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月刊歯科医院経営ワンポイントアドバイス



2006年02月号

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互いの気持ちを考え、心に余裕を

■効率的な医院の第一条件はいい人間関係
人の言葉はよく聞くと、本当に言いたいことは何なのかよくわかる。一生懸命語っていても、その内容よりもっと言いたいことがあるのではと思うことがある。
ちょうど一年前になるが、新規開業のスタッフ教育の依頼を受けた。開業時のスタッフ教育は、業務的なことだけでなく、院長とスタッフの適度な距離と関係を作り上げることが重要であると思っている。それだけに私自身、採用されたスタッフと初めて会うときは緊張する。院長との信頼関係を築く前に、私とスタッフとの関係を築かなければいけないからだ。開業日までの短い時間の中で、効率的に医院を作り上げるためにはいい人間関係が第一条件だ。

■経営者とスタッフの温度差をなくすには
さて、早速開業の準備が始まり、器具や器材の片づけから、システム作り、患者接遇応対、診療補助のトレーニングと順に進めていく。開業時のスタッフには、次から次へと業務が山積みだ。だが、開業という目標に向かって、院長・スタッフがお互いを思いやりながら、助け合い、協力する気持ちは大きい。
しかし開業日を迎えてから、経営者とスタッフとの間の少しずつ温度差が出てくる。院長は収支関係が気になって仕方ない。一方スタッフは、患者様に対して最高のものを求め、採算度外視で院長に詰め寄る。目標は同じであっても、目の前に見えるものが急に変わってくる。これは当たり前のことであるが、つい先日まで同じだと思っていた者同士にはその気持ちが理解できない。この頃から院長はスタッフの愚痴を言うようになり、スタッフも院長への不満を口に出すようになる。「報告がない、頼んだ事ができていない、返事はいいができていない」そして最後には「嘘をついている」とまで言い出した。スタッフは、「注意が細かい、言われた通りやっても納得してもらえない、」そして最後には「どうせ私は信用されていないのです」。事実はひとつであっても、信頼関係の崩れた関係においては全く違ったことを口に出す。いつもながらにぶつかるこの問題に、私も焦りを感じずにはいられない。
この問題の大きな原因は、会話の不足である。今までは、ちょっとした事でもお互い相談し合い、そして一緒に考え進めてきた。しかし、院長が経営者として、スタッフと同じ観点で考えてはいられなくなると、会話にずれが生じてくる。お互いが違う観点で意見を言うようになり、意見が一つになりにくくなると話し合う事が億劫になり、相談に至らず「任せるよ」の言葉で片付けていく。任されたことに、信用されたと感じるのは最初だけで、その回数が増えれば増えるほど、スタッフは院長に対し不信感を抱いていく。結果、スタッフの口からは「やりましたけど」「終わりました」と、打ち切るような言葉が増え、前向きさが失われてくる。「やりました」その言葉の奥に隠された不満。その思いを募らせたまま、業務を片付ける。
このままではいけない。自分の事だけを考えてはいけない。相手の気持ちも考えていけるようにならなければ。そう、スタッフにも院長にも伝える。でも、「も」でいいのだ。何も自分の気持ちを抑える必要はない。自分の思いも大切にしなければいけない。それらはどちらも大切な意見なのだから。私はそう院長、スタッフに伝え、初心に戻ってもらいたいとの思いを告げる。
会話を持つということは、決して積極的に話しかけることだけではない。話しかけやすい雰囲気、話したくなるような雰囲気を持つことや、受けた言葉に合わせた言葉をきちんと返せるようにすること。そして、何より人の言葉をしっかり受け止められる、心の余裕が大切なのではないかと思う。




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