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月刊福祉経営情報



2007年11月号

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転換型老健は加算で評価

〜次回介護報酬改定 基準設定が課題に

厚生労働省は12日、社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長・大森彌東京大学名誉教授)に対し、療養病床から転換した介護老人保健施設(転換型老健)の介護報酬に関する論点を提示した。新しい施設サービス費を設けるのではなく、看護必要度など一定の入所基準を設定した上で、加算で評価する方向だ。厚生労働省は転換型老健に限って加算を認めるとしたが、入所基準の設定内容によっては既存の老健でも基準を満たす場合もあり得るため、適切な基準設定が課題になる。厚生労働省は11月の次回会合で、転換型老健の方向性や入所基準案を出す見通しだ。
厚生労働省は転換型老健の介護報酬について、新しい施設類型として別個の施設サービス費を設けるか、算定要件を明確にした上で既存の老健の施設サービス費に加算するかの2種類を示した。厚生労働省の鈴木康宏老健局保健課長は「事務的手間を考えると加算が妥当では」と、加算方式で進める考えを示した。加算体系として、▼夜勤帯の常勤医師のオンコール体制、▼他の医療機関の医師による往診、▼看取り体制、▼個別の医療処置、▼屋間の看護職員職員配置、▼医療ニーズに応じた物品費――などといったサービスへの評価と、看取りなど入所者の状態によってニーズが異なる部分への評価を組み合わせる方向だ。看取り体制の要件に関しては、▼本人または家族の同意に基づくターミナルケア計画の作成、▼医師、看護師らが共同でターミナルケアを実施、▼入所者が入所施設や居宅で死亡した場合――などが提示されている。また、入所者の状態像については、夜間など日勤帯以外の時間に、喀痰吸引や経管栄養といった看護が必要な人の割合を1割以上とするなど、看護必要度が高い人を常時確保することを求める。 現在、仮称としている「医療強化型老健」は、「介護療養病床より医療機能を強化したものという誤解を招くおそれがある」など反対意見が多いため、「療養病床から転換した老人保健施設」(転換型老健)と呼称するものとし、正式名称は来年1月の決定となった。

■小規模老健の施設要件緩和で転換促進

〜厚生労働省

厚生労働省は12日の社会保障審議会介護給付費分科会に、小規模老人保健施設の人員基準や算定日数上限を緩和する措置を提案した。29人以下の小規模老健に義務付けられている支援相談員や介護支援相談員の常勤配置を非常勤でも認め、180日の算定日数上限を撤廃するとしている。小規模老健には、病院や診療所に併設する「医療機関併設型」と老健の本体施設とは別の場所に運営する「サテライト型」があるが、今回の緩和措置の対象は「医療機関併設型」に限定する考えだ。同分科会で了承されれば2008年度の介護報酬改定と同時に施行する。 小規模老健は在宅に近い生活環境で在宅復帰を支援する目的で、2006年4月の介護報酬改定で創設したが、現在までに指定申請は1件もない。その理由として厚生労働省は、一般の老健では100対1が配置基準となっている支援相談員や介護支援専門員を、小規模老健ではそれぞれ常勤1人以下おかなければならないことや、一般の老健の平均在院日数230.1日であるのに対し、小規模老健は上限の180日以降は算定できないという基準の厳しさにあるとみている。 。

同一グループ内での事業譲渡は禁止の方向へ

〜法律上で明文化 厚生労働省の検討会が意見一致

介護保険制度の見直しについて議論する介護事業運営の適正化に関する有識者会議(座長・遠藤久夫学習院大学経済学部教授)は5日、不正行為を犯した介護事業者が同一資本グループ内などに事業を譲渡することを制限する方向で意見が一致した。介護保険法で明文化する見通しだ。 このことは、退職した職員の名義を使って新規指定申請を行うなどの不正行為を働いたコムスンの問題に端を発している。さらに厚生労働省が不正を働いたコムスンに対して、事業所の新規指定や更新を行わない方針を打ち出した際、同社は当初、同一資本グループ内の別法人である日本シルバーサービスに事業譲渡する方針を打ち出し、問題となった。

介護情報公表制度に22サービスを追加

〜シルバー振興会が報告書

シルバー振興会はこのほど、2008年度から介護サービス情報の公表制度の対象に新たに追加する22サービスの公表項目案をまとめ、厚生労働省に報告書を提出した。 2008年度から新たに追加されるのは▼特定福祉用具販売、▼介護予防訪問介護、▼介護予防訪問入浴、▼介護予防訪問看護、▼介護予防訪問リハビリテーション――などの22サービス。介護サービスと介護予防サービスなど複数のサービスを提供している事業所の事務負担などに配慮し、両社の共通項目と各サービス特有の項目を設ける内容だ。
介護サービス情報の公表制度は2005年度の介護保険法改正で制度化され、2006年度から始まった。現在は▼訪問介護、▼訪問入浴介護、▼訪問看護、▼通所介護――など12サービスについて、全事業所が対象となっている。事業所の名称や所在地などについて事業者が記入する「基本情報」と、利用者本位のサービス提供の取り組み状況などを都道府県の調査員が事実確認をして公表する「基本情報」を年1回公表している。

介護保険制度 現場の実情を踏まえた検討を要望

〜神田愛知県知事 老健施設大会で

 神田真秋愛知県知事(全国知事会社会文教委員長)は11日の全国老人保健施設愛知大会で、現在の介護保険事業者の人材不足は、厳しい介護報酬の引き下げなどが要因と指摘し、「高齢者の安心に配慮し現場の実情を踏まえた慎重な検討が必要」との見解を示した。
国が社会保障費の抑制を打ち出す中で神田知事は「介護報酬の引き下げで介護という重労働に見合った待遇を実現するのは難しいとの声が聞かれる」とし、国や地方財源が厳しい中で社会保障費の抑制についても一定の理解を示しながら、「先を見据えた地方の実情を踏まえた制度設計を国に求めている」とした。
医療制度改革での療養病床の再編による療養病床の削減等、様々な形で国が社会保障費の抑制に主眼を置く中で、介護事業者の現状を踏まえた上で事業所の質と量の双方での確保に向けた検討の必要性を訴える形となった。

次回介護報酬改定では人材確保を念頭に

〜木内審議官 事務作業の見直しも

厚生労働省の木内喜美男官房審議官(老健、社会、障害保険福祉担当)は11日、全国介護老人保健施設愛知大会の中で介護事業の人材不足について「勤続年数や就業形態、訪問系と施設系の差などを考慮して次の介護報酬改定で反映させていきたい。」と、2009年の介護報酬改定では人材確保を念頭においた内容とする意向を示した。
虚偽の内容で介護事業所指定申請をしたコムスンの問題について木内審議官は「介護報酬が安いため、介護に従事する人の賃金が安い。そこで人手不足になったから不正を働いたという意見がある。介護事業に従事した人から意見を聴き、それを踏まえた介護報酬の在り方を検討しないといけない」と述べ、介護給付費分科会の中のワーキンググループで経営者側や労働者側から意見を聴き、報酬水準を検討する上での資料とする考えを示した。

都内31社会福祉法人で人材確保ネット 11月に初の合同試験 

〜他事業所との人事交流も 東京都社会福祉協議会

東京都社会福祉協議会は、都内の31社会福祉法人による「福祉人材確保ネットワーク」を立ち上げた。11月には、各法人が来春までに採用する職員の合同試験を始めて実施するほか、合同研修や一定期間勤続したスタッフがネットワークに参加する他の法人の事業所で勤務できる仕組みなどを整える。介護・福祉分野の人材確保が困難になる中、個別の法人単位では困難な人材採用にネットワークで取り組むことによって効率化を図ると共に、介護・福祉現場の仕事の魅力を高める狙いだ。 2006年に東京都社会福祉協議会が実施した調査では、「人材確保が困難」と考えた都内の社会福祉施設が6割を超えるなど、法人や施設の枠を超えた職員採用や人材の移動の仕組みづくりなどの必要性を指摘する提言をまとめていた。この提言に基づいて、東京都社会福祉協議会は合同採用や法人間の人事交流などを実施する「福祉人材確保ネットワーク」の構想を立ち上げ、9月に東京都社会福祉協議会の会員に参加を働きかけた。

MMPG提供


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