労使間のトラブル予防のポイント!
厳しい経営環境の中で、発生する雇用関係のトラブル(解雇・退職、労働条件の変更等)が増えてきています。また、労働者の働き方や就業意識が多様化しております。
そこで、トラブルを予防し、スタッフが意欲的に能力を存分に発揮でき、安心して働くことができるように院長は雇用管理を今一度見直し、スタッフに説明できるよう準備することをお勧めいたします。
また、来年4月からパート労働法の一部改正があり、労働条件の文書交付と説明が義務付けられます。現状の雇用契約書または労働条件通知書を見直すなど、以下の雇用管理上のポイントを見直してください。
■採用時のポイント
(1)募集時の労働条件と採用後の労働条件は一致しているか確認する
雇用契約書(または労働条件通知書)を締結し、スタッフに説明を必ず行い同意を得ること(変更事項は事情を説明する)
(雇用期間、更新の有無、試用期間、仕事の内容、労働時間、休憩時間、休日、休暇、就業場所、給与、手当、昇給、賞与、退職の手続きなど)
(2)身元保証書を締結する
身元保証人を立てスタッフが不正行為等で使用者に損害を与えた場合は、その損害を身元保証人が連帯して補償するよう契約します。
(3)個人情報に関する誓約書を締結する
個人情報の管理が問われる昨今、患者情報などの漏洩防止策として個人情報に関する誓約書を交わします。
(4)健康診断を行う
採用時に健康診断を行い適性配置、健康管理のために確認します。
(5)試用期間のありかた、雇用形態の転換基準を説明する
@ 試用期間
(採用から2週間、その後1ヶ月など一定期間で勤務態度や技能を確かめます。)
A 契約職員から正職員への転換基準について説明します。
(勤務年数、評価、上司推薦など)
(6)福利厚生について説明する
制服、休憩室の利用、教育研修などのルールについて説明します。
(7)労働・社会保険の対象者、内容について説明する
(8)所得・住民税の内容、控除方法について説明する
■退職時のポイント
(1)雇用期間の満了による退職(雇い止めに留意)
雇用契約締結時に更新の有無やその判断基準を明示し、同意を得ること。雇い止めの予告を期間満了の30日前までに行うこと。
(2)解雇のルールに従った処理を行う
@ 客観的、合理的な理由で社会通念上相当と認められる内容であり、予め解雇になる場合の事例を就業規則に明示し、または、労働条件通知の段階で説明する。
・トラブル予防のために−問題発生の日時、内容と改善指導内容、その結果等の記録を行う
(勤怠その他の人事記録、自己改善書など)
A 解雇制限に該当しないか確認
(業務上の傷病による休業、産前産後休業期間とその後30日間)
B 解雇予告を行う(30日以上前)
(解雇事由によって労基署で解雇予告除外認定を受けられる場合がある)
C 30日分以上の平均賃金を支払う
業種や規模の大小を問わず、組織を維持・発展をさせるうえで、最も重要な経営資源が「人」であることに間違いありません。「法令遵守」と「スタッフへの十分な説明」が定着と組織の活性化に資することになります。
池脇会計事務所 社会保険労務士 北山 文子