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月刊福祉経営情報



2007年7月号

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「転換型老健」創設を了承

〜2008年の介護報酬改定で 人員配置などは今後議論

介護施設等の在り方に関する委員会が20日に開催され、療養病床から転換した介護老人保健施設(老健)における医療サービスの提供と、前回示した療養病床転換促進のための7項目の追加支援措置(案)の具体的内容を示した。 このうち、前者については、従来の老健よりも人員配置を厚くした「(仮称)医療機能強化型老人保健施設」(転換型老健)を創設することが決まった。厚生労働省は、療養病床が老健に転換した後も、医療ニーズの高い入所者に対する一定の医療サービス提供を継続すること目的に同施設の創設を提示した。今後は、社会保障審議会介護給付費分科会で具体的な人員配置などを検討し、通常2009年4月の介護報酬改定に先駆けて2008年4月に介護報酬を設定し、病院の老健への移行意欲を高めたい考えだ。  厚生労働省は、転換型老健において強化すべき医療サービスとして、▼夜間等や日勤帯以外の時間帯の対応、▼入所者の看取りへの対応、▼リハビリテーション――を提示。このうち、夜間等の対応については、急性増悪で緊急対応が必要な入所者や喀痰吸引、経管栄養などの日常的な医療処置が必要な入所者に対応する必要があるとしている。この場合、医師による夜間等の医療提供について、対応が必要と見込まれる入所者数等に鑑みれば、老健の医師のオンコールや他の保険医療機関の医師の往診により対応可能としている。一方、看護職員による夜間等の医療提供については、対応が必要と見込まれる入所者数等に鑑みれば、夜間等における看護職員の継続的な配置や、必要に応じ、経管栄養への対応のため、朝夕の時間帯について、日勤帯の勤務者の早出・遅出勤務による対応が必要であるとしている。 また、従来の老健との関係について、老健はこれまで医療提供施設としての機能を果たすとともに、入所者の居宅復帰を支援してきており、今後ともリハビリテーションを始め、入所者の居宅復帰支援機能の強化に向けた取組みを進めていく必要があるとしている。  さらに、厚生労働省は、小規模老健施設について、介護報酬の算定上限180日の撤廃や人員基準の緩和を決めた。人員基準については、現在、支援相談員介護支援専門員ともに常勤一人以上となっているが非常勤でも可能とする。
■医療法人による特別養護老人ホームの設置が可能に 厚生労働省は、同日の委員会で、このほかの療養病床転換支援措置の追加策として医療法人など非営利法人の特別養護老人ホーム設置を認めるとした。来年の通常国会に老人福祉法の改正案を提出し、成立後に施行する。非営利法人は全国厚生農業協同組合連合会病院などが対象となるとみられる。 なお、厚生労働省は、2009年度からの第4期介護保険事業支援計画では、医療療養病床から介護施設への転換は、定員枠を設けずにすべて受け入れる方針を決めた。

訪問介護事業所の雇用管理改善を

〜厚生労働省の検討会が報告書

厚生労働省は15日、訪問介護事業所の労働管理体制の問題点を検討した「介護分野における雇用管理モデル検討会」(座長・佐藤博樹東京大学社会科学研究所教授)がまとめた報告書を発表した。事業所の雇用管理改善を進める上で重要なポイントを整理した内容で、介護能力に応じた処遇とするためにヘルパーの職能等級制度を設けることや、移動時間などサービス以外の時間についての適切な賃金管理の必要性を指摘している。 同報告書では▼キャリア管理、コミュニケーション管理、▼配置管理、稼動管理、▼能力開発、▼労働時間管理――の各分野について、現状と課題、対策のポイントなどをまとめた。 このうち、キャリア管理の現状については、「現場での能力発揮や資格取得による能力向上などは適切に評価されるべきだが、評価基準が明確でなく、直ちに配置などに結びついていない」と指摘し、キャリア・マネジメントの必要性等を課題として提示。その上で、「個別の介護能力と就労ニーズに配慮した中長期的な研修計画の策定、就労ニーズに対応したキャリアパスの構築、ホームヘルパーの職能等級制度の導入」を対策として挙げている。

全てのグループホーム等の社会福祉施設に火災報知器義務付け

〜消防庁 都道府県に通知

消防庁は13日都道府県に対して、認知症高齢者グループホームなど小規模社会福祉施設に、自動火災報知器や火災通報装置の設置を義務付けるとした通知を発出した。今後新規に建設する施設には2009年4月から適用される。一方、既存施設や建築中の施設については2012年3月末までの経過措置が認められる。  昨年1月に長崎県で発生したグループホームの火災で7人が死亡したことなどを背景に、大規模施設だけに義務付けていた防火管理体制を小規模施設にも適用するように消防法施行令の一部が改正された。高齢者施設では認知症グループホームやショートステイ施設などが対象で、デイサービス施設は対象にならない。 従来は一定の延べ面積以上を持つ施設に義務付けていた自動火災報知器設置や、火災時に消防署に自動通報される火災通報装置の設置を、全施設に義務付けた。延べ面積1000u以上の施設に設置義務があった簡易スプリンクラーの設置も275u以上の施設は設置する必要がある。どの居室から出火しても出火した居室の前を通らずに避難できる経路が確保されている場合には設置を免除するなどの特例も設けられた。 また、防火管理者もこれまでは30人以上収容の場合に置かなければならなかったが、今後は10人以上収容の施設は全て設置することになった。


2006年度の指定取り消し処分69事業所に

〜介護保険事業所の指定取消

厚生労働省は12日、2006年度に指定取り消し処分を受けた介護保険事業所が69ヶ所あり、このうち、東京都が24件と全体の約35%を占めていることがわかった。 また、介護保険制度が始まった2000年度からの累計が478件にで、法人種別で見ると企業が327件と群を抜いて多く、ほかには医療法人で55件、特定非営利活動法人で44件、社会福祉法人で31件だった。 一方、サービス種別では、訪問介護が167件と最も多く、次いで居宅介護支援が131件、通所介護が38件となった。 また、都道府県別で見ると、最も指定取消処分の事業所が多かったのは、京都府の59件で、次いで、北海道で44件、東京都で43件という結果となった。


医療コスト縮減、保険範囲の見直しを

〜財制審が予算編成に向け建議

財政制度等審議会は6日、▼社会保障関連のサービス提供コストの縮減、▼公的保険の範囲の見直し、▼負担能力に応じ公平な負担――を柱とした2008年度予算編成における考え方をまとめ、尾身幸次財務相に建議した。政府は近くまとまる経済財政諮問会議の「基本方針2007」と合わせて来年度予算編成におけるシーリングを取りまとめることになる。 介護保険制度に関しては、介護報酬改定などがないために多くは言及していないが、次期介護保険事業計画について、サービス提供コストの縮減・合理化、利用者負担や公的保険給付の範囲の見直しが必要だと指摘している。 また、2006年度から始まった介護予防サービスについては、「費用対効果の検証が重要だ。その結果を踏まえて必要な対応を検討すべき」とするにとどめ、具体的な対応方法については言及しなかった。


ケアマネの大半はターミナル経験4件以下

〜経験不足の実情明らかに

笹川医学医療研究財団の助成研究「介護支援専門員におけるターミナル・ケアに関する意識調査」の結果、介護支援専門員の過半数がターミナル期の症例の経験が4件以下であることがわかった。一方、担当ターミナル例での本人や家族の満足感を介護支援専門員自身は高く推定している傾向が見られた。 これを受け、調査した鷲見よしみ(医療法人聖仁会すみ歯科医院)、大西丈二(名古屋大学医学部老年情報学寄附講座)の両氏らは「今後、ターミナル・ケアにおける介護支援専門員の役割を明確にしつつ、教育を急ぐ必要がある」としている。  同調査結果によると、「根治不能で余命6ヶ月以内」が見込まれるターミナル期の症例の経験について、全体の19.5%は経験がなく、1〜4件も47.0%で、合わせて66.5%に上り、5〜50件は31.4%、51件以上は2.1%に過ぎなかった。また、5件以上の経験があるのは、居宅系事業所の勤務者は35.6%だったのに対し、施設系事業所の勤務者は23.0%と低かった。 さらに、在宅での看取り経験は29.3%がなし、46.9%が1〜4件で、5〜50件が22.8%、51件以上が1.0%だった。特に介護福祉士やヘルパーの資格所有者のグループに限ると、9割近くが4件未満しか経験がなかった。

業界最大手の消滅を機に・・・

― 介護業界を読む ―

東京都港区にある六本木ヒルズに本社を構え、全国津々浦々に訪問介護事業所や特定施設入居者生活介護等を構えている介護業界の最大手企業、いや、企業であったと言ったほうが正確であろう。そのコムスンが違法申請、違法運営。不正が重なり、今回、介護事業からの撤退を余儀なくされた。その過程は、連日、テレビ等マスコミで報道されているとおりである。 その報道に私は違和感を憶える。通常であれば、市場シェア40-50%を占めるガリバー企業の崩壊による他社のビジネスチャンスをこぞってうたうマスコミが今回ばかりは、「福祉」の名の下、ここぞとばかりに、『「福祉」という社会貢献の事業を行いながら・・・。』『金のことしか・・・』と意気揚々コムスンを攻め立てている。しかしながら、分野は他事業に比べ福祉的色合いの濃いものであるが、民間にその門戸が開かれた以上、市場原理主義で動いている。事業規模を拡大し、増収、増益を目指して行くことは当然のことである。 また、超高齢化社会を迎えることが分かりながら、その整備段階で業界最大手を叩いた厚生労働省の対応にもいささか疑問を感じる。介護事業所の多くは、恐らく今回コムスンが抱えていたのと同様の問題に直面しているはずだ。言い換えれば、介護業界は「従事者の不足」という大きな問題を抱えている。その中で、厚生労働省はなぜ業界最大手のコムスンを叩いたのだろうか。全国津々浦々まで訪問事業所を配備し、市区町村から委託業務を受けるまでに成長した企業を潰すことは、介護保険開始からの7年目で貯まった膿を出すにしてはあまりにも大きな代償になるのではないだろうか。 現在、コムスンの抜ける大きな穴を埋めるべく業種を問わず、多くの企業が名乗りを挙げている。そこには、「介護サービス提供の継続」との名目がある。しかし、良く考えていただきたい。どの企業も買収に必死である。コムスンの撤退により、訪問介護事業では業界トップに立つN社社長は「常識的に私どもが引き継ぐのが自然の流れ。他業種の方があまり無理をなさらないほうが・・・。」とまでマスコミの前で語った。去り行くコムスン同様「事業規模拡大による収益アップ」が前面に見える。しかし、今回の人材不足という大きな問題を解消できる秘策を持っているのだろうか。運営する企業は変われど、介護に従事する者の数は変わらず。今回の問題は安易に解決できるものではないように思えるのだが・・・。 私は、不正を働いたコムスンを擁護するつもりは全くない。しかし、財源の具合によりころころ変わり行く制度、介護事業従事者不足を補う手立てを講じることができないでいる現状にも大きな問題があるのではないだろうか。「世界に類を見ない認定制度を導入した素晴らしい制度だ」と厚生労働省が胸を張って2000年にスタートした介護保険制度。超高齢化社会への道半ばに、「選択から措置へ」逆戻りしないことを切に願うのみである。
鰍lMPG総研 原田 武昌

MMPG提供


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