介護保険適用の「高齢者マンション」は各戸25u以上
〜全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議
4月の介護保険法改正では、高齢期の住み替えニーズに対応し、自宅や施設以外の多様な住まいの選択肢を用意する観点から、介護保険の対象となるケア付き高齢者居宅施設である特定施設の範囲拡大を図ることとしたため、特定施設にいわゆる高齢者用のケア付きマンション(高齢者専用賃貸住宅)が加えられこととなった。高齢者専用賃貸住宅で特定施設になる場合は、1室あたりの広さなどの要件をすべて満たし、都道府県知事に届け出る必要がある。要件は(1)各戸の床面積が25u(居間、食堂、台所等が共同利用のため十分な面積を有する場合は18u)以上であること、(2)各戸に台所、水洗便所、収納設備、洗面設備及び浴室を備えること、ただし、共同利用のための適切な台所、収納設備又は浴室を有する場合には、台所、収納設備、浴室を備えなくてもよい、(3)前払い家賃を徴収する場合には、高齢者居住法に基づく保全措置を講じていること、(4)居住者に対して、介護、食事の提供、洗濯、掃除等の家事、健康管理のいずれかのサービスを提供している高齢者専用賃貸住宅であること―の4つとなっている。
有料ホームと高齢者専用賃貸住宅の比較
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有料ホーム |
高齢者専用賃貸住宅(適合型)
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根拠 |
老人福祉法の届出 |
高齢者居住法の登録
(介護保険部局への届出) |
入居契約 |
自由 |
賃貸契約 |
一時金の保全措置 |
有り |
定員 |
1人以上 |
居室面積 |
13u以上 |
18u以上(条件付) |
サービス |
食事の提供、介護、家事、健康管理のいずれかを提供している場合 |
特定施設の指定 |
○ |
(出典:平成18年3月17日付け シルバー新報)
■地域介護・福祉空間整備交付金の限度額引下げ
厚生労働省は、平成18年度の地域介護・福祉空間整備等交付金の見直しを行う考えを明らかにした。平成18年度の市町村交付金の内訳は、(1)地域介護・福祉空間整備交付金(ハード交付金)、(2)先進的事業支援特例交付金、(3)地域介護・福祉空間推進交付金(ソフト交付金)となっている。
このうち、地域介護・福祉空間整備交付金は、日常生活圏域を単位とした最長3カ年の面的整備計画に助成する交付金だが、平成17年度よりも協議数が格段に増加することが想定されるため、市区町村間の公平に留意しつつ、より多くの計画を採択できるようにすることができるよう、3つの条件を設ける見込み。その要件とは、(1)各市区町村の65歳以上人口の規模に応じた協議枠を設定する、(2)1計画当たりの交付限度額を7,000万円に引下げる、(3)計画が複数年度にわたる場合、初年度の進捗率は原則として50%以上とする――となっている。また、協議があった各計画については、採択指標による評価を行い、予算の範囲内で評価の高い順に採択するとしている。
先進的事業支援特例交付金については、市区町村全域を単位とし、毎年度、地域介護・福祉空間整備交付金の計画とは別に作成する整備計画に対し交付するものとしている。この交付対象事業としては、既存の特別養護老人ホームを個室・ユニット化するための改修事業や、緊急ショートステイ居室の整備事業などを予定。このほか、介護療養病床を老人保健施設等に転換整備する事業なども対象とすることを検討中だ。
地域介護・福祉空間推進交付金については、対象事業の内容を地域介護・福祉空間整備交付金の市町村整備計画に記載することとし、予算の範囲内で、地域介護・福祉空間推進交付金と一体的に採択することを基本とする。対象事業としては、夜間対応型訪問介護の事業のために必要な設備等を整備する事業や高齢者と障害者や子供との共生型サービスを行う事業などを検討している。
介護療養の3割は医療療養へ転換希望
〜日本療養病床協会が調査
日本療養病床協会は、今年2月、6年後に介護療養病床が廃止されることがほぼ決まったこと受け、会員の考え方を調査する「今後の病床運営に関するアンケート」を行った。同アンケートは、日本療養病床協会が会員663病院に対し実施。回答率は63%で417病院が回答した。
同調査の結果、介護療養型医療施設の28.1%は医療療養病床への転換を希望。また、老人保健施設への転換は、10.8%が望んでいる。ただ、「検討中又はわからない」への回答が6割を超えていることから、医療保険への転換がさらに増加する可能性もある。
経過型介護療養 報酬の諮問・答申は6月頃
〜介護給付費分科会
厚生労働省は9日、社会保障審議会介護給付費分科会に対し、現在国会で審議されている健康保険法等一部改正案のうち、療養病床の再編について説明し、理解を求めた。しかし、委員からは介護療養病床廃止によって、在宅医療が重視されることに伴い家族の負担が増えるとして、その軽減の実現を図るべきとの意見が相次いだ。同法案はすでに国会で審議中となっているが、これが成立後、経過型介護療養型医療施設は介護報酬に類型として盛り込まれる見通し。6月頃をめどに介護給付費分科会に基準や単位数が諮問されることになりそうだ。
「療養入院患者の行き先が減ることはない」
〜礒部老健局長
礒部文雄老健局長は13日の課長会議で、療養病床の再編成について、「積年の課題が解決に向け一歩進んだ」とするとともに、「療養病床は改修せずに老健に転換でき、(入院患者などの)行き先が減ることはない」と、入院患者の受け入れに支障はないとの見方を提示。その上で、医療療養病床は引き続き残ることや、医療機関への転換に向けての支援措置を設けることを周知するよう要請した。
医療法人の附帯業務に介護予防サービス事業追加へ
〜厚生労働省
厚生労働省は改正介護保険法で4月から新予防給付などが開始することに伴い、医療法人の附帯業務を見直す方針を固めた。既に受け付けたパブリックコメントを参考にしながら最終的に決定する。
附帯業務に加える「保健衛生に関する業務」は、▼介護予防サービス事業、▼介護予防支援事業、▼地域密着型サービス事業、▼地域支援事業、▼保健福祉事業―の5事業。このうち、介護予防サービス事業については、▼介護予防訪問入浴介護、▼介護予防訪問看護(訪問看護ステーションのみ)、▼介護予防特定施設入居者生活介護(ケアハウスのみ)、▼介護予防福祉用具貸与、▼特定介護予防福祉用具販売――を保健衛生に関する業務とし、介護予防訪問リハビリテーションなどは「本来業務」に位置づけた。
また、「医療法人が行うことができる社会福祉事業」に関する告示に、老人福祉法にいう「小規模多機能型居宅介護事業」を追加し、小規模多機能型居宅介護や介護予防小規模多機能型居宅介護といった地域密着型サービスも行えるようにする。なお、介護保険法における「介護予防サービス」、「地域密着型サービス」、「地域密着型介護予防サービス」のうち以下の新規サービスは、それぞれ既存の大臣告示の各事業に含まれることとする。
▼老人居宅介護等事業…夜間対応型訪問介護、介護予防訪問介護
▼老人デイサービス事業…認知症対応型通所介護、介護予防通所介護―など
▼老人短期入所事業…介護予防短期入所生活介護
▼認知症対応型老人共同生活援助事業…介護予防認知症対応型共同生
また、4月の障害者自立支援法の施行に伴い「障害福祉サービス事業」を追加する。
介護保険の被保険者拡大へ 検討始まる
〜初会合では賛否両論相次ぐ
厚生労働省は介護保険の被保険者・受給者の範囲の見直し作業を始めた。今回の見直しは、改正介護保険法の附則の中で、被保険者と受給者の範囲について社会保障制度全般の見直しに合わせて検討し、2009年度に所要の措置を講じると定められたことを受けてのもの。2009年度の次期介護報酬改定時に、被保険者を40歳未満に引き下げるとともに、障害者などの若年層を受給者に加えたい考えだ。しかし、対象拡大の議論はこれまでにも社会保障審議会介護保険部会の中で行われたものの厚労省と委員が対立し、結局両論併記となった経緯がある。6日の有識者会議でも賛否両論が相次ぎ、調整には時間がかかりそうだ。
見直し作業を行うのは老健局長と社会・援護局長、障害保健福祉部長3局部長の私的検討会「介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議」。2カ月に一度のペースで会合を開き、有識者調査や関係者ヒアリングなどを実施した上で、2006年度中に結論を出す。
新しいニーズに応えながら、制度リスクを抑える事業へシフト
〜先駆的福祉経営事例
大阪府西淀川区にある有限会社介護サービスセンターは、1999年に福祉用具の販売を目的に設立した。現在では訪問介護やヘルパー養成事業など、多彩な事業を展開し、在宅介護サービスの拠点として地域住民が信頼を寄せている。このような中、同社は紙おむつの無料配達を実施している。このサービスを展開した経緯について、同社代表取締役の片桐瞳氏は、「紙おむつは重くかさばるため、高齢者が買い物をして持ち運ぶにはとても不便であるうえ、おむつを装着しているというプライバシーの問題や周囲の視線を考慮し、無料配達サービスを開始した」と語る。現在では、紙おむつの1ヶ月の注文が40件〜50件になる場合もあり、象徴的なサービスのひとつとなっている。
■将来的なニーズをとらえ民間救急搬送サービスに着手
同社では、2002年に介護タクシーのサービスを開始し、その後、除々に全国的にもニーズが高まっている民間救急搬送サービスにも着手した。民間救急搬送サービスを実施していく場合、大型車両の購入費に加え、各種検査機器の費用を合算すると、1台あたり約500万円のコストが必要になるという。同サービスについて片桐氏は、現段階での利用状況は1ヶ月2〜3件であるが、介護タクシーが頭打ちの状態であるのに比べて、民間救急搬送サービスはまだまだ需要が増えると考えており、主要な事業のひとつとしていく方向だという。
■制度改定に対し、自主事業に経営をシフト
同社の介護保険サービスにおける1ヶ月間の利用者件数は、居宅介護支援サービスが150件、訪問介護サービス70件程度で、訪問介護サービスの収益で人件費を捻出している。しかし、介護保険改定後以降からは、従来どおり介護保険事業を継続しつつも、民間救急搬送サービスなどの自主事業にシフトしていく。さらに、栄養改善や口腔機能向上など、予防給付の加算を狙う事業者の職員を対象に、「健康維持増進コーディネーター」の養成講座を開始していくという。介護保険改定により、介護保険による報酬が変動していく中で、同社のように、将来ニーズを的確に捉え、事業として展開していくことは、福祉経営にとっても重要なことと言える。
本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン4月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)
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