平成24年度4月1日以降の介護報酬決定
〜社会保障審議会 介護給付費分科会
社会保障審議会 介護給付費分科会は1月25日、同日に厚生労働大臣より諮問された「平成24年度介護報酬改定について」について、即日答申した。今次の改定率は昨年12月21日に政府が決定した+1.2%(在宅+1.0%、施設+0.2%)。
介護職員処遇改善加算(新設)
3月末で終了する「介護職員処遇改善交付金」に代わり創設された「介護職員処遇改善加算」については、サービス別に加算率が設けられており、基本サービス費に各種加算減算を加えた総単位数を所定単位数とし、それに加算率を乗じて算定する。
主な加算率
サービス |
加算率 |
(介護予防)訪問介護 |
4.0% |
(介護予防)通所介護 |
1.9% |
(介護予防)通所リハビリテーション |
1.7% |
(介護予防)短期入所生活介護 |
2.5% |
(介護予防)特定施設入居者生活介護 |
3.0% |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 |
4.0% |
夜間対応型訪問介護 |
4.0% |
複合型サービス |
4.2% |
介護老人福祉施設 |
2.5% |
介護老人保健施設 |
1.5% |
介護療養型医療施設 |
1.1% |
地域区分(見直し)
地域区分の見直しでは、これまで5区分だったものを、特甲地を3区分に分け、7区分とした。これは「地域区分ごとの上乗せ割合」や「介護報酬1単位当たりの単価」が対象。
訪問介護(新設・変更)
訪問介護では、サービス提供時間の区分を変更。身体介護で新たに20分未満(170単位/回)の区分を創設。生活援助中心では、30分以上60分未満(229単位/回)を20分以上45分未満(190単位/回)、60分以上(291単位/回)を45分以上(235単位/回)等とした。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護(新設)
地域密着型サービスの類型として「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が創設された。
報酬は下記の通り。
|
定期巡回・随時対応型訪問介護看護費(T)
<一体型> |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護費(U)
<連携型> |
介護・看護利用者 |
介護利用者 |
要介護1 |
9,270単位 |
6,670単位 |
6,670単位 |
要介護2 |
13,920単位 |
11,120単位 |
11,120単位 |
要介護3 |
20,720単位 |
17,800単位 |
17,800単位 |
要介護4 |
25,310単位 |
22,250単位 |
22,250単位 |
要介護5 |
30,450単位 |
26,700単位 |
26,700単位 |
複合型サービス(新設)
小規模多機能型居宅介護と訪問看護の組み合わせた「複合型サービス」を創設。報酬は月額の定額で▼要介護1 13,255単位、▼要介護2 18,150単位、▼要介護3 25,111単位、▼要介護3 28,347単位、▼要介護5 31,934単位――となっている。
この他、訪問看護で医療機関との連携を評価する「退院時共同指導加算(600単位/回)」や「初回加算(300単位/月)」の創設などがされた。
今回の改定では時間区分が見直されたほか、地域包括ケアの構築に向けたサービスの創設や要件等の見直し、医療と介護の連携の評価等が多くなされた。
新しい報酬は本年4月1日より適用となる。
有料老人ホームの入居契約書・重要事項説明書、サイトで公開 指針遵守の意識づけも狙い
〜東京都
東京都は、都内の有料老人ホームの入居契約書・重要事項説明書を東京都のホームページ上で公開する意向を表明した。公開時期は未定。「消費者は、これらの書類を契約時点で初めて目にします。入居金の返還などに関するトラブル発生を防止するには、もっと早い段階で、これらの書類を消費者が目にすることが出来るが仕組みが必要と考えました」と、東京都福祉保健局高齢社会対策部施設支援課は語る。
東京都では、昨年9月に有料老人ホームの運営指導指針を発表した。この中で、有料老人ホーム入居金の初期償却制度について「不適切」との見解を示した。しかし、この指針は法的強制力がないため、有料老人ホームが初期償却制度を用いても、改善勧告を行ったり事業者名を公表したりすることは出来ない。ホームページ上での書類公開は、どの事業者が東京都の指針に従った運営を行っているか、という点を明らかにすることで、指針の遵守を事業者に意識づける狙いもあると考えられる。
介護事業者の労働災害防止策推進を要請
〜厚生労働省
12月14日、厚生労働省は、介護事業者業界団体等に向け「高齢者介護サービスに係る労働災害防止対策の推進について」と題した要請を行った。同省によると、2011年の休業4日以上の労働災害について、社会福祉施設では災害性腰痛が多くを占める他、転倒災害が大幅に増加している。これを受けて同省では、危険予知活動や腰痛対策の推進等、事業者の自主的な災害予防活動を促進することとしている。
今回の要請では、腰痛予防対策の推進策として、▼作業標準の作成、▼職員の適正配置、▼施設及び設備の構造等の改善――を、転倒災害防止対策の推進策として、4S(整理・整頓・清掃・清潔)の推進を求めている。また、高年齢労働者の労働災害が増えていることを受け、▼職場内の段差解消もしくは段差に対する注意喚起の表示、▼作業場や通路への照明設置、▼見通しの悪い角へのカーブ
ミラー等の設置――などの配慮が必要としている。
同省では、社会福祉施設向けの労働災害防止リーフレットを作成し、各都道府県労働局や労働基準監督署で無償配布を行っている。また社会福祉施設に対して、職場の安全衛生自主点検の実施を依頼していく予定だ。
社会福祉施設の2割、耐震性に問題
〜厚生労働省
厚生労働省は1月19日、社会福祉施設の耐震化状況に関する調査結果を公表した。それによると、新耐震基準が適用された1982年以降の建物であったり、耐震改修工事が完了していたりするなど、耐震基準を満たしている施設は、一昨年4月1日時点で全体の81.3%となった。
この調査は、社会福祉施設の利用者は、地震発生時に自力での避難が困難なケースが多いことを受け、各都道府県、政令指定都市、中核市を通じて実施したもの。なお、厚生労働省が社会福祉施設全体について耐震性の調査を行うのは初めてのこと。
調査対象は146,221棟。このうち1982年以降に建築された建物は107,293棟。それ以前の建築だが耐震改修の必要性が無い建物は6,947棟。耐震改修が終了しているもの、もしくは改修中の建物が4,605棟。合計118,845棟が、耐震基準を満たしている。
社会福祉施設のうち、老健局関係施設の耐震化率は91.2%。主な施設種別では、特養91.3%、老健98.2%、小規模多機能91.3%、グループホーム94.9%、有料老人ホーム93.9%等となっている。
厚生労働省では、今回の調査結果を踏まえ、都道府県等に対し、▼社会福祉施設等の耐震化整備を計画的に進めること、▼社会福祉施設等が地域の防災機能向上に資するものとなるよう避難スペースの確保や備蓄機能の拡充を進めること――を依頼している。また、この際に社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金や、介護基盤緊急整備等臨時特例基金等を積極的に活用し、早期に執行するよう求めている。
なお、厚生労働省では、耐震化状況についてフォローアップ調査を行う考えだ。
MMPG提供

|