介護予防サービスにおける報酬設定の考え方を示す
〜厚生労働省
厚生労働省は、12日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長・大森彌東京大学名誉教授)の中で、介護予防サービスにおける▼通所系サービス、▼介護予防訪問介護、▼介護予防福祉用具貸与(販売)――の各サービスの報酬設定や基準設定などについての考え方を提示した。
このうち、通所系サービスの報酬設定については、日常生活上の支援などの「共通的サービス」と運動器による機能向上や栄養改善などの「選択的サービス」に類型化し、各サービスにおいて、月単位の定額報酬とする方向性を示した。その際、利用者に対して過小なサービス提供とならないように配慮することと付け加えた。共通的サービスにおいては、要支援1と要支援2で利用者の状態が異なることから報酬水準を変えていくこと、選択的サービスにおいては、運動器による機能向上や栄養改善などの「新たなメニュー」と通所介護で実施されていた「アクティビティ等」とのどちらかで評価していくことを示した。また、目標の達成度に応じた介護報酬の設定についても導入していく考えを示し、その場合は事業所全体の質を評価する観点から、事業所単位で評価していくとした。
一方、通所系サービスにおける人員や設備・運営基準の設定については、現行の通所介護や通所リハビリテーションの人員・設備基準と同様の基準とする方向性を示した。
また、介護予防訪問介護の報酬設定についても、現行の時間単位の報酬体系を見直して月単位の定額報酬とすることとした。その場合、利用者の状態やサービス利用の実態等を踏まえて、数段階での定額化を検討していくとし、サービス区分については、現行の「身体介護」と「生活援助」という区分を一本化していく方向性を示した。
さらに、介護予防訪問介護の人員、設備及び運営基準については、現行の訪問介護の人員・設備と同様の基準とする考えだ。
一方、介護予防福祉用具の貸与については、定期的に該当する福祉用具の必要性や適切性を見直すこととし、福祉用具の販売については、福祉用具専門相談員の配置を義務付ける考えを示した。さらに、利用者の状態から見て使用が想定しにくいとした福祉用具について、厚労省は、原則として保険給付の対象としないこととしたが、個別のケアマネジメントを経て必要と認められるものについては例外的な対象とする考えだ。また、同省は、利用が想定しにくいとされている福祉用具について、▼要支援の場合では車いす及び車いすの付属品や特殊寝台及び特殊寝台の付属品、▼要支援と要介護1では床ずれ防止用具や体位変換器、移動用リフト――をあげた。
小規模多機能の登録者数は25人程度へ
〜厚生労働省
厚生労働省は、12日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会の中で、地域密着型サービスにおける▼小規模多機能型居宅介護、▼夜間対応型訪問介護、▼地域密着型介護老人福祉施設、▼地域密着型特定施設入居者生活介護、▼認知症対応型共同生活介護、▼認知症対応型通所介護――といった各サービスの報酬設定や基準設定などについての考え方を提示した。
このうち、小規模多機能型居宅介護については、通所を中心として、利用者の様態やニーズなどに応じ、訪問や泊まりを組み合わせてサービスを提供していくこととした。さらに、在宅での生活の継続性を支援する観点から、サービスの対象者としては中重度の利用者を中心にしていく考えを示した。
また、報酬設定については、標準的なサービス量を設定し、要介護度別に月単位の定額報酬とすることとした。さらに、支給限度額の範囲内で併用できるその他の居宅サービスについては、訪問看護や訪問リハビリテーションなどを想定している。
一方、小規模多機能型居宅介護の基準設定については、1事業所の登録者数を25名程度と設定し、職員の配置については「通い」「訪問」「泊まり」といった区分別の固定配置とはせずに、柔軟な業務遂行が可能となるような人員配置とすることとした。具体的には、日中の介護・看護職員については利用者3名に対して職員が1名と訪問介護対応の職員を1名とし、夜間については泊まりと夜間の訪問看護に対応するための職員を2名配置する考えを示した。
また、施設基準については、民家等の既存施設を活用し効率的なサービス提供を可能にする等の観点から、通所の利用者が活動する部屋及び食堂は1人当たりの面積を3u以上とし、泊まりについては1人当たりの面積が4.5畳程度でプライバシーを確保できるようにすることとした。さらに、利用者の囲い込みや地域から孤立した事業運営を防止するため、管理者等に対して研修の受講を義務付けることや、地域の関係者を集めて事業所の運営状況について協議・評価する場を設置する等の方向性を示した。
■夜間対応型訪問介護の訪問チームの中には看護職を配置
一方、夜間対応型訪問介護については、現在実施しているような定期的に巡回する「定期巡回サービス」や利用者のニーズに応じて随時対応する「随時訪問サービス」などを組み合わせるものとし、報酬設定については、サービス提供事業者が地域の実情に応じて、月単位・要介護別の定額報酬と訪問回数に応じた出来高報酬又は月単位・要介護度別の定額報酬のどちらかを選択できるようにする考えを示した。さらに、夜間対応型訪問介護の基準設定については、利用者の医療的なニーズにも対応していく観点から、必要に応じて、▼医療機関や訪問看護ステーションと連携を図ること、▼訪問チームに看護職を組み込むこと――とした。
[お知らせ]障害者施策経営セミナー開催 〜福祉医療機構
財団法人福祉医療機構は、11月17日(木)に障害者施設経営セミナーを開催する。この中では、障害者自立支援法(案)に関する概要を基盤に今後の障害者政策の動向を踏まえ、安定的な施設運営には何が必要で何が求められるのかを検討する。詳細は以下の通り。
▼日程:平成17年11月17日(木)10:10〜16:50迄(9:50〜受付開始)
▼会場:新霞が関ビルLB階「全社協・瀬尾ホール」
(東京メトロ「霞ヶ関」「虎ノ門」駅下車)
▼内容:「障害者施策の動向と施設運営の将来像(仮題)」
「施設運営の実践事例(仮題)」
「これからの障害者施設に求められるもの(仮題)
▼参加費:8,000円(資料代込み)
▼対象者:障害者施設を運営する法人理事長や施設長などの施設経営に携わる方
▼定員:250名(定員になり次第締め切り)
▼問合せ:同機構企画指導部経営指導課
(TEL:03-3438-9932/FAX:03-3438-0371)まで。
(URL/http://www.wam.go.jp/wam/gyoumu/keiei/main_02.html) |
目標達成度に対する評価の考え方を提示
〜厚生労働省
厚生労働省は11日、新予防給付の通所系サービスにおいては目標設定に対する達成度に応じて評価することから、社会保障審議会介護給付費分科会介護予防ワーキングチームに対して、「『目標の達成度に応じた評価の仕組み』について(案)」を提示した。同ワーキングチームは、同省が提示した資料を基に、評価の対象となる事業所の要件や目標の達成度に応じた評価に対する具体的な指標の設定方法等の考え方について議論した。このうち、評価の対象となる事業所について、同省は、現状の通所系サービス事業所では一日の利用実人員数が5人未満の事業所が約半数を占めていることから、事業者の年間利用実人員数のうち要支援1及び要支援2の利用者数が10名に満たない事業所は評価の対象としない考えを示した。さらに、同省は、介護予防の効果が明確な運動器の機能向上や栄養改善等を提供する事業所を加算対象とするが、これらのサービスを実施しない事業所については評価の対象としない考えを示した。
一方、評価指標の設定方法については、客観的かつ簡単な指標とする観点から、原則として、ある一定期間以上、同一事業所においてサービスを利用し、その後サービスの更新認定を受けた利用者の中で、要介護度が維持または改善した割合が一定数以上を上回った事業所を加算する考えを示した。ただし、同省が示した案は、事業所による情報収集の困難性や恣意的に利用者の目標設定を操作するおそれがあること等を課題としている。
障害者自立支援法が参院本会議で可決
〜民主党が1割負担盛り込まない対案を衆院に提出
障害者自立支援法が14日、参議院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決され、衆議院に送付された。しかし同日に民主党が「障害者の自立の支援及び社会参加の促進のための身体障害者福祉法等の一部を改正する法律案(障害者自立支援・社会参加促進法案)」の対案を提示。このことから、衆議院では、政府案と民主党から提出された対案をもとに利用者負担のあり方等について審議することとなった。民主党が提示した対案の中には、利用者の1割負担を導入せず応能負担を継続することや精神障害者も対象とした支援費制度を継続すること等が盛り込まれている。同法案は今国会中に成立する見通しだ。
ペットは「家族」、いつまでも一緒の暮らしをお手伝い
〜先駆的福祉経営事例
群馬県群馬郡榛名町の豊かな自然のなかにある社会福祉法人新生会の介護付有料老人ホーム「桜の園」は、利用者がペットとともに過ごせる老人ホームの先駆けとして、1997年に開設した。開設以来、同施設では、「どんなことがあっても最期まで責任を持ってペットのお手伝いをする」という方針を貫いている。ペットと過ごすことができる施設を開設した経緯について、同施設では、以前まで同法人における施設では、原則としてペットの飼育を認めていなかったが、預けているペットを気に留めている利用者がいたことから、施設を利用している利用者にとってはペットの存在が大きいことを認識し、同施設をペットと一緒に過ごすことが可能な施設とした。
■動物がいる生活を想定した建物構造
同施設は、動物の臭いがこもらないように天井を高くすることや庭と個室を連続させるなど、いつまでもペットと一緒に生活できるような環境に配慮した設計となっている。また近隣には、動物病院やペットの火葬場などもあり、ペットが死んだ際にはこの施設を利用できるようにしている。同施設の理事長兼園長である原慶子氏は「入居者の中には亡くなった奥様と一緒にペットを霊廟に安置している方もいて、利用者にとってはペットも家族の一員」と位置付けており、ペットの存在の重要性を語っている。
■遺されたペットのお世話も約束
また、同施設では開設してから、利用者のペットの飼育を断ったことは一度もないという。実際、利用者が留守にする時など、無償で施設が利用者の代わりに面倒を見ている。さらに利用者がまったくペットの世話をできなくなった場合でも、スタッフが責任をもって飼育をし、利用者が亡くなった後も遺されたペットの面倒を引き続きみることを保証している。同氏は「ペットを飼える施設と謳うからには、安易な姿勢では対応できない。ペットも最期までお世話をする覚悟でやらないと」と語る。同法人のように利用者の視点に立って、利用者のニーズに応えるという気持ちで取り組む同施設の経営姿勢こそが、今の施設経営には求められているものではないだろうか。
本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン10月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)
MMPG提供

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