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月刊福祉経営情報



2006年01月号

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民主党の修正要求に対して与党は結論を出さず

〜介護保険法改正案、委員会採決は持ち越し

衆院厚生労働委員会の長勢甚遠与党筆頭理事と五島正規野党筆頭理事は20日、介護保険法改正案に対して民主党が19日に示した修正要求への対応を協議したが、与党側の回答は示されず結論が出なかった。与党側は、22日の委員会で採決を求める考えだったが、来週以降に持ち越しとなった。
今回、民主党が出した法案修正要求は、(1)被保険者・受給者の範囲について法案付則に「拡大実施」の文言を入れる、(2)市町村が行う地域支援事業で権利擁護事業を必須事業とする、(3)予防給付の費用対効果が現段階で不明確なため施行後にその再検討を政府に義務付けるとした新予防給付の見直し規定を付則に設ける――の3点。そのうち(1)について与党側は、強い難色を示し、付帯決議や大臣答弁で対応したい意向を示した。


民主党議員から介護予防の「効果が不明確」と批判が続出

〜衆議院厚生労働委員会

衆院厚生労働委員会は20日、介護保険法改正案に対する審議の中で、19日に厚生労働省が提出した介護予防市町村モデル事業の中間報告をめぐり、民主党など野党議員から「効果が不明確」などの指摘が相次いだ。中間報告によると筋力トレーニングでは、心身の改善に効果があったが、トレーニング後の要介護度を判定した結果では、筋力トレーニングをする以前よりも状態が悪化した人が16.3%いたことなどが明らかになっている。
しかし、尾辻秀久厚生労働相は同日の審議の中で介護予防モデル事業の結果について「介護予防に一定の効果を発揮することが示唆された」との認識を示した。さらに今後は、モデル事業に参加した市町村から、対象者の選定方法やスタッフの確保、参加を中断した者の理由等について意見を求め、効果的な事業実施方法を検討する見通しだ。
一方、西博義厚労副大臣は、モデル事業の課題について、▼安全面の課題、▼コストの問題、▼利用者の意欲の問題、▼効果の持続性――の4点を示し、モデル事業でみえてきた課題をサービス内容として解決していくこととした。しかし野党議員からは、今回のモデル事業の結果を受けて「参加者が体調を崩した責任を国がとれるのか」「悪化するケースがあるような事業を保険で提供することは問題」等といった批判が相次いだ。


介護予防市町村モデル事業における生活機能・QOL等に関する評価の中間報告を発表

〜厚労省

厚生労働省は19日、昨年度69市町村で実施された介護予防市町村モデル事業の生活機能・QOL等に関する評価の中間報告を発表した。今回発表された中間報告は、現段階で報告が出ている48市町村の結果をまとめたものだ。介護予防市町村モデル事業では、▼筋力向上(マシンの使用有無に類型化)、▼栄養改善、▼口腔ケア、▼閉じこもり予防、▼フットケア――のプログラムが設定されており、この中間報告では、各プログラムと要介護度、年齢、基礎疾患別に、▼要介護認定項目、▼身体機能に関する項目、▼生活機能・QOLに関する項目――について統計解析を行い、その結果を分析している。
このうち筋力向上におけるプログラムの参加者については、マシン使用者が303人(うち中断者38人)、マシン不使用者が82人(同26人)で、計385人。マシン使用者の要介護度の状況については、要支援が125人、要介護度1が158人、要介護度2が20人であった。
同報告書では、筋力向上における解析結果について、要支援でマシンを使用した者では、要介護認定項目における移動や複雑動作、身の回りや意思疎通などといった要介護認定項目の全項目において、参加前の測定値と比較して有意な差があった。また、要介護認定項目において「改善」「維持」「悪化」した傾向の中で「悪化」した者の割合は、2.4%から10.6%で、概ね維持・改善した割合の方が高い結果となった。
また、身体機能に関する項目についは、10m最大歩行速度や長座位体前屈、左右の握力などといった11項目中8項目において、参加前の測定値と比較して有意な差があった。「改善」した者の割合は、35.4%から75.8%と項目別の差が大きく、「悪化」した者の割合は、17.9%から35.4%と項目別の差は少なかった。一方、生活機能・QOLに関する項目については、身体機能や全体的健康感、活力や心の健康などといった9項目中5項目において、参加前の測定値と比較して有意な差があった。また、「改善」した者の割合は、25.0%から69.8%と項目別の差が大きく、「悪化」した者の割合は、14.6%から32.6%と項目別の差は少なかった。
しかし、一部の市町村からは、QOL等における評価の指標や高齢者自身が評価することについて「QOLの評価には本人の主観が強く反映し、効果測定として疑問が残る」ことや「改善度合いが評価に表れにくい」などの課題があげられているほか、多くの市町村からは「高齢者にとって回答すること自体が困難」といった、調査方法に対する指摘もあった。


グループホームの短期利用に関する規制緩和案を提示

〜厚労省

厚生労働省は12日に開催された全国介護保険担当者会議の中で、認知症高齢者グループホームの短期利用に関する規制緩和案を提示した。同案には、(1)認知症高齢者グループホームの短期利用事業の内容、(2)認知症高齢者グループホームの短期利用事業の位置付け――に関することが明示されている。
このうち、(2)認知症高齢者グループホームの短期利用事業の位置付けについては、認知症高齢者グループホームの短期利用事業を、一般の利用と同様に、老人福祉法及び介護保険法においても痴呆対応型老人共同生活支援事業及び痴呆対応型共同生活介護として位置付けている。このことから、同省では、認知症高齢者グループホームの短期利用事業についても、認知症高齢者グループホームの指定基準及び介護報酬を適用する。また、認知症高齢者グループホームの短期利用に係る介護報酬については、居宅介護サービス費区分支給限度基準額及び居宅介護サービス費種類支給限度基準額を基礎とする保険給付の制限を行うものとしている。
また同案は、昨年10月に募集が行われた構造改革特区第6次提案を受けたもので、5月9日から全国の自治体で特区認定申請が可能になる。さらに、同省は、緊急時の受け入れや、環境変化に敏感な認知症高齢者のための体験利用などに活用してもらいたい考えだ。


財政問題に関するシンポジウムを開催

〜財務省財務総合政策研究所

全国10カ所で財政問題に関する国民と大臣、副大臣、政務官の意見交換会を開催している財務省財務総合政策研究所は、6月6日(月)に財政問題に関するシンポジウムを東京の大手町サンケイプラザで開催する。なお当日は、谷垣禎一財務相や社会保障審議会の会長を務める貝塚啓明財務総合政策研究所名誉所長らが出席。また同シンポジウムでは、当日参加者からの質疑応答も予定している。同研究所は、来年度の予算編成に当たり、国民の意見を反映させる考えだ。参加希望の申し込みは、ホームページから。
http://www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/h17/bosyu_a.htm。


「認知症」の理解に対して情報発信し、支える地域づくりへ

〜有識者の組織が発足、7月に初会合

厚生労働省は、4月から2015年3月までを「認知症を知り地域をつくる10か年」と位置付けており、初年度となる本年度は、「認知症を知る1年キャンペーン」を実施する。同省では、まず認知症を正しく理解してもらうための情報発信を進めるため、認知症高齢者を地域で支える体制づくりに向けた有識者の組織を14日に発足させた。同日開かれた発起人会では、堀田力氏(さわやか福祉財団理事長)が代表に就任した。この新たに発足された組織では、組織の正式名称などを後日決定し、7月には初会合を開く予定だ。
また、今回発足した組織は、同省の旗振り役とされており、今後は地域医療の推進や介護サービスの質の向上、認知症ケアに精通したケアマネジャー等の介護分野における人材の育成などを進めていくとしている。

[お知らせ]全国宅老所・グループフォーラム研究交流フォーラム開催〜岡山勤労者総合福祉センター

宅老所・グループホーム全国ネットワークは、5月14日(土)10:20〜岡山県早島町の岡山勤労者総合福祉センターで「地域密着・小規模多機能ホームとは」と題したテーマで、フォーラムを開催する。このフォーラムでは、小規模多機能型居宅介護について、全国各地の先進的な実践事例からの報告を受けて、その意義や今後のあり方について考えていく。定員は400人、参加費は5,000円。問合せは、同ネットワーク(TEL:022-719-9248/FAX:022-719-9251)まで。宅老所・グループホーム全国ネットワークは、5月14日(土)10:20〜岡山県早島町の岡山勤労者総合福祉センターで「地域密着・小規模多機能ホームとは」と題したテーマで、フォーラムを開催する。このフォーラムでは、小規模多機能型居宅介護について、全国各地の先進的な実践事例からの報告を受けて、その意義や今後のあり方について考えていく。定員は400人、参加費は5,000円。問合せは、同ネットワーク(TEL:022-719-9248/FAX:022-719-9251)まで。


研究発表会を通じてスタッフの問題意識の芽を育み、質が向上

〜先駆的福祉経営事例

東京都東久留米市にある社会福祉法人マザアス特別養護老人ホーム「マザアス東久留米」は1995年に開設し、1997年より施設内研究発表会を年一回開催している。この施設内研究発表会には、家族会や地域住民等約100人も加わり、職員が業務上の問題意識を明確にし、質の向上に効果を発揮している。このような研究発表会を開催したきっかけについて同施設の理事長である高原敏夫氏は「日常業務に対して問題意識を持って取組み、自分たちの現場の中からテーマを見つけて、そのテーマについて研究しその結果を発表することは、何よりも学習の場になると思った」と語っている。また同施設では、研究発表を行う際、介護課や看護課など事業ごとに分かれている職員を4つのグループに振り分け、そして各グループで一つのテーマを設定し発表を行っている

■現場の視点に基づいた研究テーマを設定
これまで同施設の研究発表会の中で発表された主なテーマは「快適な車いすで生活を送ってもらうために〜間違いだらけのシーティング〜」、「サービスに対する意識の相違について〜利用者・家族・職員へのアンケートに基づき考察する〜」、「嗜好調査をいかした、利用者に望まれる食事づくり」等といった現場の視点に基づいたものとなっており、質の向上に直結するものばかりだ。例えば、同施設でシーティングに関する研究を発表した際は、利用者の座位が崩れていく様子をビデオカメラで撮影した後、クッションのあて方等を検討し、どうすれば座位が安定していくかを詳細に報告した。その結果、利用者の座位が安定し、自分で食事が摂れるようになるなどの効果があったという。

■日常業務に対する意識改革や利用者の気持ちの理解が向上
このような研究を発表することに対して、副施設長の小森雅子氏は「日常業務に対する職員の意識改革や入居者の気持ちの理解が進み、施設全体の質の向上に大きな効果をもたらす」と語っている。同施設では発表会を通じ、職員の意識改革を図るとともに、常に問題意識を持つ“芽”を育んでいる。同施設のように職員が進んで研究や勉強をしていくような環境を作ることは、問題意識が明確になり、組織の質が向上していくことに繋がるのではないだろうか。


本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン12月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)

MMPG提供


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