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月刊福祉経営情報



2007年5月号

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療養病床転換計画は変動可能

〜厚労省の担当官 夏に再度意向を調査

厚生労働省老健局は17日に開催された「医療構造改革に係る都道府県会議」で、地域ケア体制の整備に関する基本指針案を明らかにし、都道府県が今秋をめどにまとめる「地域ケア体制整備構想」の基本的な考え方や手順を示した。同構想では療養病床の転換時期や転換先を明示する「療養病床転換推進計画」を策定するが、厚労省の榎本健太郎企画官は「転換推進計画は確定したものまで求めているではない」と述べ、計画に盛りこむ内容と実際の内容に変動があってもよいとする認識を示した。
指針案では地域ケア整備構想で盛り込む事項として▼地域ケア体制の整備と療養病床再編の基本的な考え方、▼地域ケア体制の長期的な将来像と実現に向けた方策、▼2011年度までの介護サービス等の必要量の見直し、▼療養病床転換の推進方策(療養病床転換推進計画)――の4点を挙げた。
このうち療養病床転換推進計画においては、2007年4月1日現在の療養病床につき、▼医療費適正化計画に定める2012年度末の療養病床数の目標を達成すること、▼介護療養病床については、2011年度末までに老人保健施設等への転換を円滑に終了すること――を前提に、2007〜2011年度末までの療養病床の転換過程を記載する。数値設定は、既に転換意向を明らかにした療養病床はそのまま計画に反映し、転換の有無を決めていない療養病床についても目標値を達成するために年度ごとの数値を設定する。
また、昨年10月に実施した転換意向調査では未定とする医療機関が多かったことから、都道府県は今年夏に再度意向調査を実施し、その結果を基に転換推進計画を策定。さらに、2009年度から始まる第4期介護保険事業支援計画を策定する前に改めて意向調査を行い、その結果を事業計画に反映する。このため、今回の転換推進計画の際に転換しないとしていた医療機関でも、変更することができそうだ。


「有料老人ホームへの適切な指導を」

〜未届け施設の届出促進を要望

厚生労働省は11日の全国介護保険指導監督担当係長会議のなかで、老人福祉法改正で有料老人ホームの届出対象が拡大されたことを受けて、「都道府県の有料老人ホーム担当者と指導担当者が異なるかもしれないが、連携して適切な指導をしてほしい」と要請した。 有料老人ホームは昨年4月の老人福祉法改正により定義が改正された。これまでは、「常時10人以上の老人を入所させ」かつ「食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設」から「(1)食事の提供、(2)介護の提供、(3)洗濯、掃除などの家事、(4)健康管理――のいずれかを供与する事業を行う施設」となった。これにより、2007年から、上記の条件を満たす施設では、届出を行うことが必要となっている。厚労省の調査では2月26日時点の有料老人ホームの数は2,513施設で、そのうち188施設は今回の届出対象拡大によって新たに有料老人ホームになった。しかし、全国的に有料老人ホームの届出手続きが進んでいない実態が見受けられており、3月20日付けで「有料老人ホームの届出促進等に関する総合的な取り組みの徹底について」を発出し、届出促進、未把握施設の情報収集、窓口の明確化等の総合的対策の徹底を通知した。


軽費老人ホームの体系が一本化

〜施設基準が明確に 7月1日から

軽費老人ホームのA型とB型、ケアハウスの3類型が7月1日から、現行のケアハウスの体系に一本化され「軽費老人ホーム」となることに伴い、軽費老人ホームの設備や運営の最低基準が定められる。
従来は、1972年の「軽費老人ホームの設備及び運営について」の局長通知において設備及び運営に関する基準を定めるのみで、施設の法令上の基準がなかった。既存の軽費老人ホームは経過措置として従来通り運営できるが、今後新設する場合は新体系に統一される。
新たな基準は上記の局長通知のケアハウスの基準を基本に据える。設備では居室1室の定員を1人とし(2人が可能なこともある)、床面積は21.6u以上として洗面所や便所、収納スペース、簡易な調理設備を設けることが必要だ。10人程度の居室と共同生活室で構成するものについて居室床面積は15.63u以上となる。


「訪問介護事業所の指定時からの洗い出しを」

〜厚労省中井介護保険指導室長が指示 虚偽申請の問題受け

介護サービス事業所の虚偽申請などが問題となっていることを受けて、厚生労働省の中井孝之介護保険指導室室長は11日の全国介護保険指導監督担当係長会議で、「複数事業を展開している事業所でこのようなことが起こり得る。指定訪問介護事業所の指定時点からの監査をお願いする」と、広域的に事業を展開する訪問介護事業所の洗い出しを指示した。
東京都内の訪問介護事業所が居宅サービスの人員などで虚偽の申請をしていたことが明るみになっている。中井室長は「悪質な事業者が挙がってきており、制度上看過できない。法令遵守の徹底を前提に事業者を指定しており、法令遵守は事業者の責務ということを伝えてほしい」と要請した。とりわけ広域に複数展開している事業所で、他の事業所の職員の名義を借りて申請するケースが想定されるとして「このようなやり方は放置することはできない。指定担当部局とも連携して監査を」と述べた。
さらに、今年度末には、多くの介護事業者の指定の有効期間が満了する。これに伴い、厚労省は、指定の更新手続き等の機会があることを踏まえて、(1)各介護サービス事業者に対する制度の周知、(2)集団指導の計画的な実施、(3)保険者等の連携強化、(4)事業者の自己点検の実施・促進――に留意するよう求めた。


定年退職後の看護職復帰 介護施設が人気

〜日看協調査

日本看護協会はこのほど、「潜在看護職員・定年退職看護職員の就業に関する意向調査」の結果を公表。定年退職する看護職に復帰意欲を尋ねたところ、復帰を希望する人は4割余りを占めた。
同調査は、就業促進の対策、就業条件・就業改善への対策に関する基礎資料を得るため、潜在看護職員、定年退職予定看護職員を対象に、2006年11月に実施した。
これによると、定年退職看護職員のうち、定年退職後すぐに看護職として働きたい人は30.0%、いったん期間をおいてからの復帰を希望したのは12.6%だった。一方、再就職先としては、6割が現在とは違う職場での再就業を望んでおり、無床診療所や有料老人ホーム、介護老人保健施設などの希望が高かった。


法令遵守の徹底を求める

〜東京都が介護事業者向け説明会

大手訪問介護事業者で退職した元職員の名義を借りて指定申請するなどの不適正な事例が判明した東京都は13日、複数事業所を展開している介護保険事業者に対する説明会を開いた。この中で、梶原秀起福祉保健局指導監査部長は「法令遵守を基本とした経営をしてほしい」と参加事業者に呼びかけた。
都は業界最大手のコムスンや大手のニチイ学館、ジャパンケアサービスに対し、虚偽申請や管理者不在などで改善勧告や文書指導を行っている。梶原部長は「業界最大手の不正は普通には考えられない。業界そのものの体質が問われてしまう。業界として襟を正してほしい」と厳しい口調で述べた。


2009年度の介護保険の被保険者・受給者拡大は見送りへ

〜厚労省の有識者会議 5月に中間報告

厚生労働省は2009年度からの介護保険制度の被保険者・受給者の範囲の拡大を見送る方針を固めた。障害者団体などから懸念の声が相次いでいることや、2008年度から始まる後期高齢者医療制度による負担増などに伴い国民の理解が得られないと判断したからだ。5月中に被保険者などの拡大を議論している介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議が中間報告を取りまとめる予定だが、具体的な結論は出せない見通しだ。
2005年の改正介護保険法の附則では、介護保険制度の被保険者・受給者の範囲を含めた社会保障全体の見直しを検討し、2009年度には何らかの措置を取ることを要望。厚労省は当初2006年度内に範囲拡大議論を決着し、第4期介護保険事業計画のスタートに当たる2009年度に新制度に移行する予定だった。しかし、障害者団体などから、昨年4月に始まった障害者自立支援法が安定していない時期での制度の変更は混乱を招くなどと反発が相次いだ。また、同会議では保険者側の委員から後期高齢者医療制度で国民負担が増える中で、さらに若年層に負担を強いる範囲拡大は理解が得られないという姿勢を崩さなかったことから、議論の落としどころを見いだせなかった。
同会議は5月に開く会合で中間報告書を取りまとめるが、その後の開催は未定だ。報告書の内容も具体的な方向性を示すものにはならないとみられる。この中間報告書を受けて介護保険制度を検討する社会保障審議会介護保険部会を開催するかどうかも決まっておらず、事実上範囲拡大論議は棚上げとなる公算だ。


生活リズムを保てる療養環境で日常的なリハビリ支援を

〜先駆的福祉経営事例

千葉県我孫子市で保健・医療・福祉サービスを手がけている医療法人創造会は、3月1日に介護老人保健施設「クレオ」を開設した。エスペラント語で“創造”の意味を持つ「クレオ」を施設名に冠した同施設は、同法人では2ヶ所目の老健となる。目玉は全室個室で、ユニットケアを採用していること。居室のある2、3階に8〜12人のユニットを5つずつ配置。老健での個室・ユニット化の歴史は浅く、厚労省の2005年介護サービス施設・事業所調査結果によると、3,278施設のうちユニットを整備している施設は238施設で、6ユニット以上になると87施設にとどまる。
渡邊禮次郎施設長は、「老健におけるユニットケアのノウハウは、まだ、確立されていない。利用者一人ひとりの生活リズムが保てる療養環境のなかで、充実したリハビリ機能を発揮していきたい」と意気込みを語る。

■日常生活でリハビリ支援 残存能力活かすケアを
個室・ユニット型の生活環境では、利用者のプライバシーが確保できる利点がある一方、介護職の配置や、利用者同士の交流づくりなどで課題も指摘されている。そこで、「クレオ」では、各ユニットがスタッフステーションを囲んで「ユニット同士が隣組のように相互に行き来できる」設計とした。
また、施設内の共有スペースには、随所に工夫を散りばめた。1階にあるレストラン「アクロス」は、フロア外にも入り口がある。利用者が家族と軽食を楽しめるだけでなく、「地域住民との交流の場にしたい」という狙いがある。
一方、立ち上げに際して、職員研修も念入りに実施。「当施設では、『愛あふれる心やすらぐ施設』を理念に掲げている。その実現のために必要なのは、1つ目は、職員が利用者に対して、笑顔で接し、利用者と家族、職員同士のコミュニケーションを大事にすること。2つ目は清潔な環境を保つこと。3つ目は介護職員が責任を持つこと。教育活動には力を入れて、利用者の残存能力を活かせるようなケアを実現したい」と語る。また、「運動器リハだけでなく、嚥下訓練、音楽療法など多彩なプログラムを行いたい」と意欲を見せる渡邊氏。個室・ユニット形の療養環境と、充実したリハビリ機能を併せもつ同施設。老健の新しい形として、今後に期待したい。


本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン4月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)

MMPG提供


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