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月刊福祉経営情報



2007年1月号

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被保険者・受給者の範囲拡大 反対・慎重派9割

〜全国市長会、介護保険で調査

全国市長会がこのほどまとめた「介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する調査結果」によると、介護保険制度の大きな課題である被保険者の対象年齢引き下げと障害者施策との統合について、反対あるいは慎重な議論を求める市が約9割に上っていることが分かった。
同調査は被保険者の拡大などについて検討している厚生労働省の有識者会議の議論に反映させるため、今年9月、全国802市(東京23区を含む)を対象に実施、746市から回答を得た(回答率93%)。
同調査結果によると、被保険者の対象年齢の引き下げについて、賛成の13%(93市)に対し反対は14%(104市)で、残る73%(545市)は「慎重に議論すべき」とした。反対・慎重派の理由(複数回答)として最も多かったのが「若年者には給付対象者が少なく、給付と負担の関係で理解が得られない」(545市)で、「改正介護保険法や障害者自立支援法が施行し、本人負担が見直されたばかりだから」(317市)、「国民健康保険料の収納率が低下する懸念がある」(22市)が続いた。一方、賛成派(同)は「今後も介護給付費が増加し、第1号保険者の保険料負担が大きくなると見込まれるから」(64市)、「年齢などで区分することは合理的でない」(39市)などだった。
また、障害者施策との統合は、賛成8%(59市)、反対22%(162市)、「慎重な議論をすべき」69%(519市)だった。反対・慎重派の理由(複数回答)は、「社会参加を前提とする障害者施策と、現行の介護保険制度とでは目的が異なるから」(429市)、「障害者の所得保障が十分でない中、保険料及び利用者負担に課題が生じるから」(364市)など。一方、賛成派は、「地域福祉の観点から介護保険制度と障害者施策が総合的に考える必要があるから」(49市)、「障害者が介護保険のサービス・社会資源を利用できるようになるから」(33市)などだった。


「老健の医療提供検討を」

〜漆原委員 介護施設の在り方委員会で

高齢者の住まいについて議論した15日の「介護施設等の在り方に関する委員会」で、漆原彰委員(全国老人保健施設協会会長)は療養病床再編で介護療養病床に入院する患者が介護老人保健施設(老健)に移行することに触れ「老健と療養病床は明らかに機能も違うし、患者も違う。施設の担当者には不安がある」との思いを明かした。療養病床と老健では人員配置をはじめ異なる点が多いことから「老健の医療行為などについても考えないといけない」と、老健の人員体制や医療提供などについても検討する必要があるとした。


介護予防事業などの評価分析を開始

〜次期介護報酬改定に向け

介護予防事業や新予防給付の介護予防サービスの効果の検証を行う厚生労働省の「介護予防継続的評価分析等検討会」が、18日に初会合を開いた。2007年1月から全国の市町村で開始する介護予防実態調査の結果を基に、介護予防サービスの効果を分析・評価するほか介護予防サービス等の効果的な普及啓発方法などについて検討し、2009年度介護報酬改定などの制度設計に反映する。
改正介護保険法で今年4月に介護予防サービスが創設されたが、具体的な効果が見えにくいため、実際の効果を分析して適宜見直しを行うことが附則に盛り込まれている。
厚労省は2007年1月から、全国の市町村で「継続的評価分析支援事業」を実施し介護予防事業に関する定量的な情報を収集する。具体的な実施方法は、実施市町村が、原則として、管内の地域包括支援センターを1ヶ所選定し、この地域医療支援センターが同事業の実施期間中に、介護予防ケアマネジメントを実施した全対象者について、利用状況や心身の状況に関する情報を収集する。頻度は訪問アセスメントを行う3ヶ月おきとする。これを厚労省に定期的に提出して厚労省が心身の状態や活動状況の変化などを分析する。
調査は現在のところ68市町村で、一部実施市町村が決まっていない県があることから多少増える可能性もある。2007年1月に開始し2008年秋頃に中間報告、2009年3月末に最終的にとりまとめる。市町村では2009年度から第4期介護保険事業計画が始まることから、2008年秋の中間報告を計画策定に活用する。
同事業導入後は新予防給付と地域支援事業のうち通所型・訪問型介護予防事業の介護予防サービスの費用対効果分析も実施する。同調査で要介護認定が改善・維持・悪化したといった状況の変化や、心身機能の状態の変化などを指標に活用する。それに実際の予防サービスの利用回数を介護報酬単位数に当てはめて算出した累積額や介護予防特定高齢者施策の事業費を介護予防サービスに使った費用として、費用対効果を算出する。 また、介護予防関連事業における先駆的事業の評価として、市町村は▼運動器の機能向上、▼栄養改善、▼口腔機能の向上、▼閉じこもり予防・支援、▼認知症予防・支援、▼うつ予防・支援――の6つの介護予防プログラムに関して、地域の実情に応じて介護予防上の効果が見込まれる先駆的な取組を企画。国が、市町村が企画した取組が介護予防上の効果が見込まれる先駆的な取組であるかどうかを審査し、適当と認めたものについては、地域支援事業(介護予防事業)として実施し、当該取組について、サービスの利用状況、心身の状況等に関する情報を経時的に記録し、その有効性等を評価・検討する。


要援護高齢者などの介護費用に対する税制上措置は今後の課題

〜税制改正大綱 2008年中に検討

自民党は14日、「平成19年度与党税制改正大綱」をまとめた。このなかでは、経済・社会を安定的に支える税制に向けて、平成19年度を目途に、少子・長寿社会における年金、医療、介護等の社会保障給付や少子化対策に要する費用の見通し等を踏まえつつ、その費用をあらゆる世代が公平に分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組んでいくと、来年以降具体的な議論を行うことが明記されている。
また、今後の検討課題として、要援護高齢者等の介護費用に係る税制上の措置について、介護保険の実施状況や介護保険制度改革に向けた検討状況を勘案しつつ、具体的な検討を行うとしている。

■療養病床に特別償却制度
療養病床再編に関して、療養病床を介護老人保健施設(老健)に転換するための増改築費用について特別償却制度を実施する。2007年4月1日から2009年3月31日までの間に、療養病床を老健にするための増改築をした場合に、老健の基準所得価額の15%相当を特別償却できるようにする。
また、2000年の医療法改正で創設した、構造設備基準に適合した病院への建て替えについての特別償却制度は、基準を見直した上で存続させる。医療用機器の特別償却制度も2008年度末まで2年間の延長を認め、社会保険診療報酬の非課税措置や医療法人の自由診療部分などの軽減税率も存続する。


後期高齢者医療制度 年明けから本格議論へ

〜来年秋に中医協で検討

社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会は12日、3人の有識者から終末期医療に関するヒアリングを行った。同部会ではこれまで4回にわたり後期高齢者の心身の特性、地域医療の現状、地域医療の現状(歯科)、終末期医療――についてヒアリングを実施。ヒアリングの結果を受けて年明けの次回会合からは論点を整理し、具体的な後期高齢者医療の在り方に関する議論を始める。来年3月までに後期高齢者の新たな診療報酬体系の基本的な考え方を取りまとめ、それを基に来年夏以降までに診療報酬体系の骨格を決め、以降は中央社会保険医療協議会に議論の場を移し、実際の点数(金額)設定に入る。

[お知らせ]制度改正後の訪問介護の現状と問題点を検証く
〜1月14日千葉で訪問介護フォーラム2006

訪問介護フォーラム2006が2007年1月月14日(日)に開かれる。今年4月改正介護保険法が施行、軽度者を対象とした予防給付制度の新設などが行われたが、制度改正から半年が経過した中では、軽度者からは予防給付の使いづらさ、事業者からはホームヘルパー不足の深刻化と運営の困難化が指摘されている。今年6回目を迎える同フォーラムでは、全国介護福祉士会副会長の柴田範子氏を交え、介護保険制度改正後の訪問介護サービスの利用者と提供者の現状と新制度の問題点について事例を基に検証する。詳細は以下の通り。

▼日程:2007年1月14日(日)10時〜16時30分
▼定員:定員300人(申し込み締め切りは12月29日(金))
▼会場:千葉県勤労者福祉センター 大ホール(千葉県千葉市中央区)
▼参加費:1,000円(資料代)
▼内容:第1部「改定介護保険制度を検証する」
     第2部「ホームヘルパーの労働条件を検証する」
     第3部「ホームヘルパーの魅力!−ホームヘルパーの専門性とは−
▼申込み:訪問介護フォーラム実行委員会事務局
      (TEL:043-310-0514、FAX:043-310-0521、社会福祉法人生活クラブ内)


生演奏に合わせて、“筋力極楽体操”

〜先駆的福祉経営事例

福岡県久留米市にある社会福祉法人ひびきの杜デイサービスセンター「ふじの郷」は、生演奏に合わせた体操を通じての筋力強化に取り組んでいる。秦和代施設長は、「体操で元気になり、生きがいを見つけて楽しく生活してほしいと考えた」と語る。介護スタッフの中野大輔氏を中心に数々の研修会に参加し、筋力向上の大切さを改めて確認したものの、経済的に機材購入は難しい。「集団でできる体操はないか」とスタッフは試行錯誤した結果、利用者からの意見を検討し、(1)指導者も楽しむ、(2)笑いを大切にする、(3)生の音楽を使う、(4)強制しない――の4つに重点を置き、体操プログラムを作成した。

■パートの音楽療法士が毎日交代で生演奏
最大の特色は、音楽療法による生演奏だ。利用者の身体機能や気温などによって、曲やスピードを変更。歌を口ずさみながら体操をする人も多いので、発声しやすい音域にするなど、生演奏の良さを活かしている。 また、毎日演奏できるように、音楽療法士をパート3人が交代勤務。小川志穂氏は、「送迎や入浴介助も担当するので、利用者の心身状態もよくわかる」と言う。単に演奏するだけではなく、体操や音楽を通じて利用者に積極的にかかわろうという姿勢がうかがえる。

■体操の効果で“自立”への改善第1号も
朝の体操は中野氏が円の中心に、小川氏がキーボートの前に座って、スタート。小川氏は利用者の表情を見ながら、曲やテンポに変化をつけていく。「体操により要支援から自立になった方もいる。“修了証書”をお渡しして“いつでも遊びにきて”と送り出した。身体機能が上がり、最期まで、元気で暮らせる人が増えるのを楽しみに“極楽体操”を充実させていきたい」と中野氏は語る。また、秦氏は、「高齢者の機能改善はデータに現れにくく、まだ大きな変化は得られないが、現状を維持していることは注目すべきだと思う。認知症や引きこもりで表情が乏しかった人が、笑顔がでるようになった。体操が体だけでなく、心に働きかけていることを実感する」と話す。介護予防を重視していくなかで、利用者の心身に働きかけ、リズムだけでなく、笑いも生み出す“筋肉極楽体操”に今後も注目していきたい。


本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン1月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)

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