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月刊福祉経営情報



2005年01月号

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介護保険法改正案は予算関連法案として通常国会へ

〜2005年度予算政府案閣議決定

政府は24日の閣議で2005年度予算政府案を決定した。社会保障費は三位一体の改革に沿って国民健康保険国庫負担金の5,449億円を地方に税源移譲するが、結果的に2004年度に比べ5,816億円、2.9%と大幅な増加の20兆3,786億円となった。厚生労働省関係は20兆8,178億円で、2004年度の20兆1,910億円から6,268億円、3.1%増加。伸び率は財務省の4.3%に次いで高かった。
介護保険施設における食費とホテルコストについては、年金給付との重複を排除するとともに、在宅と施設との間でのサービスのバランスを図る観点から利用者負担の見直しを他の制度改革に先駆けて実施する。影響額は、初年度は給付費ベースで1,310億円減、国庫負担ベースで420億円減となり、年間ベースではそれぞれ3,000億円、1,000億円程度の減を見込んでいる。
予算が閣議決定されたことを受けて、厚労省は来年1月召集予定の通常国会に予算関連法案として介護保険法改正案を提出する。改正案の柱は、介護サービスの利用者の症状が悪化することを防ぐため、サービス内容を予防重視型に転換するというもの。要支援者らを対象とする「新予防給付」と要介護になる前の高齢者を対象とした「地域支援事業」の二つが2006年4月に創設される。

■介護予防対策に225億円 拠点3,000カ所を整備
介護予防対策の予算は225億円。日常生活圏域で高齢者の生活の継続性を確保しながら、適切な介護予防サービスを提供するため、既存のデイサービスセンターや老人福祉センターなどの改修などに必要な支援を行うことにより、介護予防サービス提供のための拠点を3,000カ所整備する。
さらに、効果的な介護予防プログラムの開発・普及のために171億円を計上。「介護予防研究・研修センター」を設立し、科学的根拠に基づく介護予防プログラムの開発研究と指導・普及を担当する専門職員の養成を行う。また、適切な介護予防サービスの提供体制を整備するため、効果的な介護予防サービスの実施及び評価・検証を行う「市町村介護予防試行事業」を実施する。
痴呆ケアにも11億円を計上し、地域における痴呆サポート体制の整備、痴呆ケアの人材育成を進める。具体的には、痴呆性高齢者を抱える家族への支援プログラムを構築するとともに、痴呆介護の専門職員や痴呆性高齢者グループホームの管理者に対する研修、主治医を支援する痴呆サポート医の養成を行うなど総合的な対策を実施する方針だ。

■地域介護・福祉空間整備等交付金創設に866億円
介護サービスの提供体制の整備には1,066億円を盛り込んだ。とくに地域再生の観点をも含め、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう地方公共団体の自主性や裁量性を重視した「地域介護・福祉空間整備等交付金」を創設。予算額は866億円とした。
この交付金は、厚生労働相が策定する基本方針に基づき、今後3年以内に実施する基盤整備計画を明らかにした「地域介護・福祉空間整備計画」を策定することができる市町村に対して行うもので、同計画に盛り込んだ基盤整備事業に対して交付金が交付される。
交付対象となるのは、▼小規模多機能型居宅介護事業、▼小規模(30人未満)の特養及び老健、▼小規模(30人未満)で特定施設入所者生活介護の指定を受ける施設(ケアハウス)、▼痴呆性高齢者グループホーム、▼痴呆性高齢者専用デイサービス、▼地域夜間訪問介護事業――といった地域密着型サービス等の拠点のほか、「介護予防拠点」「地域包括支援センター」「高齢者の在宅生活を支えるための情報網等」となる。ただ、2005年度においては介護予防拠点の基盤整備のみの計画であっても交付対象とした。現時点では困難という認識だ」として、統合に難色を示した。


介護療養型での居住費保険給付存続を改めて要望

〜四病協

四病院団体協議会は22日開いた総合部会で、2005年10月から介護保険施設における食費・居住費の保険給付が見直され、利用者負担となることを受けて、「改めて反対していく」方針を確認した。
四病協は中村秀一老健局長に対して、指定介護療養型医療施設の入院患者に対する居住費の保険給付存続を求める要望書を提出しているが、厚労相と財務相が10月から徴収の方向で合意したことから、改めて反対の姿勢を打ち出すことを決めている。


「自立支援プログラム」を導入 保護施設は見直し 

〜生活保護制度見直しで報告書

社会保障審議会福祉部会生活保護制度の在り方に関する専門委員会は先ごろ報告書をまとめた。報告書では、生活保護制度を「最後のセーフティーネット」として適切なものにするために「多様な対応」「早期の対応」「システム的な対応」の3点を可能とし、経済的給付に加えて効果的な自立・就労支援策を実施する制度とすることが不可欠として、「自立支援プログラム」の導入を提案した。
同プログラムは、地方自治体が被保護世帯の現状や地域の社会資源を踏まえて策定し、これに基づいた支援を実施するもの。プログラム策定にあたっては、他部局、ハローワーク、保健所、医療機関などの関係機関との連携を深めるとともに、就労支援・カウンセリングなどの経験や専門知識を有する人材の活用、社会福祉法人や民間事業者、社会福祉協議会などとの協力強化とアウトソーシングの推進、救護施設等の社会福祉施設との連携などが重要としている。
また同報告書では、保護施設について現在の性格や施設最低基準は時代のニーズに合わない部分があり、施設名称や各保護施設における機能の整理統合を含め、今後総合的な見直しを検討する必要があると指摘。救護施設、更生施設および授産施設については、居宅での保護や他法の専門的施設での受け入れが可能な者はこれを優先すべきで、原則的にはそれへ移行する経過的な施設として位置づけ、施設最低基準の再検討も行う必要があるとしている。



「認知症」で最終結論 来年通常国会に提出へ

〜「痴呆」に替わる用語検討委

侮蔑的な表現との指摘があった「痴呆」に替わる用語を検討していた厚生労働省の「『痴呆』に替わる用語に関する検討会」は24日、「認知症」が最も適当とする報告書をまとめた。
同検討会は一般的に使用されている「痴呆」の用語が侮蔑的な表現であり、実態を正確に表していないなどの問題点があるため、6月から4回にわたり検討を行ってきた。報告書では、国民からの意見募集での支持の高さと他の医学用語との混同するおそれが低いことなどから「痴呆」に替わる用語として「認知症」が最も適当と結論づけた。また「認知症」に変更するにあたっては、「単に用語を変更する旨の広報を行うだけではなく、これに併せて、『認知症』に対する誤解や偏見の解消の解消に努める必要がある」として、国に対しさまざまな施策を行うよう要望している。
これを受けて中村秀一老健局長は「『認知症』に対する誤解や偏見を取り除くことが最も大事。すでに定着している『痴呆』の用語を替えるには、十分な広報が必要であり、来年4月から本格的なキャンペーンをぜひ実施したい」と述べ、「認知症」を定着させ、理解を深めるための広報活動を来年4月から1年間取り組む考えを述べた。
これをもとに厚労省は、次期通常国会に提出予定の介護保険制度改革関連法案の中で「痴呆」を「認知症」と改める内容を盛り込む方針だ。


居住費等の徴収実施は「低所得者対策」を前提に

〜尾辻厚労相が財務相との事前折衝後記者会見で

尾辻秀久厚生労働相は18日、2005年度予算編成にあたっての財務相との事前大臣折衝後の記者会見で、介護保険施設における居住費や食費の利用者負担を来年度下半期(10月)から実施することを改めて強調し、「その前提として低所得者に対するきめ細かな対応と特段の配慮をしたい」と述べた。
また、財務相から次期通常国会に提出を予定している介護保険制度改革法案について、「国民負担の上昇を抑制し、持続可能な制度を構築する観点から、徹底した給付の効率化と重点化を図ること」などが提案されたと説明。これに対して、「制度の持続可能性の確保などの観点から、介護予防重視型システムへの転換や施設給付の見直しなど、給付の効率化・重点化に取り組むことを説明した」と述べた。








図書の貸し出しサービスを通じて楽しむきっかけを作る

〜先駆的福祉経営事例

東京・墨田区にある墨田区立緑図書館は、施設に入所している高齢者にも気軽に本を楽しんでもらおうと1997年から特別養護老人ホームなどで個人向け図書の貸し出しサービスを行っている。貸し出される本は昔の絵本や動物の写真集、大きな活字の本や拡大写本等が約100冊あり、気に入った本を思う存分楽しむことができる。同図書館の職員である山内薫氏は、図書の貸し出しサービスを始めた経緯について次のように語る。「もともと視覚障害者や高齢者の自宅に本を届けるサービスを行っていた。そんな中、職員が特養でのボランティア活動に参加し、その施設に本の好きな方がいて届けるようになったことがきっかけで、月1回訪問するようになった」

■1950年代の街頭紙芝居で男性入所者の心をつかむ
同図書館では現在、図書の貸し出しサービス以外にも紙芝居や歌を提供しているが、男性は「紙芝居なんか」と言い、なじまない傾向があったという。そこで、1950年代の街頭紙芝居を用いるようにしたところ、男性入所者も紙芝居を見るようになった。しかし、それだけでは入所者に楽しんでもらうことはできないと考え、紙芝居と歌をつながりのあるものにしたり、物語にちなんだ物があれば持参したりすることを心掛けている。山内氏は「これが回想法のような効果を生み、とちの実を持っていった時には、『昔、近所の神社でたくさん拾った』と昔を懐かしむ人もいた」と語る。

■高齢者を巻き込んだ活動の発展を目指す
同図書館のサービスは現在、図書館のPRや口コミにより、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、福祉作業所等で実施されている。最初は本の貸し出しサービスから始まったが、現在では多くのボランティアが参加し、手品やかるたを行う等、活動は広がりを見せている。山内氏は「高齢者に楽しんでもらう場やきっかけをどのようにしてつくるかが大切。どんな形でも良いので高齢者の方をどんどん巻き込んでいきたい。今後の目標は、墨田区内の特養や老健を踏破すること」と語る。同図書館のような福祉職以外からの視点は、新たなアプローチの方法を生み出し、これまでにない効果を発揮するのではないか。


本頁の記事に関する詳しい内容は日本医療企画社が発行する介護経営月刊誌
「介護ビジョン1月号」で。(詳しくは本紙各送信元にお問合せください)

MMPG提供


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