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月刊歯科医院経営ワンポイントアドバイス



2005年01月号

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マンネリ化

「マンネリ化」とは思考・行動・表現などが型にはまり、新鮮さや独創性がなくなることである。毎日のパターン化された診療の中では、マンネリ化することで大切なことがだんだん見えなくなっていく。 
先日知り合いの先生から、先生の医院のスタッフを私の医院で1週間実習させて欲しいと電話があった。「見学をさせて欲しいと言われる以上、何か望まれるものがあるんですね?」私がそう問うと「仕事には何も文句は無い。とにかく患者応対を見せてやって欲しい。」とのことであった。当院が特別な応対をしているわけではないが、何かのお役に立てればとお受けすることにした。数日後当院を訪れたのは、勤続3年の歯科助手の方であった。年齢も40歳と私より年上である。そんな彼女に何を教えればいいのか私は大変戸惑った。まず、当院の診療の流れ、スタッフの構成、歯科衛生士や歯科助手の業務範囲、また当院のモットーとしていることなど基本的な事項について話していった。「患者さんの気持ちを第一に・・」などと話すと、「はい。はい。」とうなずきながら聞いている。しかし、語尾のトーンが「はい〜」とあがるのひっかかる。また、私の話しにかぶるようなタイミングでうつ「相づち」も少し耳障りである。決して嫌そうに聞いているのではないが、私の話が彼女の心に入っていかないのをがよくわかる。
そして、実習も3日目に入った。だんだんと彼女の話すスピードがゆっくりになってきた。毎日一緒にいると移ってくるのであろうか、当院の受付の話し方によく似ている。 そんな時ふと彼女の後ろで立っていると、受付にひとりの患者さんが来られた。彼女はそのことに気づかず、手元の事務処理に必死である。私は彼女の肩をポンとたたき「患者さんが目の前にこられたら必ず顔をあげましょうね。」と軽く注意した。すると大変驚いたように「あっ、はい。」と、言葉を飲み込むようなじっくりとした返事をした。私はこの時初めて、私の言葉が彼女の中に吸収されていくことを実感した。
人間誰しも自分で自分を「頑張っていない」と感じる人はいない。自分で自分の行動、仕事、そしてその頑張りにある程度の合格点をつけている。それは自分のやる気に働きかける大きな刺激になっている。しかしそこで気をつけなければいけないのは、その点数に「満足してしまうこと」、つまりその点数を「満点」と感じてしまうことである。今の自分を満点だと感じると、今より高い点数を得ることは出来なくなる。また、今より高い点数があることにすら気づかなくなっていく。そこで何が100点なのか、自分の採点にミスがないかを、気づかせ考えさせなければならない。例えば、他の医院のスタッフはどんな風に患者さんと接しているのかなど、人の仕事を知ることで自分の劣っているところを知り、「これではいけない」と心に突き刺さる。また反対に、勝っていることろを知ることで、「自分の行ってきたことが正しかった。」と、自分の仕事に自信がつき、前向きに物事に取り組めるようになるのではないだろうか。
それから1週間が過ぎ、彼女は自院に戻っていった。自院に戻った彼女は同僚に、「私今日から変わってみるからやりたいようにやらせて。」と断言し仕事についたという。他院を見学したことで、きっと彼女の中に「始めてみたいこと」と「続けていきたいこと」がはっきり見えてきたのであろう。
マンネリ化してしまった診療室。新鮮な空気がどこからか吹いて来るのを待っているだけでは、なかなか自分を変えることはできないのではないだろうか。





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