施設給付に伴う低所得者対策を提示
〜厚労省
厚生労働省は11日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会の中で、「施設給付等の見直しに伴う低所得者対策」についての資料を提示し、▼補足給付(特定入所者介護サービス費)の創設、▼高額介護サービス費の見直し、▼社会福祉法人減免の運用改善、▼旧措置入所者への対応、▼境界層該当者への対応、▼税制改正に伴う対応――についての考え方を示した。
このうち、補足給付の創設については、利用者負担段階が第1〜3段階の者(市町村民世帯非課税以下)には負担上限額を定め、補足給付(特定入所者介護サービス費)を支給することとし、さらに、第4段階以上の世帯については、特例措置を設けることとした。また、高額介護サービス費の見直しについては、利用者負担第2段階における高額介護サービス費の上限額を月額15,000円に引き下げることとし、平成17年10月から施行することとした。
一方、社会福祉法人減免の運用改善については、所得の低い層についても社会福祉法人による利用者負担の軽減措置の対象となるよう、収入要件を150万に引き上げるなど、細かい対応が図られるように運用を改善することを示した。
栄養管理業務における帳票書類の見直しを提示
〜厚労省
厚生労働省は11日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会の中で、「栄養管理業務における帳票書類の見直しについて」の資料を提示し、従来の栄養管理で必要とされてきた帳票書類についての見直し案を示した。
同資料の中で厚労省は、集団を対象としてきた従来の栄養管理が、今回の改定では個人に着目したものに移行することから、栄養ケアマネジメントを実施する場合に削減可能となる帳票書類と導入後も引き続き必要とされる帳票書類とに分類し提示している。
同省は、整備しなければならない帳票書類の中で、食事せんと献立表は今後も必要であるとしているが、検食簿や喫食調査結果、入所者等の入退所(院)簿や食料品消費日計は削減可能であるとしている。さらに、入所者年齢構成表や加重平均栄養所要量表、食品構成表についても、削減可能であることを示している。
一方、栄養ケア・マネジメントを実施していないが、今後管理栄養士又は栄養士を配置する予定の事業所については、栄養管理を実施するための帳票書類を作成しなければ栄養管理体制加算を算定できないものとすることを示した。
介護療養では多床室が個室の4倍
〜厚労省
厚生労働省は11日に開催された社会保障審議会介護給付費分科会の中で、介護保険3施設における居室類型ごとの対象数を明らかにした。介護老人福祉施設(特養)は、個室が42,665室、多床室が86,470室、介護老人保健施設は、個室が30,360室、多床室が68,144室、介護療養型医療施設は、個室が9,310室、多床室が37,594室。一方、介護老人福祉施設においてユニット型個室を利用している利用者は、19,000人だった。
利用者負担の減免措置の方向性を明示
〜厚生労働省
厚生労働省は、12日に開催された社会保障審議会障害者部会(部会長・京極高宣国立社会保障・人口問題研究所所長)の中で、障害者自立支援法案にかかわる「福祉サービスの利用者負担について」の資料を提示した。その中で、利用者負担における配慮措置として、▼利用者負担の月額上限措置、▼定率負担の個別減免、▼グループホーム入所者(授産施設へ通所)の場合の定率負担――などをあげ、これらに対する考え方を明示した。
そのうち、利用者負担の月額上限措置については、利用者本人の属する世帯の収入に応じて、▼生活保護に属する者、▼市長村民税均等割非課税世帯であり、世帯主等の収入が80万円以下である世帯に属する者(低所得1)、▼市町村民税均等非課税である世帯に属する者(低所得2)、▼市町村民税課税世帯(一般)、――の4つの区分を設定したうえで、月額の負担上限額として、生活保護については0円、低所得1は15,000円、低所得2は24,600円、一般は40,200円とすることを示した。
一方、定率負担の個別減免については、利用者が得た収入のすべてを負担としない仕組みにすること等を示した。これはグループホームや入所施設の利用者を対象者とし、負担額は、施設の形態ごとに設定する基本的な費用尺度と本人の収入を比較し定率負担の個別減免の範囲を設定する。具体的に同省は、66,000円までの収入については負担額を設定しないが、66,000円を超える収入の場合については、収入の全てを負担することのないように負担額を減額するシステムを設けることとしている。
また、グループホームの利用者に個別減免を実施した場合について同省は、収入の85%が残るように原則よりも低い負担率を設定する。
介護報酬改定に対する見直しの考え方を示す
〜厚労省
厚生労働省は、14日に開催された社会保障審議会介護給費分科会の中で、「介護保険法等の一部を改正する法律の施行(平成17年10月1日施行分)に伴う介護報酬等の見直しに係る諮問の概要」についての資料を提示した。この中で同省は、▼居住費(滞在費)に関連する介護報酬、▼食費に関連する介護報酬、▼居住費(滞在費)及び食費に関連する運営基準等――についての具体的な見直し事項の考え方を明示。このうち、居住費(滞在費)に関連する介護報酬の見直しについては、まず介護保険3施設における介護報酬類型の見直しを行うこととし、居住環境の違いに応じた、▼ユニット型個室、▼ユニット型準個室、▼従来型個室、▼多床室――の4類型とした。さらに同省は、ユニット型個室及びユニット型準個室を評価していくことや4類型それぞれの居住環境の違いを勘案した「居住に要する費用」を介護報酬から控除することを明らかにした。また、介護老人保健施設(老人保健施設)にはユニット型介護保健施設サービス費を、介護療養型医療施設(病院・診療所)にはユニット型療養型介護療養施設サービス費を新設することとした。
一方、介護報酬の具体的な改正内容としては、例えば介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)では、従来設定されていた介護福祉施設サービス費(T)を、従来型個室の介護福祉施設サービス費(T)と多床室の介護福祉施設サービス費(U)とに区別するとしている。さらに要介護度別に設定されていた介護報酬の単価についても、従来型個室や多床室といった類型別に設定されている。
また、食費に関連する介護報酬の見直しについては、▼基本食事サービス費等の廃止、▼栄養管理の評価に関する見直し――等を実施していくこととしている。このうち、栄養管理の評価については、▼栄養管理体制、▼栄養ケア・マネジメント、▼療養食――などに対して評価をしていくこととしている。さらに栄養管理体制に対する評価については、常勤の管理栄養士や栄養士を1名以上配置した場合に評価する栄養管理体制加算を新設する。また、栄養ケア・マネジメントに対する評価については、利用者の栄養状態を適切にアセスメントし、その状態に応じて多職種協働により栄養ケア・マネジメントが行われた場合に評価することとしている。
[お知らせ]福祉のトップセミナーin雲仙2005 〜「障害者自立支援のはじまり」
社会福祉法人南高愛隣会は9月10日(土)・11日(日)、長崎ブリックホール(国際会議場)で「福祉のトップセミナーin雲仙2005〜障害者自立支援のはじまり」と題するセミナーを開催する。同セミナーでは、基調講演やシンポジウム、実践報告会などが予定されている。申し込み期日は8月10日迄。詳細は下記の通り。
▼日時:平成17年9月10(土)・11日(日)(10日(土)9:00〜受付開始)
▼会場:長崎ブリックホール(長崎市茂里町/JR浦上駅下車5分)
▼内容:基調講演『障害者自立支援法のめざすもの』
講演者/木村厚子氏(厚生労働省・障害保健福祉部 企画課長)
シンポジウム『たのしく働き、いきいき暮らす』
コーディネーター/田島良昭氏(宮城県社会福祉協議会 副会長)
シンポジスト/依田晶男氏(内閣府・政府統括官付(障害施策担当)参事官)
松永正昭氏(コミュニティネットワークふくい 専務理事)ほか
▼参加費:16,000円(申し込み先:近畿日本ツーリスト長崎支店(TEL:095-820-1684/FAX:095-821-4806))
▼問合せ:社会福祉法人南高愛隣会「福祉のトップセミナーin雲仙2005」係(TEL:095-77-2137/FAX:095-77-3966) |
当り前の生活を可能にし、いつまでも輝く暮らしを大切に
〜先駆的福祉経営事例
東京都足立区にあるNPO法人宅老所「かがやき」は、1999年に開設して以来、スタッフの体制が整っていればどんな状態の人でも、利用を受け付けることをモットーに、365日体制でサービスを提供している。同施設を開設した経緯について、代表理事である福田幸子氏は、利用者の尊厳が無視されていた施設での勤務経験から、自分が思い描くケアを実現したいと考え、友人と一緒に自宅の1階をデイサービスとして開設したという。また現在では、活動の場を自宅の隣に移し、グループホームやショートスティも展開している。
■看取りを経験したことでスタッフの意識が変化
同施設では以前、2人の利用者を看取る経験をしており、これがスタッフの介護に対する意識に大きな変化をもたらした。このことについて福田氏は、終末期ケアでは医療との連携を重視していく側面も必要だが、それ以上に家族と施設側との信頼関係を構築することの重要性を改めて認識したと語っている。また各スタッフは、このような経験を経て、家族との信頼関係を築いくことの大切さを実感し、ケアのあり方に対して大きな自信に繋がっていったという。さらに、日常的な業務の中においても各スタッフは、利用者や家族とのかかわり方が前向きになった。
■当り前の生活を提供してきたい
施設内での過ごし方について同施設では、細かな計画を立てず、各々の利用者の状態を見ながら臨機応変に行っている。このことについて福田氏は、スタッフが行きたいと思う場所は利用者も一緒に行きたいのではないかと考えられことから、利用者が外出する際は、利用者の体調が良ければ外出するようにしている。また同施設では今後、保育所を開設し、利用者と子どもたちとの交流を図っていくことや、ヘルパーステーションも開設していきたいという。福田氏は今後の目標について「事業を広げることが目的ではなく、ここに関わっている人に当り前の生活を提供していきたい」と語っている。同施設のように、利用者の視点に立ち、当たり前の生活を提供できるような体制を構築していくことが、福祉経営の課題ではないだろうか。
本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン7月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)
MMPG提供

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