社会福祉士・介護福祉士法を改正する法律案を国会に提出
〜社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案
厚生労働省と文部科学省は13日、社会福祉士及び介護福祉士等の一部を改正する法律案を国会に提出した。近年の介護・福祉ニーズの多様化・高度化に対応し、人材の確保・資質の向上を図ることが改正の狙いだ。
同改正のポイントとしては▼定義規定の見直し、▼義務規定の見直し、▼資格取得方法の見直し、▼社会福祉士の任用・活用の促進など――が挙げられる。
このなかで、介護福祉士の資格取得方法については、資質の向上を図るために、すべての者は一定の教育プロセスを経た後に国家国家験を受験するという形で、資格取得方法を一元化するとしている。しかし、養成施設の卒業者は、当分の間、准介護福祉士の名称を用いることができる(下記図参照)。厚労省は創設の理由については、改正前の制度下での養成施設の卒業者は、介護福祉士の資格を取得できたことを踏まえた経過的配慮。また、現行制度を前提として、フィリピンとの間の経済連携協定の中でその受け入れが盛り込まれていることとの整合性の確保をするためとしている。しかし、介護福祉士の資質向上を目的に国試を義務づけた改正法の趣旨が骨抜きになる可能性も否定できない。

老健転換意向はわずか8.5%
〜療養病床アンケート
厚生労働省は、12日に開催された介護施設等の在り方に関する委員会のなかで、都道府県を通じて行った「療養病床アンケート調査」の結果を公表。介護老人保健施設(老健)に転換する意向のある療養病床は8.5%にとどまっていることがわかった。
同調査は2006年10月1日、療養病床再編に向け、各都道府県において地域特性に応じた対応方法を確立し、計画的な療養病床の転換を図るための基礎資料とするために実施。療養病床を持つ医療機関(診療所を含む)の転換意向と、入院患者のサービスニーズ等について調査を行った。回答施設は、医療療養病床222,398床、介護療養病床116,031床で、回答率93.2%であった。
同調査結果によると、療養病床全体の転換意向は、医療療養病床へ49.6%、介護老人保健施設へ8.5%、一般病床へ5.2%であった。一方、未定は30.0%に上り、老健や介護老人福祉施設(特養)の機能など制度の行方が不透明な中で自院の方向性を打ち出すことができないといった状況もうかがえる。
このうち、介護療養病床のみの転換意向を見てみると、介護療養病床の転換意向は、2011年度まで介護療養病床にとどまるが10.9%、医療療養病床へが23.4%、介護老人保健施設へが20.4%であり、未定は36.8%であった(詳しくは下記図参照)。
医療療養病床・介護療養病床の主な転換意向

さらにそれぞれの施設等の機能や、本人の医療や介護の必要性等を踏まえ、療養病床に入院している患者にとって、医療機関として対応が望ましいと考えられる施設について介護療養病床をもつ医療機関に質問。それに対する回答では、介護療養病床では、介護療養病床が57.4%、特別養護老人ホームが26.2%、介護老人保健施設が15.8%という結果となった。
療養病床転換4月にも特例緩和措置
〜厚労省
療養病床の転換に際し障壁が多いとの意見を受けて、厚生労働省は療養病床が転換する介護老人保健施設の基準を一部改正するなどの特例措置を講じる。内容は「今後議論する」としているが、療養病床では認められている病室面積や廊下幅基準の緩和を有床診療所にも広げることなどが対象となる。厚労省では「急がねばならない事項は特例措置などで円滑に進めたい」としており、3月中に方針をまとめ、4月以降の早い時期に特例措置を開始する見込みだ。
「ルール違反は介護保険上のサービス継続不可」
〜厚労省が事後規制の概要とQ&Aをまとめ注意を喚起
厚生労働省老健局振興課は2006年3月からの改正介護保険法によって改正された介護サービス事業にかかわる事後規制の概要とQ&Aをまとめ、「ルールに違反した場合、介護保険上のサービスを継続できなくなる」として注意を呼びかけている。
事後規制の導入については、▼指定拒否の要件が不十分、▼指定の効力に期限がない――などの意見があり、必要性が指摘されていた。法改正によって導入された事後規制は、(1)指定等の要件の見直し、(2)指定の更新制の導入――の2つ。(1)については指定等対象者を、従来の申請者(事業者)に「法人役員」「管理者」などを追加。また、要件としては、従来の人員基準欠如と設備、運営基準違反に、▼禁錮以上の刑を受けて、その執行が終わるまでの者であるとき、▼指定取消から5年を経過しない者であるとき、▼5年以内に介護保険サービスに関し、不当又は著しく不正な行為をした者であるとき――などを追加した。
(2)について特に注意したいのは、対象に「法人役員等」が追加されたことに伴い、法人役員等についても指定の更新の欠格事由に該当する場合は指定の更新が受けられないことだ。例えば、指定居宅サービス事業所を経営する法人の役員の中に過去5年以内に指定の取り消し処分を受けた事業者の役員がいる場合、指定の更新の欠格事由に該当し、指定の更新を受けられず、介護保険上の指定居宅サービス事業の存続ができなくなる。
退職共済制度の単位掛金額は2007年度4万4,700円に
〜厚労省
厚生労働省は社会福祉施設職員等退職手当共済制度における単位掛金額を現行の4万2,300円から2007年度は4万4,700円とすることとしている。同制度は2006年度改正での公的助成の見直しに伴い、2006年4月1日以降の介護関連施設の新規採用職員については制度に加入させないことができることとなった。この結果、介護関連施設の約6割は継続加入することとなったが、支え手である現役加入者数が抑制されることとなったため、単位掛金額を見直す必要に迫られた。これらについては、年度末にも告示する予定だ。
有料老人ホームの信託契約による保全措置に信託会社を追加
〜厚労省が方針
2006年4月以降、有料老人ホームの設置者及び認知症対応型老人共同生活援助事業を行う者は、一時金等について返還義務を負うこととなる場合に備えて必要な保全措置を講じることとされている。厚生労働省は、この保全措置について、一部改正するとし、意見募集を行っている。
老人福祉法施行規則の中で、保全措置については、(1)銀行等による保全金額に相当する部分の連帯保証、(2)指定格付機関による特定格付が付与された親会社による保全金額に相当する部分の連帯保証、(3)信託業務を営む金融機関との間において、保全金額について、一時金等を支払った入居者を受益者とする信託契約――などの5つの保全措置が告示されている。
今回の改正では、信託会社との間における信託契約による保全措置に、信託会社との間における信託契約を追加するとしている。
入居者の個性を生かした施設運営で新たなケアを追及
〜先駆的福祉経営事例
熊本県熊本市で高齢者介護をリードしている社会福祉法人寿量会が、2006年9月にグループホーム「虹の家」をオープンした。
「いらっしゃいませ。お茶をどうぞ」まるで、施設スタッフの一員のように、穏やかな表情で歓待してくれたのは、入居者の一人。同施設では、入居者がスタッフをリードしながら一緒に食事の準備をしたり、率先して施設の掃除をしたりといったシーンが日常的に繰り広げられている。米満淑恵施設長は、施設名の由来について、「一般的に虹は七色を持つと言われるが、可視できる色の他に2色あり、合わせて9つの色があるそうだ。ここに入居された9人がそれぞれの個性のハーモニーを奏でながら、地域や人々の心に虹をかけ、力づけたいという意味を込めている」と語る。現在の入居者は要介護1〜3。1ユニット9人はすべて女性で、スタッフは8人体制で運営している。また、施設は、外光を取り入れられるようにガラス窓を多用している。
■5年の構想を経て開設「環境づくり」に尽きる
同施設について、「わが家として過ごしてもらう場所であるからには、私たちが提供するサービスは環境整備に尽きる。しかも居住者の残存能力を最大限に発揮できる環境づくりだと定めた」と米満施設長は語る。
早くから介護施設を整備してきた同法人には、当然のようにグループホーム開設の期待が寄せられていた。そこで、長年、「認知症の人と家族の会」熊本県支部代表を務め、現場の声を直に聞く機会が多かった米満施設長は、「作るならば、食・住・生活支援の充実した環境を提供できるように」と、自ら大学での勉強会に参加。専門家との議論を通じて構想を練り、約5年間を費やして開設に漕ぎ着けた。
米満施設長は、「いきいきした利用者の方たちを目の当たりにするにつけ、今までの施設ケアを問い直さざるを得ない。あまりにも利用者に“何もさせないケア”を行っていたのでは。今後は虹の家と特養ホームなど施設側のスタッフを相互に交流させ、利用者の個性を生かすケアの実践を広げていきたいと考えている」と施設ケアのあり方に疑問を投げかけるとともに、利用者の個性を最大限に尊重するケアを提示する。
本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン4月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)
MMPG提供

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