厚労省、地域ケア整備指針・整備構想策定の研究班発足
〜療養病床の再編で
厚生労働省は、療養病床の再編で都道府県が受け皿となる地域ケア体制づくりを進める際の基本方針「地域ケア整備指針(仮称)」の策定に向けた研究班を発足、療養病床数が多い自治体などを対象にモデルプラン作成事業を行い、年内を目途に整備指針を策定する。これに伴い、各都道府県は今後、療養病床の実態調査などに着手、国の整備指針の中間とりまとめが行われる10月頃から「地域ケア整備構想(仮称)」の検討を始め、来夏にも策定する。同整備構想は、2009年度からの「第4期介護保険事業支援計画」や2008年度からの「医療計画」、「医療費適正化計画」に反映される。
本研究の具体的な検討課題は、(1)将来の高齢化や世帯構造の変化等の分析方法の開発、将来の動向や地域の要介護者の状況を踏まえた当面のサービスニーズ・利用見込の推計方法の研究開発を行い、必要なワークシートを作成する、(2)介護施設(特に療養病床)の整備水準や高齢化の状況、将来的ニーズ等を踏まえ、全国数ヵ所(老人保健福祉圏域単位)を対象に、地域ケア整備構想のモデルプランを作成する――となっている。
■療養病床の相談窓口設置を
同省は、療養病床の再編成に関する患者や医療機関からの相談窓口を開設するよう都道府県に要請した。これは、医療機関や患者らの不安を解消するねらいで、相談窓口は関連部局で調整した上で、住民、医療機関の利便に資する一元的なものを構築すべきとした。
また、同省は▼各月ごとの療養病床の推移、▼住民・医療機関に対する相談体制の構築状況、▼患者や医療機関からの個別の相談状況――などを毎月国に報告するよう求めた。
療養病床→老健への転換 廊下幅は経過措置後も緩和
〜厚労省パブコメ
厚生労働省は6月に療養病床再編で精神病床(老人性認知症疾患療養病棟)や療養病床が介護保険移行準備病棟や経過型介護療養型医療施設などの経過型類型の創設に伴い、2011年度までに限って人員配置基準や廊下幅などについての経過措置を行うことに関する意見募集をした。
その結果、廊下幅を恒久的にするよう求める意見が4件あった。厚労省はこの意見に対し「2011年度までに病床転換により介護老人保健施設になったものは引き続き廊下幅が緩和される」として、老人保健施設に転換することで片側廊下1.2メートル、両側廊下1.6メートルとすることを明確にした。
■経過型と同一建物内の病院の医師等の兼務は可能
同省は、今般経過型介護療養型医療施設の創設に伴い指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準等についても意見募集した。
その結果、経過型介護療養型医療施設と同一建物内の病院の医師、管理栄養士、リハビリテーションスタッフの兼務を認められるかとの意見があった。これに対し、同省は、医師及び栄養士は、病院内に医療法上必要とされる数以上、リハビリテーションスタッフであるPT及びOTは、当該病院の実情に応じた適当数以上が配置されていればよいことから、病院内での兼務が認められるとした。
また、介護療養型医療施設から転換を行った介護老人保健施設における施設長と、同一建物内の病院長が管理者として兼務することについては、当該指定介護療養型医療施設の管理上支障がない場合には認められるとした。
近代化資金活用した場合も別用途の使用認める方針
〜介護老人保健施設などに転換する場合
厚生労働省は療養病床などから介護老人保健施設などに転換する場合、医療施設近代化施設整備資金を活用した場合でも返還などの負担が生じない仕組みを設ける考えだ。7月1日に医療法施行規則が改正されたことにより、療養病床から介護老人保健施設への転換を目的にした経過型類型が創設された。しかし、医療施設近代化施設整備事業などで資金調達した場合にあっては、別用途に使用できないことになっており、転換の障害になっていた。
介護職の労働実態 訪問介護職員の半数以上が非正社員
〜介護労働安定センター調べ
介護労働安定センターは、このほど、「平成17年度介護労働実態調査結果」を公表した。
これによると、介護労働者の就業形態は、全体でみると、正社員が53.1%、非正社員が44.3%とほぼ半分であるが、これを職種別に見ると、訪問介護員は、正社員は、21.7%と少なく、非正社員が72.7%、一方、介護職員は、正社員61.5%に対し、非正社員は37.5%と逆の結果となった。
また、勤務形態別では、常勤労働者が63.1%、短時間労働者が34.1%。職種別にみると、訪問介護職員では、常勤労働者が28.1%、短時間労働者が68.4%、一方、介護職員での常勤労働者は77.4%に対し、短時間労働者は20.8%であり、訪問介護職員については、「登録型」の職員の多さが伺える。
同調査は、2005年11月〜12月に介護事業所10,000ヵ所を対象にアンケート調査を行い、2,000ヵ所より回答を得た。
「認定こども園」の指定基準に関する国の指針(案)明らかに
〜施設整備等一部緩和
幼稚園と保育所を一元化した総合施設「認定こども園」を整備するための「認定こども園設置法」が成立し、今年10月から本格的に導入される。その指定基準は、国の指針を基に都道府県が条例で定め、その基準を満たす施設を都道府県が「認定こども園」として認定する。認定されると、幼稚園の場合子どもを預かる時間を8時間まで延長できるようになり、保育所の場合は共働き世帯ではなくても子どもを入所させることができる。
認定こども園は地域の実情に応じて、「幼保連携型」「幼稚園型」「保育所型」「地方裁量型」の4タイプがある。幼稚園でも保育所でもない第三の施設類型としてではなく、その果たすべき機能に着目して幼稚園や保育所などがその法的位置づけを保持したまま、認定を受ける仕組みだ。
同指針案では、「認定こども園」では、幼稚園と保育所の両最低基準を満たすことを原則としながらも、職員資格や施設整備の制限を一部緩和されている。
■幼保連携型設置の社福は学校法人化措置義務の対象外に
認定こども園の設置促進や円滑な運営を図るための特例措置が講じられる。その一つとして、幼稚園の施設整備費及び運営費は原則学校法人のみが助成対象とされ、学校法人以外の主体が助成を受けた場合には、私立学校振興助成法に基づき、学校法人化が義務づけられるが、認定こども園である幼保連携施設を構成する幼稚園及び保育所を設置する社会福祉法人については、学校法人化措置義務の対象外とし、社会福祉法人のまま、当該幼稚園について助成を受け続けることができるものとする。
また、保育所の施設整備費は、社会福祉法人等のみが助成対象とされているが、認定こども園である幼保連携施設を構成する幼稚園及び保育所の設置者が同一の学校法人である場合には、当該学校法人も助成対象とする。
[お知らせ]8月に全国地域リハビリテーション研究会の研修大会
全国地域リハビリテーション研究会は8月26日(土)、「介護予防マネジメントとリハビリテーション機能〜地域包括支援センターが成果をあげるために〜」をテーマに、茨城県つくば市の国際会議場エポカルつくばで、研修大会in茨城2006を開く。詳細は以下の通り。
▼日程:2006年8月26日(土)
▼会場:国際会議場エポカルつくば(茨城県つくば市)
▼参加費:同研究会会員 5,000円、会員外 6,000円、
前夜祭 4,000円、懇親会費 5,000円。
▼内容:
《基調講演》
「在宅介護支援センター方式の地域包括支援センターとリハビリテーション機能」
(医療法人堀尾会熊本託間台病院理事長・院長 堀尾 愼彌 先生)
《ランチョンセミナー》
「茨城型地域ケアシステムと地域包括支援センター」
(茨城県立健康プラザ管理者 大田 仁史 先生)
「茨城県の地域包括支援センターの現況」 (茨城県高齢福祉課 長寿社会担当)
《シンポジウム》
「地域包括支援センターが成果をあげるための介護予防マネジメントとリハビリテーション機能」
▼問合せ:研修大会事務局(筑波記念病院リハビリテーション部内)
TEL029-864-1212、FAX029-877-4688。URL http://www.tsukuba-kinen.or.jp/ |
環境問題を考える仕組みをISO14001取得で構築
〜先駆的福祉経営事例
東京都青梅市にある社会福祉法人徳心会の総合福祉施設「あゆみえん」は2006年3月、東京都の高齢者福祉施設として初めて、環境管理の国際規格であるISO14001(以下、環境ISO)の認証を取得するなど、環境活動に積極的に取り組んでいる。同施設が環境ISOに取り組み始めたのは、2005年5月。徳心会の関根得太郎理事長は、この取り組みについて、「収入に限りのある介護事業では、いかにムダなコストを削り、良質なサービスを提供するかが重要であり、職員みんなで取り組むため、節約を仕組みとして取り入れようと環境ISOの導入を決めた」と語る。
■品質ISOとの相乗効果も期待
環境ISO推進委員会が立ち上げられ、現場スタッフを対象に勉強会をする一方で、環境マニュアル作成していった。すでに同施設は、ISO9001(以下、品質ISO)を取得しており、環境ISOの導入による相乗効果を期待した側面もあった。委員会のリーダ青木章さんはこのことについて、「品質ISOが定着しないなかでの導入に、当初は抵抗がった。しかし、福祉施設での環境ISOの取得はまだ珍しいため、『他とは違うことをやっている』という実感等がモチベーションにつながり、同じ仕組みの品質ISOの浸透も進んだように感じる」と語る。
■地道な積み重ねが大きな成果に
活動から1年。日々の地道な活動の積み重ねにより、生ゴミ量、紙おむつ使用量など8つの項目で、平均1.5%のマイナスになった。
一連の取り組みについては、施設外にも積極的にPR。その成果もあり、業者や地域住民からアイドリングやゴミの分別を注意されるなど、周囲の目が厳しくなっており、職員への緊張感へとつながっているという。こういった環境活動について、山田園長は、「環境に優しくすることと、高齢者に優しくすることは、同じ。また、公共性が高いといわれている社会福祉施設において環境活動に取り組まない施設は、今後存続していくことは難しいだろう」と考える。同施設のように、社会問題への対応を通じて、施設の運営そして、職員の質の向上を高めるといった多角的な視点をもつことが今後施設を存続させていくうえで重要となるのだろう。
本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン8月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)
MMPG提供

|