすむ
     (4) 比較的医師会の入会が容易
     (5) 開業準備期間が短くてすむ

  2. 継承のパターン
    【1】


    契約の形態売主の収入の種類
    テナント賃貸を引継ぐ備品譲渡
    保有物件賃貸する賃貸収入,備品譲渡
    譲渡する譲渡収入,(税金)

    【2】


    開設者手続
    売主が個人変更個人の廃業と個人の新規開設
    売主が医療法人変わらない医療法人の理事長交代と出資金の譲渡


  3. 継承契約の概要
     (1) 継承時期
     (2) 継承方法
        賃貸,譲渡等
     (3) 継承価額
        ・テナントの場合の内装,備品代
        ・賃貸する場合の賃料,保証金
        ・譲渡する場合の不動産の譲渡価額
     (4) 営業権の評価
     (5) 支払方法
     (6) 継承する物品の特定

  4. 継承実務のポイント
     (1) 医師会入会
     (2) 保険指定の遡及の問題
     (3) 患者さんの引継ぎ
     (4) スタッフの引継ぎ
     (5) 薬剤の引継ぎ
     (6) リース契約の引継ぎ
     (7) 賃貸契約の引継ぎ

  5. 売主、買主のポイント
    【1】売主のポイント
     (1) 売却価額又は賃貸料を高くしたい
     (2) 営業権を高くみてほしい
     (3) 譲渡の場合,買主に資力があるか
     (4) 譲渡代金に対する譲渡税
     (5) テナント契約の場合の家主の了解
     (6) 入会協力,患者引継ぎ協力によるスムーズな継承
    【2】買主のポイント
     (1) 譲渡理由は何か採算がとれる物件か
     (2) 譲渡の場合は買収価額、賃貸の場合は賃借料や差入保証金及び営業権を安くしたい
     (3) 資金調達の諸要件(自己資金,担保,保証人等)を充たしているか
     (4) 入会できるか
     (5) 患者引継ぎの協力が得られるか
     (6) 保険診療の開始時期はいつか
     (7) テナントの場合、家主は了解しているか
     (8) リース債務の引継ぎはあるか
     (9) スタッフは引継ぐのか
     (10) 売手は個人か法人


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