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月刊福祉経営情報



2008年2月号

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老人保健福祉関連予算は前年度比2.7%減 

〜2008年度 病床転換促進で交付金等計上

厚生労働省の部局ごとの2008年度予算案の概要が、このほど明らかにされた。老人保健福祉関係予算は2兆394億円で、2007年度当初予算比で2.7%減となった。このうち介護保険の第2号被保険者(40歳から64歳まで)の保険料国庫負担金など老健局以外の部局の計上分を除いた老健局計上予算は1兆6,520億円で、2007年度当初予算より1.1%削減する。
介護給付費の総額は6兆6,559億円で、2007年度比0.2%減。このうち、国庫負担総額は1兆8,997億円で前年度より2.3%削減する。介護給付費負担金として1兆1,847億円を計上したほか、全市町村の介護給付、予防給付費用の5%を負担する調整交付金として3,328億円、都道府県が設置する財政安定化基金の負担分として41億円を計上した。
その他に、療養病床の円滑な再編に向け、過去に整備した療養病床に係る債務の円滑な償還など、医療法人などによる療養病床転換の促進を図るための「療養病床転換資金(仮称)」創設をはじめとする地域介護・福祉空間整備等施設整備空間交付金(ハード交付金)として412億円を計上した。

■療養病床転換支援資金の周知を
 厚生労働省の阿曽沼慎司老健局長は16日、全国厚生労働関係部局長会議の中で療養病床の転換を実施する医療機関が療養病床整備時の債務などを円滑に償還できるようにするため、2008年度予算で「療養病床転換支援資金(仮称)」を創設することを明らかにし、市区町村、関係団体への周知徹底を訴えた。療養病床転換促進策の一環で、医療機関が安定的に経営できるように、長期運転資金として貸し付ける。
療養病床を持つ医療機関には、療養病床を整備した際の債務が残っているため、厚生労働省は本支援資金の創設で、療養病床転換を促進したい考えだ。

平成20年度老人保健福祉関係予算(案)の概要
老人保健福祉関係予算 2兆394億円(内 老健局経常経費 1兆6,520億円)
【主要事項】
大項目 小項目 予算額
T 介護基盤の整備
(445億円)
1.地域介護・福祉空間整備等施設整備
交付金(ハード交付金)の交付
412億円
2. 地域介護・福祉空間整備等施設整備
交付金(ソフト交付金)の交付
33億円
U 安定的・効率的な介護
保険制度運営
(1兆9,739億円)
1. 介護給付に対する国の負担等
(1)介護給付費負担金
(2)調整交付金
(3)財政安定化基金負担金
1兆8,997億円
(1兆1,847億円)
(3,328億円)
(41億円)
2.地域支援事業の着実な実施  
V 総合的な健康づくり
施策の推進
(764億円)
1.認知症対策の一層の促進 16億円
2.介護予防対策の一層の促進 748億円
W 元気高齢者支援
対策の推進
(32億円)
  32億円
X 介護給付適正化対策
等の推進
(85億円)
1. 介護給付適正化の推進 4.6億円
2.要介護認定の適正化 4.8億円
3.将来課題への対応 38億円
4.低所得者への配慮 29億円

■「介護保険事業者への監査体制強化に備えて」
 さらに、同会の中で、阿曽沼慎司老健局長は、「介護事業の運営の適正化に関する有識者会議」が自治体による介護サービス事業者への監査体制強化を盛り込んだ報告書をまとめたことを受けて、都道府県に対し、「次期通常国会で介護保険法改正案の提出を目指しているため、都道府県にはあらかじめ承知してほしい」と、監査体制の強化に備えて態勢を整えるよう呼びかけた。
 有識者会議の報告書では、組織的な不正行為が疑われる事業者の本部に、国や都道府県、市町村が立ち入り調査できる権限や事業者に対する是正勧告・命令権を創設することを求めている。ある自治体で取り消し処分などを受けた場合にほかの自治体の事業者も指定や更新ができないようにする連座制に関しては、仕組みは維持しながらも一律に適用するのではなく、自治体が指定や更新の可否を判断できるようにするとしている。また、処分逃れ対策としての廃止届けの提出に関して、現在の事後届出制から事前届出制に変更することも盛り込んだ。

農業協同組合連合会に特養設置を許可

〜改正老人福祉法改正

昨年12月の改正老人福祉法施行を受け、病院や診療所を設置する農業協同組合連合会(厚生連)に特別養護老人ホームの開設が認められ、厚生労働省が都道府県に対し、通知を行った。
これまで、第1種社会福祉事業であり、利用者への影響が大きいため、安定を通じた利用者の保護の必要性が高い事業とされる特別養護老人ホームの設置、運営は原則、社会福祉法人や地方自治体に限られており、農業協同組合連合会が特別養護老人ホームを開設する場合は社会福祉法人格の取得が必要であった。
これに対しJAグループは、都市部に比べて高齢化のペースが早い農村部では特別養護老人ホームの必要性が高いとし、農業協同組合連合会に特別養護老人ホームの設置を解禁するように2005年からアピールしてきた。

高齢者虐待で32人が死亡

〜加害者の多くは息子や夫 厚生労働省調査

  厚生労働省がまとめた高齢者虐待に関する調査によると、息子などの養護者からの虐待で昨年度中に死亡した高齢者が32人いたことが判明した。殺人や心中で死亡した人が16人と半数を占め、介護放棄(ネグレクト)による死亡は10人だった。加害者は息子が31.3%と最も多く、夫が21.9%と続く。被害者の7割を女性が占めた。
 2006年度に全国で受け付けた養護者からの高齢者虐待相談は1万8,390件で、このうち自治体の調査によって虐待が認められた事例は1万2,569件に上った。虐待(重複回答)の種類は、▼身体的虐待 63.7%、▼心理的虐待 35.9%、▼ネグレクト 29.5%、▼経済的虐待 27.1%――となった。被害者の84.2%が虐待者と同居しており、子との同居が59.1%と半数を占めた。
また、虐待を受けた高齢者の内訳をみると、男性の23.4%に対し、女性が76.6%と圧倒的に女性が虐待を受ける割合が大きいことが分かった。さらに、虐待を受けていた高齢者の要介護度別の割合では、要介護度3以下が73.2%を占めており、比較的軽度介護度の高齢者が虐待を受けていたことが判明した。認知症日常生活自立度を見ると、日常生活に支障をきたす「自立度U」以上の高齢者が61.6%と過半数で、「自立または認知症なし」の17.7%を大きく上回った。

「障害者の認知症デイ利用は認めず」

〜政府の構造改革特別区域推進本部 年度内に首相に提出

政府の構造改革特別区域推進本部評価・調査委員会の医療・福祉・労働部会(部会長・樋口美雄慶應義塾大学商学部教授)は10日、平成18年に新設された地域密着型サービスである認知症対応型通所介護サービスの利用対象を障害児・障害者にまで拡大するよう求める提案に対して、特別区域での特例措置は必要ないとする意見案に賛成した。今月下旬に開かれる本委員会に報告書を提出し、了解された場合は本部長の福田康夫首相に報告する。
同委員会は、介護保険上の要支援・要介護者だけに限定されている認知症対応型通所介護の利用を、身体、知的、精神障害者(児)にも拡大して障害者自立支援法の福祉サービスの利用を可能にするとの自治体などからの提案に対し、首相から意見を求められていた。同部会の委員らは、利用者拡大の特例措置は実施せず、関係機関の連携や助言指導を求めるとした事務局の意見案について、大筋で了承した。

生活援助の介護給付は個々の状況で判断を

〜厚生労働省が事務連絡

厚生労働省はこのほど、同居する家族がいるという理由で訪問介護サービスと介護予防訪問介護サービスの生活援助(生活の基盤を維持するための家事行為が主な内容となり、具体的にはホームヘルパーの行う生活援助は、炊事・洗濯・掃除が挙げられる)に係る介護給付や予防給付の支給が拒否されているケースがあるとして、同居する家族がいる場合でも、家族による家事援助が困難な場合など、個々の状況に応じて判断するよう、都道府県に事務連絡した。
訪問介護サービスの生活援助の介護給付は、利用者が単身世帯の場合か、同居する家族が障害や疾病などで家事をすることが困難な場合に算定できる。疾病や障害などの理由がなくともやむを得ない事情がある場合は個々の状況に配慮し、必要な場合に算定できるよう求めていた。しかし、現実には同居家族がいるために一律に介護給付の支給を拒む市町村があるため、事務連絡では利用者の状況を的確に判断し、適切な判断をするように市町村に周知徹底してほしいと要望した。

MMPG提供


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