小規模多機能型居宅介護は月単位の包括払いを採用
〜厚労省・介護給付分科会
厚生労働省は12日、社会保障審議会介護給付費分科会に対して、「地域密着型サービスの報酬・基準について(案)」を提示した。この案は、地域密着型サービスに対する考え方や地域密着型サービスの対象となる▼小規模多機能型居宅介護、▼夜間対応型訪問介護、▼地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、▼地域密着型特定施設入居者生活介護――等の各サービスにおける報酬や基準等に関する論点を示している。
このうち、地域密着型サービスにおける報酬水準や基準に対する考え方としては、市町村が地域密着型サービスの利用を推進することができるよう、施設サービス及び特定施設入所者生活介護の報酬水準や、居宅サービスの利用実績を勘案して報酬水準を設定していくとした。また、基準については、小規模事業所であるがゆえに高コストや非効率なサービス提供とならないよう、既存資源の活用や人員及び設備に関する規制緩和、地域の他のサービスとの連携等を促進していくとの方向性を示した。
各サービスのうち、小規模多機能型居宅介護における利用対象者については、「通い」「訪問」「泊まり」のサービスを一定程度以上利用する中重度者を中心と考え、その上で報酬体系については、利用者の様態や希望に応じて柔軟なサービス提供を実施できるよう、月単位の包括払いを採用するとの方向性を示した。一方、夜間対応型訪問介護についても、対象者は中重度者を中心とし、さらに、独居高齢者又は夫婦のみの世帯の利用も加えることを検討している。また、報酬体系については、定額部分をオペレーションセンターサービスのみに限定し、定期巡回サービスや随時訪問サービスは出来高とする方法と、定期巡回サービスやオペレーションセンターサービス等を複合的に提供するものとして1ヶ月単位の定額報酬とする方法の2つの案を示した。
栄養マネジメント加算は遡及算定が可能に
〜厚労省
厚生労働省老健局は7日に開催された全国介護保険指定基準・監督担当者会議の中で、「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス、認知症対応型共同生活介護及び特定施設入所者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年老企第40号通知)の一部改正の概要(案)」を提出した。この概要(案)には、栄養管理に係る▼栄養管理体制加算、▼栄養マネジメント加算、▼経口移行加算――等において、医師や管理栄養士等の専門職が実施すべき役割や算定方法、留意事項等を示している。
栄養マネジメントについて同省は、医師や管理栄養士、看護師等の栄養マネジメントに関わる各専門職が共同して栄養ケア計画を作成し、実施することとしている。また、低栄養状態のリスクレベルが低リスクに該当する利用者や高リスクに該当する利用者に対しては、定期的にモニタリングを実施することや、各利用者に対して3ヶ月を目途に低栄養状態のリスクにおけるスクリーニングを実施し、栄養計画を見直すこと示している。
さらに、栄養マネジメント加算の算定日については、栄養計画を実施後、担当者が利用者又はその家族に説明をし、その同意を得られた日とすることを示している。ただし、平成17年10月1日の時点おいて施設を利用している利用者については、平成17年10月分に限り同年10月1日に遡り算定できることとしている。
低所得者対策で月額最大3万円を助成
〜厚労省
厚生労働省は7日、全国介護保険指定基準・監査担当者会議の中で、「ユニット型個室に係る社会福祉法人軽減制度の特例措置について」を提示した。この特例措置について同省は、現行のユニット型特別養護老人ホームの中には居住費として既に50,000〜60,000円程度の額を設定している施設もあり、既存の施設が報酬改定による影響を利用者負担に転換しようとした場合、低所得者層にも新たな保険外負担を要請する危険性が指摘されていることから、低所得者の負担増の激変緩和を図る観点から策定したとしている。
対象施設については、ユニット型特別養護老人ホームで、利用者負担第4段階の者の10月分の居住費月額又は9月分の居住費月額に介護報酬改定による報酬減額分相当(48,000円)を加算した額のいずれか低い額に対して、特定入所者介護サービス費に係る居住費の基準費用額(60,000円)を上回る額が10,000円を超える施設としている。また、助成の範囲については、施設からの申請に基づき、利用者負担第1段階から第3段階までの利用者とし、助成額については1人あたり月額30,000円を上限としている。なお、各施設から各都道府県等への届出期間は9月末までとなっている。
老健は月365.7万円の黒字
〜平成16年介護事業経営概況調査
厚生労働省は12日、社会保障審議会介護給付費分科会の中で「平成16年介護事業経営概況調査結果」を提示し、介護サービス費用の実態を明らかにした。同調査の選定方法については、調査対象となる施設や事業所を地域区分及び経営主体別に層化し、無作為に抽出した。また、調査の期日については、2004年9月の収支状況としている。
介護保険施設における1事業所の1ヵ月あたり損益の平均額(補助金を含まないベース)は、介護療養型医療施設(病院)が6,692,000円、介護老人保健施設が3,657,000円、介護老人福祉施設が1,995,000円、介護療養型医療施設(介護保険適用病床のみ)が1,263,000円であり、黒字幅が大きいかった。一方、居宅介護サービス事業所については、訪問看護ステーションが227,000円、通所介護が375,000円、通所リハビリテーションが1,001,000円などで黒字であったが、居宅介護支援は▲137,000円、訪問介護は▲43,000円、訪問入浴介護は▲7,000円と赤字であった。
福祉貸付の固定金利を0.1%引き下げ
〜独立行政法人福祉医療機構
独立行政法人福祉医療機構は9日、社会福祉事業施設等を対象にした福祉貸付の固定金利を平均0.1%引き下げることを明らかにした。これによって、介護関連施設や在宅介護サービスセンター等の建築資金・土地取得資金などの固定金利が年1.50%〜2.0%となった。詳しくは福祉医療機構福祉貸付部福祉業務課融資相談係(TEL03-3438-9298)まで。
居住費や食費における契約時の指針を提示
〜厚労省 担当者会議で
厚生労働省は7日、全国介護保険指定基準・監査担当者会議の中で、「居住、滞在及び食事の提供に係る利用料等に関する指針の概要」を提出した。これは、介護保険3施設等における居住費と食費の費用が利用者と事業者との契約で決定されることから、同省が適切に契約を実施できるよう定めた指針。
厚労省は、契約を実施するにあたり適正な手続を確保する観点から、▼事業者は利用者やその家族に対して当該契約の内容を文書にて説明を行うこと、▼契約の内容については利用者や家族から文書により同意を得ること、▼居住費及び食費の具体的な内容や金額設定等については、都道府県知事に提出する運営規定に記載するとともに、事業所等の見やすい場所に掲示すること――をあげている。また、居住費については、光熱水費や室料に相当する額を基本的な費用とし、施設の修繕費用や維持費用を含む建設費用及び近隣地域における類似施設の家賃や光熱水費の平均的な費用を勘案して設定することとしている。
一方、食費については、食材料費と調理に係る費用を基本とすることとしている。ただし、通所介護と通所リハビリテーションの事業所は、食事を提供しない場合もあるため、書面での説明は必要だが、文書での同意は不要としている。
[お知らせ]明治安田こころの健康財団がフォーラムを開催 〜10月29・30日
明治安田こころの健康財団は、10月29日(土)・30日(日)に明治安田生命高田馬場第二ビル7階会議室で、「ユニットケア実践の具体的方法」と題してフォーラムを開催する。詳細は以下の通り。
▼日程:平成17年10月29日(土)13:30〜/30日(日)9:30〜
▼場所:明治安田生命高田馬場第二ビル7階講義室
(JR山手線・東京メトロ・西武新宿線「高田馬場」駅より徒歩8分)
▼内容:「ソフトの理解(個別ケア・生活支援の具体的方法)」
認知症介護研究・研修東京センターユニットケア推進室室長/秋葉郁子氏
他
▼参加対象者:医療・看護・介護・保健・教育等に関わっている専門家や学生及び関心のある方
▼定員:120名(定員になり次第締め切り)/▼参加費:12,000円
▼問合せ:明治安田こころの健康財団講座係(TEL:03-3986-7021/FAX:03-3590-7705)まで。 |
「参加型福祉」の要となるボランティア対応を事業化
〜先駆的福祉経営事例
神奈川県・藤沢市にある社会福祉法人いきいき会「ラポール藤沢」は、1994年に開設した。同施設は、地域の力を結集する「参加型福祉」をコンセプトとし、1日平均15人ものボランティアが参加している。同施設では、開設当時から、担当者を決めずにボランティアへの対応をおこなってきたが、2002年にユニットケアの導入を契機に専門のボランティアコーディネーターの必要性を認識し、2004年4月にボランティアコーディネートを専門に実施するワーカーズ・コレクティブ「かるがも」を施設内に設立した。
■言葉にした感謝の気持ちがモチベーションにつながる
「かるがも」は、ボランティア活動の際に必要なものを準備し、活動が円滑に進められるよう支援している。スタッフやボランティアの間には、「かるがも」が入ることで、コミュニケーションが活性化され、施設全体の協力体制が整ってきたという。さらに、「かるがも」は、個々のボランティアの活動を詳細に把握し、ねぎらいの言葉をかけることや利用者の変化の様子を伝えるなどといったことにも配慮をしている。このことについて「かるがも」の代表を努める野副妙子氏は、「多くのボランティアは自己実現の場として活動に参加しており、ボランティアが役に立っていることが実感できる支援をしていなかければ継続することが難しく、ボランティアへの配慮はボランティア活動へのモチベーションの向上につながっている」と語っている。
■コーディネータ業務の成功の秘訣は事業化をすること
同施設では、「かるがも」に対してボランティアコーディネート以外に、ボランティアに関する窓口業務と生活環境整備事業も依頼している。このうち、生活環境整備事業では、利用者の生活ニーズを把握し生活環境の改善につなげることや、生活環境に関する学習会や映画会を開催し、施設の活性化を促進している。昨今、福祉施設には、ボランティアを受け入れることの必要性が指摘されているが、ボランティアを効果的に受け入れている施設は少ない。同施設のようにボランティアコーディネータを配置することで、ボランティアの意欲向上や質の高いケアが可能となるのではないだろうか。
本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン9月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)
MMPG提供

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