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月刊福祉経営情報



2007年10月号

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報酬の前倒し改定 1割引き上げ要望

〜民介協

「民間事業者の質を高める」全国事業者協議会(民介協:会長=対馬徳昭ジャパンケアサービス会長)は、療養病床再編を受けて来春行われる介護報酬改定の一部前倒しの中で、在宅介護報酬の1割以上の引き上げも同時に行うことを求める要望書を厚生労働省に提出した。 これは、2006年度の介護報酬改定による収益の悪化や景気の回復による人材確保の困難などから介護事業所の存続が極めて厳しい状況にあるという事業者の声を受けて早期の対応を求めるものである。 本要望書の中で、「2003年、2006年と過去2回の介護報酬改定はマイナス改定となっており、事業所の収入が減った上に、景気が回復の兆しをみせる中で人材の確保が困難となり、撤退・倒産する事業者が相次いでいること」を強調。各事業者が、現場スタッフである介護職員や看護師等の人材確保や業務内容に相当する賃金水準の確立を行えるよう、在宅介護サービスの報酬を1割以上引き上げた報酬改定を医療強化型老健の誕生により1年前倒しで行われる来春の改定で行うよう求めている。 さらに、本要望書の中で、▼支給限度額の見直し(重度者への必要なサービス提供のため)、▼各自治体ごとに判断が異なるサービス提供基準の明確化、▼2006年度改定で新設された居宅介護支援事業所の特定集中事業所集中減算の見直し、▼家族同居時の訪問介護サービス内容の拡充、▼ハローワーク内に介護・看護専門の求人コーナーを設けるなど、国としての人材確保支援策――などが挙げられている。また、制度改正や報酬改定のたびに新しいサービス体系を確立するなどして複雑化していく制度構築の現状にも触れ、簡易で解りやすい制度設計も要望している。 民介協本部事務局では、今回の要望書提出に当たり、「コムスンが不正をしたことを擁護するわけではないが、コムスン問題の背景には事業運営が厳しい実態があるのも事実。国が、サービスの質の向上やコンプライアンスを求めるのであれば、それに見合う報酬体系を作成して行くことが肝心。現状のままでは、人材確保が困難になり、事業者が介護事業からの撤退を余儀なくされたり、利用者が求めるサービスを提供出来なくなったりする可能性がある。」とし、本要望書の重要性を強調している。

診療・介護報酬改定で老健転換を促進

〜厚生労働省・大島企画官 追加支援策は否定的

厚生労働省の大島一博大臣官房企画官(保険局総務課医療費適正化計画対策推進室企画官併任)は5日、2008年度の診療報酬と介護老人保健施設の介護報酬の改定について、「医療必要度の高い人が多い病院には医療療養、それ以外が多いなら新型老健(医療機能強化型老健(仮称))の方が有利というように報酬の中で設定する」とし、療養病床の転換を誘導したい考えを示した。 2011年度末で介護療養型病床が廃止となるが、国の目標とする療養病床数と個別の医療機関の転換希望の合計には乖離がある。医療療養型に残るか、新型老健に移行するかは「各病院の経営判断なのでそれに沿うことになる」としたものの「新型老健と療養病床の医療必要度との関係で、その経営判断が参酌標準としての考え方にマッチするように報酬を設定することになる」と、医療必要度が低い患者を多く集めている医療療養病床の評価を引き下げ、新型老健への転換を誘導することを示唆した。

医療療養病床は最低20万床必要

〜安藤永生病院理事長 「医療・介護難民をふせぐため」

医療法人社団永生会永生病院の安藤高朗理事長は、日本療養病床協会が神戸で開催した全国研究会のシンポジウム「介護療養型医療施設の今後」で講演し、医療療養病床は最低でも20.5万床必要との見解を示した。 本講演の中で、安藤氏は厚生労働省の療養病床再編政策に触れ、「最低でも20.5万床が必要。医療療養病床のうち医療区分2と3の患者が占める63.2%に当たる15.8万床と、介護療養型病床の24.9%に当たる3.2万床に加え、医療区分1の2割に当たる1.5万床は医療療養病床である必要があるため、合計で20.5万床は最低限必要。さらに、DPC病院と回復期リハビリテーション、亜急性期を除く一般病床に入院している患者の3分の1程度が医療療養病床に移行する可能性があり、これも合わせると医療療養病床は35万床が最低必要数になる。」と指摘した。


介護施設の在り方検討へ

〜医療強化型老健は外部サービス利用型も評価

厚生労働省の鈴木健彦老健局老人保険課課長補佐は、6日、「介護福祉施設と介護老人保健施設の在り方を検討する検討会」を秋から開催することを明らかにした。昨年春から開催してきた「介護施設等の在り方に関する検討会」は、医療強化型老健(仮称)の設置方針を決めたため、9月中に解消する。 鈴木課長補佐は、「現在、老人福施設と老人保健施設の違いは医療が位置付けられているかどうかだけ。本来は居住系サービスがあってそれらに介護・医療サービスが外から入ってくることが入所者にとってもよいと言われている。そこも含めて、20年、30年先の将来的な本当のあり方を検討する。」と述べた。 医療強化型老健で提供する医療の在り方にも言及し、「病態が急変したときには医療を提供できるようにしたい。医療施設は併設なのか、外部サービスなのかというところで考えている。その体制を評価するというのが基本的な考えになっている。」とした。


受給者11ヶ月ぶりに360万人超え

〜介護給付費実態調査 2007年6月審査分

厚生労働省がまとめた2007年6月審査分の介護給付費実態調査によると、介護サービス、介護予防サービスの受給者数は計362万7,800人で、前月より6万8,100人増加したことが明らかになった。 介護サービス受給者は294万1,000人で、居宅サービスは198万5,300人、施設サービスは83万2,700人、地域密着型サービスは18万1,000人が利用していた。要介護度別の受給者数は下記の通り。

○要介護度別の受給者数
介護度 受給者数(前月比)
経過型要介護 2万5,700人(-11.4%)
要介護1 69万7,600人(- 0.5%)
要介護2 68万1,700人(+ 2.5%)
要介護3 60万5,800人(+ 2.5%)
要介護4 50万6,200人(+ 2.4%)
要介護5 41万4,900人(+ 2.3%

正規雇用化促進や小規模施設の合同採用提言

〜福祉人材確保で東京都社協地域推進委

  東京都社会福祉協議会が設置した地域福祉推進委員会は、福祉施設の人材確保策として、非正規職員の正規職員への登用や施設や法人の枠組みを超えた合同採用試験の実施などを呼びかける「地域福祉推進に関する提言2007」をまとめた。福祉分野の有効求人倍率が2003年度からの3年間で約6倍に上昇した都内の現状などにも触れ、「社協を始めとした福祉施設のネットワークによって難局を乗り越えていくことが求められる。」との考えを打ち出した。           本提言では、都社協が2006年11月、都内の民間福祉施設を対象に実施した調査で、施設の経営悪化を背景に福祉職員全体に占める非正規雇用職員の割合が5年前より約8ポイント上がり約33%、老人福祉施設に限ると4割近くに達するなど、社会全体の非正規職員の割合と比べて高くなっている現状を指摘。福祉施設や法人に対して、福祉職場の社会的な地位と、適正なサービスを維持するために必要な正規職員の職種ごとの割合を明確にするとともに、可能な限り正規雇用にシフトするよう努める必要性を訴えた。また、小規模の施設や法人では単独での計画的な採用が困難であるため、法人や施設の枠組みを超えて合同採用を実施し、採用後の人事交流の仕組みを作ることも必要とした。 厚生労働省から発表された2007年7月の「社会福祉専門職の有効求人倍率は1.37倍」で、前年同月よりも0.21ポイント上昇しているが、他職種と比較すると人材確保は厳しい現状であると言わざるを得ない。

MMPG提供


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