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月刊歯科医院経営ワンポイントアドバイス



2004年02月号

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プロ意識

今年の冬は、インフルエンザが猛威をふるい、あちこちでインフルエンザに罹患したとの噂を聞く。死亡者まで出たとの報告を聞くと、ただの風邪だと侮れない。と、そのインフルエンザも、とうとう私の医院にもやってきた。先日、朝早く自宅の電話が鳴った。受付スタッフから熱のため欠勤したい、との電話である。私はすぐさま、ピンチヒッターのスタッフをとる。横で、主人である院長が、診療に支障が起こることを心配している。この光景は毎年よく起こる光景であり、冬になると急に体調を崩す者や、家族の人が体調不良のため、欠勤を申し出るスタッフが増える。ギリギリのスタッフ数で業務をこなしている勤務体制の歯科医院においては、朝の電話の音は気が気でならない。  
ちなみに、うちの主人は、「子供が熱を出したので仕事を休みたい」と、スタッフが申し出てくると、「誰か子供みてくれる人はいないのか。」と言う。しかし、私が子供を預けて仕事に行くというと「子供をおいてまでして仕事に行くのか。」と言う。院長としての立場と、父親としての立場はここまで違うのかと、自分の主人をみて働く主婦の厳しい現状をしみじみ感じる。家庭を優先すれば「プロ意識がない」、仕事を優先すれば「母親なのに」と言われてしまう。
主婦に限らず、自分自身の体調不良でも同じである。私も昨年、個別セミナーをお受けしていた前日に、高い熱をだし寝込んでしまった。仕事をお受けした以上、なんとかしてでも行きたいと思うが、39℃の高熱には勝てない。頓服などで熱を下げ、仕事に出かける事は可能であるが、人に移すわけにいかない。悩みに悩みながら、私はこの時、「プロ意識」とは何だろう、と自分に問いかけていた。無理をして業務につき、「質」の低い仕事を提供してしまうこと、キャンセルして後日きちんとした形で仕事を提供すること、どちらがプロなのだろうか。どちらが、求められているのだろうかと・・・。結局私は、サポートスタッフをお願いし、自分でなくてもできる仕事に関してお手伝いを頂き、そして自分は自分にしかできない仕事に専念する事にした。
その時、私は思ったのである。一人でできることには限界がある。「自分でなければいけない部分」が多ければ多いほど、自分存在の大きさを感じ自己満足していた。しかしそうではなく、何かあった時、ホローしてもらえるように、業務は簡潔にしておくこと、また普段から分担しておくことの必要性を感じていた。助けてくれる人がいること、助け合える事の大切さ。チームワークの重要性はここにもあるのだと。
それだけに、私は、体調を崩したスタッフに対し、無理してでも出勤することをすすめる事にプロ意識を求めるのでなく、休んだ事で他のスタッフにかけた業務上の負担、バタバタとした診療室で、不快感を感じさせてしまった患者さんへの心配り、そこにプロ意識を問うようにしている。欠勤する時は、院長だけでなく他のスタッフにも電話をいれ、自分の体調について伝え、迷惑をかけて申し訳ないと思う気持ちをきちんと伝える。本人の声を聞くと、「助けてあげなきゃ」「私が頑張らないと」いう気持ちが沸いてくる。また、医療人としても、体を壊した人に対する、労りの気持ちを大切にして欲しいと思う。体調不調で休むことは仕方ない。しかし、そこで休む者も、任される者も、お互いがお互いを労り合える思いやり、また、助け合えるチームワークがどれだけ確立しているか。それによって診療室内の業務上の麻痺はかなり防げる。しんどい時こそ、人の暖かみが心に染みる。大変なときこそ人への感謝の気持ちが生まれる。


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