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月刊歯科医院経営ワンポイントアドバイス



2004年06月号

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言葉の遣い方

セミナーの会場で若い女性ドクターに出会った。少し話しているうちにそのドクターがスタッフとのコミュニケーションについて、悩みをうちあけだした。自分よりキャリアもあり年齢も高い歯科衛生士との間で、言葉の食い違いが起こりトラブルが生じる、という。ついついお互い言葉もきつくなり、会話するたびに嫌な思いをするという。とうとう今では、側に居るだけでも不快感を感じるようになってしまったという。このような現場での話を聞くたびに、コミュニケーションの難しさを強く感じる。しかし、不快感を覚えているのは先生だけでなく、きっとその歯科衛生士も同じように感じているはずなのである。言葉の食い違いが先なのか、コミュニケーション不足が先なのか、院内における心のすれ違いは、一旦始まってしまうとなかなか元には戻れない。
 コミュニケーションとは、互いに意思・感情・思考を伝達し合うことであり、その手段として言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などがある。この中でも、言葉(会話)におけるコミュニケーションの取り方が、一番効果的なの手段だと言われている。と、いいながら言葉は遣い方をひとつ間違える事で、大きなトラブルを招いている。お互いがお互いを、傷つけることなく、労る言葉を探して発しているうちはいい関係が保てる。しかし、反面、相手の気持ちを考えず、自分の言いたいこと、自分の思いをそのままストレートに伝えだすと、人間関係にひびが入る。
 私は自分の医院のスタッフと、今のところうまくコミュニケーションが図れている。「今のところ」、と強調したのは、それだけ言葉の食い違いはふとしたことで起こりうるからだ。それだけに、私もスタッフも積極的にコミュニケーションを図ろうと、言葉という手段を上手く活用している。私にとってスタッフとの会話は安らぎであり、大きな安心感につながる。とはいえ、だからといって私はスタッフが私に何でも話してくれている、とは思っていないし、何でも話して欲しいとも思わない。スタッフと私の良き関係のためには、お互いが、「言っていいことと悪いこと」「使っていい言葉と使ってはいけない言葉」をきちんと考えて、言葉を選んで会話をすることが必要だと思っている。
以前、スタッフの間でこんな事があった。あるスタッフ同士の仲が悪くなり、その一人のAさんが私に、「奥さん!○○さんってあんな髪型いいんですか?けばけばしいとおもいません?あれって、場所を間違えてるんじゃないですかね。」と言ってきた。そう言えばBさんの髪は少し長くなってきている。しかしそれより、私はこのような言い方をするAさんに対し、疑問を感じた。その時のAさんは、言葉の遣い方など考える余裕ないほど、Bさんの存在が疎ましかったのであろう、かなり喧嘩ごしな口調である。その発言は明らかに愚痴であり、自分の感情にまかせ軽はずみに発言したとしか思えなかった。このように、身勝手な思いを簡単に口にされたのでは、院内のコミュニケーションに大きな影響を及ぼす。そこで私は、Aさんの愚痴をあえて「意見」としてとらえ、その意見を形に現すことにした。スタッフの発した言葉は、きちんと受け止め改善していくのが私の役割であることを、示さなければと思ったのだ。そこで、髪型についてBさんに注意を与え改善を求めた。次の日、Bさんははきちんと髪を束ねてきた。それを見たAさんは、何も言わなくなった。
院内コミュニケーションのためには、言葉はきちんと選んで話さなければいけない。これは院長を始め、院内で共に働く者にとって最低限のルールである。私も、今のスタッフとの関係を保つため、自分の発言を見直す機会を意識的に持つよう心がけたいと思う。



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