療養病床から転換する老人保健施設要件などをとりまとめ
〜社会保障審議会介護給付費文科会
社会保障審議会介護給付費分科会(部会長・大森彌東京大学名誉教授)は20日、療養病床から転換した介護老人保健施設の人員配置について、看護職員の配置は標準を看護6対1、介護職員6対1とするが、介護職員4対1も評価するとの意見をとりまとめた。3月3日に諮問を受け、同日答申する予定だ。名称は利用者が介護老人保健施設との違いを理解できるよう、「介護療養型老人保健施設」に決定した。
介護療養型老人保健施設の報酬は、入所者全員が等しく受けるサービスについては新たなサービス費を設定し、入所者個別の医学的な管理や看取りなどは個別の加算によって評価することにした。
介護療養型老人保健施設の施設要件は、▼介護報酬の算定月前12カ月の新規入所者のうち家庭からの入所者割合よりも医療機関からの入所者割合が35%以上を標準とすること、▼算定日が属する月の前3ヶ月間において、全入所者のうち「経管栄養」又は「喀痰吸引」を実施している者の割合が15%以上、又は算定日が属する月の前3ヶ月間において、全入所者のうち「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」における「ランクM」に該当する者の割合が25%以上のいずれかが満たされていること――との2つが提示された。
■ 転換型老人保健施設と老人保健施設に明確な差を
前述の会議に先立って開催された8日の同会の中では、療養病床から転換する介護老人保健施設について、日本療養病床協会や全日本病院協会からのヒアリングが行われた。 意見陳述者からは、現在の介護老人保健施設と介護療養医療施設との間に明確な機能の差、患者の違いが存在するとの意見が相次いだ。こういった意見を踏まえた上で、20日に介護報酬の一部改定の全体像について検討し、次々回で諮問・答申手続き、その後パブリックコメント、告示、実施となる。
日本療養病床協会副会長で博愛記念病院理事長の武久洋三氏は、病院内での死亡率が介護療養型医療施設では26.9%であるのに対し、介護老人保健施設では3.5%であること、さらには施設内での看取りが介護療養型医療施設では53.3%である一方、介護老人保健施設は19.4%であることといった厚生労働省の調査結果を示した上で、「看取りや急変への対応は病院だからできている。老人保健施設に今以上に重い患者を看てくれというのは無理がある。現在、介護老人保健施設の定員は30万人。介護療養病床は20万床ある。同一カテゴリーにするには無理がある。」と述べ、介護療養型医療施設と転換型介護老人保健施設とは別に分類するよう提案した。
この他にも、同会の中では、▼地域格差に見合った報酬体系の確立(安藤高朗永世病院理事長)、▼格安でサービス提供されている24時間医療サービス付ナーシングホームと言える介護療養病床を存続させるべき(介護療養型医療施設の存続を求める会・吉岡充上川病院理事長)、▼転換先として特別養護老人ホームを認可するよう再度検討して欲しい(西澤寛俊社団法人全日本病院協会会長)――との意見陳述がなされていた。
不正が行いにくいシステムの構築を
〜社会保障審議会介護保険部会が報告
社会保障審議会介護保険部会(部会長・貝塚啓明京都産業大学客員教授)は6日、介護保険制度の運用において、不正を行いにくい仕組みに修正することを求める意見書をとりまとめた。厚生労働省は意見を踏まえ、立ち入り調査権や指定・更新の連座制の見直しを行う。法改正が必要なものについては今通常国会に法案を提出する。
事業者規制の在り方について検討してきた同会は、2007年12月3日に介護事業運営の適正化に関する有識者会議がまとめた報告書に沿った見直しを求めた。事業規制の在り方については、「多様な主体の参入を排除することなく、且つ不正を行いにくい仕組みに修正するべき」と、事業規制が事業者の参入を阻害しない仕組みである必要性を求めた。事業者の本社・本部などへの立ち入り調査については、国や地方の役割分担など効果的な指導監督体制を検討するよう求めている。
緊急ミーティングで現場から切実な訴え
〜介護療養型医療施設の存続を求める会
介護療養型医療施設の存続を求める会(主催・京都私立病院会)は3日、東京・新宿区の野口英世記念会館で、緊急ミーティング「私達の現場から破壊を守る!」を開催した。全国から約200人が参加し、厚生労働省が「介護給付費分化会」に提示する内容が、現場崩壊を招くものであれば、断固として転換を拒否し、介護療養型医療施設の存続を求める運動の継続を全国に広げることを確認した。
同ミーティングの中で、医療法人充会上川病院の吉岡充理事長が「厚生労働省が作成したデータは現場の一端を切り取ったものにしか過ぎない。現場で患者の命を守る医療従事者の思いが分からない方が作った。今後は、本当に私たちが考えていること、やっていることをもっと強い形で表現していかなくては厚生労働省の政策に変化をもたらすことは難しいであろう。日本は、そんなに貧しいお年寄りを大事にしない国になったのか」と強い口調で介護療養型医療施設存続を訴えた。
2月時点の介護給付受給者は実数で3,679万2,000人
〜厚労省の介護給付実態調査
厚生労働省は21日、介護給付実態調査(2007年12月審査分)を公表した。調査結果によると、12月時点の延受給者総数(複数サービス受給者は名寄せをした実数、公表は千人単位)は、介護予防サービスでは754万2,000人、介護サービスでは2,925万人の計3,679万2,000人。介護度別受給者数は、下記表の通り。
要介護度 |
受給者数 |
要支援1 |
336万6,000人 |
要支援2 |
415万3,000人 |
経過的要介護 |
8万4000人 |
要介護1 |
649万4,000人 |
要介護2 |
701万7,000人 |
要介護3 |
627万9,000人 |
要介護4 |
515万9,000人 |
要介護5 |
419万6,000人 |
福祉貸付の利率を0.1%引き下げ
〜福祉医療機構
独立行政法人福祉医療機構は14日、社会福祉事業施設などに対する医療貸付利率の10年経過後見直し金利を全項目で0.10%引き下げた。有料老人ホームや在宅サービス事業、営利法人のデイサービスセンターなど建築資金の利率を1.80%としたほか、介護関連施設への貸付利率も1.40%とした。その他の資金に関しては、下記表のとおり。
〇10年経過後の金利設定見直し制度(当初10年)
(平成20年2月14日改定)
施設の種類 |
資金の種類 |
利率 |
新 |
旧 |
社会福祉事業施設 |
建築資金
設備備品整備資金
土地取得資金
経営資金 |
年1.30% |
年1.40% |
介護関連施設 |
建築資金
設備備品整備資金
土地取得資金
経営資金 |
年1.40%
(年1.35%) |
年1.50%
(年1.45%) |
養成施設 |
建築資金
設備備品整備資金
土地取得資金
経営資金 |
年1.50%
(年1.40%) |
年1.60%
(年1.50%) |
有料老人ホーム |
建築資金
設備備品整備資金
土地取得資金 |
年1.80%
(年1.40%) |
年1.90%
(年1.50%) |
高齢者総合福祉センター
在宅介護サービスセンター |
建築資金
設備備品整備資金
土地取得資金 |
社会福祉法人等 |
年1.30% |
年1.40% |
営利法人 |
年1.80%
(年1.40%) |
年1.90%
(年1.50%) |
在宅サービス事業 |
建築資金
設備備品整備資金
土地取得資金
経営資金 |
年1.80%
(年1.40%) |
年1.90%
(年1.50%) |
営利法人等が行なう
老人デイサービス事業
老人短期入所事業 |
設備備品整備資金
経営資金 |
年1.80% |
年1.90% |
営利法人等が行なう
老人デイサービスセンター
老人短期入所施設
認知症対応型老人共同生活援助事業 |
建築資金
設備備品整備資金
土地取得資金
経営資金 |
年1.80%
(年1.40%) |
年1.90%
(年1.50%) |
MMPG提供

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