制限回数は医療保険と介護保険の給付を合算した回数で考慮
〜月途中で要介護となった場合の扱い
厚生労働省老健局老人保健課と保険局医療課が4月28日付けで発出した「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」のなかで、同省は医療保険における在宅医療と介護保険における指定居宅サービスに関する留意事項を6点提示した。このうち、月の途中で要介護者被保険者等となる場合等は、「要介護被保険者等となった日から、同一の傷害または疾病等についての給付が医療保険から介護保険へ変更されることとなるが、1月あたりの算定回数に制限がある場合(医療保険における訪問歯科衛生指導と介護保険における歯科衛生士が行う居宅療養管理指導の場合の月4回など)については、同一保険医療機関において、両方の保険からの給付を合算した回数で制限回数を考慮する」としている。
また、訪問看護に関しては、「介護保険における訪問看護ステーションからの訪問看護を受けている者の急性増悪等により、特別指示書に係る指定訪問看護を受ける場合の給付は、医療保険から行われるものであるが、この場合において、訪問看護管理療養費の加算である24時間連絡体制加算及び重症者管理加算並びに訪問看護情報提供療養費については、算定できないものである。ただし、介護保険の訪問看護において緊急時訪問看護加算を算定していない場合における24時間連絡体制加算については、この限りでない」としている。
さらに、リハビリテーションに関しては、「要介護被保険者等である患者であって、特定施設入居者生活介護又は地域密着型特定施設入居者生活介護の受給者及びグループホームの入所者以外のものに対して行うリハビリテーションについては、介護保険における指定通所介護又は通所リハビリテーションを行った日以外の日に限り、医療保険に疾患別リハビリテーション料を算定できるものである」としている。
■1病棟内で届け出る看護師配置基準が異なることも
医療保険適用と介護保険適用の病床を有する保険医療機関について、1病棟を医療と介護に分けた場合、各保険適用の病床ごとに1病棟すべてを当該保険の適用病床とみなした場合に満たすことのできる看護師等の配置基準に係る入院基本料など(医療療養病床の場合は療養病棟入院基本料、介護療養病床の場合は療養型介護療養施設サービス費など)を採用することとした。このため、1病棟内で医療療養病床と介護療養病床とで、届け出る看護師等の配置基準が異なることもあり得るとした。また、夜勤体制は病棟ごとに届け出を行うことが可能だが、1病棟内に医療療養病床と介護療養病床とに分ける場合には、各保険適用の病床ごとに1病棟すべてを当該保険の適用病床とみなした場合に満たすことのできる夜勤体制を採用する。
さらに、要介護被保険者等である患者に対し算定できる診療報酬点数表に掲げる療養についても提示。下記に一部を抜粋している。
| 区分 |
入院中以外の患者 |
老健*3 |
介護老人福祉施設又は地域密着型介護老人福祉施設
(特養ホーム)*4 |
| 自宅*1 |
有料ホーム*2 |
認知症対応型グループホーム
(認知症対応型共同生活介護又は介護予防認知症対応型共同生活介護) |
特定施設入所者
(特定施設又は地域密着型特定施設) |
| 在宅医療 |
往診料 |
○ |
○*5 |
「特別養護老人ホーム等における療養の給付(医療)の取扱いについて」を参照 |
| 在宅患者訪問診療料及びターミナルケア加算(在宅療養支援診療所の場合) |
○ |
○(末期の悪性腫瘍である患者に限る) |
× |
| 在宅患者訪問診療料及びターミナル
ケア加算(上記以外) |
○ |
× |
× |
| 在宅時医学総合管理料 |
○ |
○
(特別な関係の医療機関では算定できない) |
○
(末期の悪性腫瘍の患者に対し、在宅療養支援診療所の保険医が定期的に訪問診療等を行う場合に限る) |
× |
| 在宅末期医療総合診療料 |
○ |
○
(特別な関係の医療機関では算定できない) |
× |
× |
| 在宅患者訪問看護・指導料 |
○
(末期の悪性腫瘍等の患者及び急性増悪により一時的に頻回の訪問看護が必要である患者に限る) |
× |
| 在宅患者訪問薬剤管理指導料 |
× |
× |
| 在宅訪問リハビリテーション
指導管理料 |
× |
× |
| 在宅患者訪問栄養食事指導料 |
× |
× |
| 歯科 |
訪問歯科衛生指導料 |
× |
○ |
○ |
| 在宅患者訪問薬剤管理指導料 |
× |
○ |
○
(末期の悪性腫瘍の患者に対し、在宅療養支援診療所の保険医の指示に基づき実施した場合に限る) |
| 老人訪問口腔指導管理料 |
× |
○ |
○ |
*1 短期入所生活介護、介護予防短期入所生活介護、短期入所療養介護又は介護予防短期入所療養介護を受けているものを除く
*2 特定施設入居者生活介護以外
*3 短期入所療養介護又は介護予防短期入所療養介護を受けているものを含む
*4 短期入所生活介護又は介護予防短期入所生活介護を受けているものを含む
*5 併設でない保険医療機関の場合は算定可、併設の場合は算定不可
平成23年度末までに入所者の1割を地域生活へ移行
〜障害福祉計画の数値目標
厚生労働省は11日に開催された全国障害福祉計画担当者会議の中で、障害者自立支援法の施行に伴い市町村・都道府県が策定する障害福祉計画におけるサービス見込量を算出するための基本的な考え方を示した基本指針案をまとめた。
この中で、地域生活や一般就労への移行を進める観点から、サービス見込量については現行の施設サービスが新しいサービス体系への移行を終了する平成23年度を目標年度として、以下の数値目標を設定することが求めている。
(1)平成23年度末までに現在の入所施設の入所者の1割以上が地域生活に移行するとともに、これにあわせて、平成23年度末時点の施設入所者数を7%以上削減することを基本としつつ、地域の実情に応じて目標設定すること。
(2)平成24年度までに精神科病院の入院患者のうち「受け入れ条件が整えば退院可能な精神障害者」の解消をめざす。これにあわせて、平成23年度における退院可能精神障害者数の減少目標値を設定するとともに、医療計画における基準病床数の見直しを進める。
(3)平成23年度中に福祉施設から一般就労に移行する者を現在の4倍以上とすることをめざすとともに、これにあわせて、福祉サイドにおける就労支援を強化する観点から、就労継続支援利用者のうち、三割雇用をめざす。
上記の目標等を提示した基本指針は、今月末に告示する予定だ。
第3期の第1号保険料は24.2%の4090円に
〜全国最高の北海道鶴居村は19.9%引き下げ
厚生労働省は平成18〜20年度の第3期計画期間における第1号保険料(確定額)は4,090円で、前期に比べ24.2%増となることを明らかにした。都道府県別で最も高いのは沖縄県の4,875円、最も低いのは茨城県の3,461円だった。
市町村別での最高額は沖縄県与那国町の月額6,100円、最低額は岐阜県七宗町の2,200円。また、第3期における保険料段階別の保険者数は、6段階が1,361保険者で全体の81.1%を占めた。10段階も5保険者あった。これら結果は、介護サービス利用の年々増加により、総費用が介護保険制度開始時に比べ2006年度(予算ベース)で7兆1,000億円となっている影響が大きい。
「栄養ケアマネジメントは食事ケアマネジメント」
〜三浦老人保健課長が考え示す
厚生労働省老健局の三浦公嗣老人保健課長はさきごろ東京都内で講演し、「栄養ケアマネジメントは、好きなものをできるだけ食べてもらう、いわば食事ケアマネジメントだ」と、低栄養の有無にこだわらず高齢者すべてが食事をするためのマネジメントだと強調し、低栄養でなくてもリスクがあれば算定できると述べた。栄養改善の重要性について、同課長は「高齢者の楽しみは食べること。サプリメントを与えても栄養改善にはなるが、食べる楽しみと結びついているだろうか」と、単に栄養を与えるだけではなく本来の食の楽しみを取り戻すことが重要と指摘。そこで今改定で採用した栄養ケアマネジメントは、診療報酬改定では盛り込まれなかったNST(栄養サポートチーム)を先取りした形として「食べたいものを食べてもらうものだ」と考えを示した。
[お知らせ]6月23・24の両日全国老人デイ・ケア研究大会2006開催
全国老人デイ・ケア研究大会2006が6月23・24の両日、長野県の軽井沢プリンスホテルで開かれる。「考えよう地域のみなさんが求めるデイ・ケア(通所事業)」をテーマに、パネルディスカッションや事例発表が行われる。事前申し込みは5月31日まで。詳細は以下の通り。
▼日程:2006年6月23日、24日
▼会場:軽井沢プリンスホテル(長野県北佐久郡軽井沢町)
▼内容:パネルディスカッション「モバイルデイ・ケアの試行事業から」
記念講演「高齢者ケアは“魂への心くばり”」鎌田實・諏訪中央病院名誉院長
基調講演「介護保険とデイ・ケア(通所事業)のこれから」
三浦公嗣・厚生労働省老健局老人保健課長
講演「認知症のリハビリテーション」
平井基陽・全国老人保健施設協会理事、介護老人保健施設鴻池荘理事長
事例発表「デイ・ケアにおける介護予防」/「中・高度介護のデイ・ケア」
「認知症のデイ・ケア」/「デイ・ケアにおける短期集中リハ」など
▼参加費:受講料は1人16,000円(資料代込み)(受講料には昼食代は含まれません。)
▼定員:両会場とも200名
▼問合せ:同機構企画指導部経営指導課 (TEL03-3438-9932、FAX03-3438-0371) |
前号3頁目掲載のリハの通知について、厚労省より修正通知が発出されましたので、前号0270修正致しました。
修正箇所:4月5日〜4月14日(誤15日) 4月15日(誤16日)〜6月14日(誤15日)6月15日(誤16日)以降となっております。 |
首都圏初のワンルームタイプで価格的な優位性を打ち出す
〜先駆的福祉経営事例
全国17都府県に「アミーユ」ブランドで112施設の有料老人ホームを展開している株式会社メッセージ(本社=岡山県岡山市)は、東京都小平市に首都圏初となる居室内にバス・ミニキッチンを備え付けたワンルームタイプの介護付有料老人ホーム「アミーユレジデンス新小平」を入居金一時金無料で開設した。
定員51名の同施設は、敷地面積約2,132u、鉄骨造り3階建てで、土地建物を20年契約で賃借し、同社が運営する方式。月額利用料は18万8,250円(30日の場合)で、介護保険自己負担分、居室電気代等を加えても、1ヵ月あたりの総額は23万円前後。有料老人ホームの開設ラッシュが続く激戦状態が続く都内にあっても、価格的にかなり優位性を打ち出せることになる。
■家族の滞在時間も長くなる扉2枚を隔てた居室空間
同施設は、すべての個室にユニットバスやミニキッチン、トイレ、洗面台があり、居室とは扉で仕切られており、共有スペースや廊下など他の入居者と関わる空間と、扉を2枚隔てて静かに過ごすプライベート空間が分かれている。これにより、施設を訪れた入所施設の家族が居室に滞在する時間が長くなる傾向にあるという。また、入居者本人や家族と生活援助について相談したうえで、個別ケアプランを作成。スタッフの指示書に連動させることで、個室で暮らす入居者に「オーダーメードケア」を提供する方針を貫いている。
■有名料理学校のレシピ監修で開発された新メニューを提供
同施設のもうひとつの特徴は、食事だ。同社の子会社である株式会社シーケーフーヅが配食する「デリパック」を提供。冷凍パック、チルドパックなので、衛生的かつ効率的に調理ができる。メニューは辻学園、辻クッキングスクールと提携し、レシピ監修を受けている。また、新メニューの開発は入所者の試食も行い、1ヵ月ごとに入居者の評価を集計するという徹底振りだ。
さらに、協力医療機関、提携する協力薬局を通じた医療体制、入所者と家族の旅行企画など、生活全般のサポートを行っている。激戦状態が続く首都圏において、新たな介護サービスの提供体制として、ワンルーム・入居一時金無料というビジネスモデルを打ち出した同施設の経営の今後動向に注目したい。
本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン6月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)
MMPG提供

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