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月刊福祉経営情報



2004年09月号

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介護関係職種の賃金は前年比マイナス

〜2004年版賃金構造基本統計調査

厚生労働省統計情報部がまとめた2004年版賃金構造基本統計調査によると、2003年6月に支払われた介護・福祉関係職種(介護支援専門員、ホームヘルパー)の決まって支給する現金給与額は、プラス傾向だった前年から一転マイナスとなった。特に介護支援専門員とホームヘルパーにおけるマイナスが大きく、それぞれ前年比1万1,000円減の27万500円、同額減の20万100円となった。それぞれの平均年齢と勤続年数は42.7歳・7.3年、43.3歳・4.8年だった。
また、身体障害者福祉施設や老人福祉施設で働く介護職員や介護福祉士など福祉施設職員の2003年6月に支払われた現金給与額は、平均年齢34.8歳、勤続年数5.9年で、22万6,800円だった。(表参照)
調査は2003年6月分の現金給与額について実施したもので、医療、介護・福祉関連職種では医師、栄養士、薬剤師、看護師、准看護師、看護補助者、診療放射線・診療エックス線技師、臨床検査技師、理学療法士・作業療法士、歯科衛生士、歯科技工士、介護支援専門員、福祉施設介護員、ホームヘルパーについて調査した。

2004年版賃金構造基本統計調査から

年齢 勤続
年数
所定内
実労働時間数
超過実労働
時間数
決まって
支給する現金給与額
所定内
給与額
年間賞与
その他特別給与額
労働者数
千円 千円 千円 十人
理学療法士
作業療法士
30.2 4.4 167 5 290.5 281.2 698.7 3,887
介護支援専門員 42.7 7.3 166 6 270.5 258.8 842.4 2,302
福祉施設介護員 34.8 5.9 164 3 226.8 214.3 681.0 23,731
ホームヘルパー 43.3 4.8 163 5 200.1 189.2 490.7 2,167



"長生き"が前提の事業のあり方に疑問の声

〜老人保健事業の見直しに関する検討会

老人保健事業の見直しに関する検討会は8月23日、4人の委員から事業の見直しに関して意見を聞き、その方向性について議論した。次回は9月13日に開き、関係者からのヒアリングを行う予定だ。
この日、プレゼンテーションを行ったのは石井みどり委員(日本歯科医師会常務理事)、藤野圭司委員(日本臨床整形外科医会副理事長)、大川弥生委員(国立長寿医療センター生活機能賦活研究部長)、中村好一委員(自治医科大学教授)の4人。
石井委員は、70歳以上で20本以上の歯がある人の医療費は低いなどのデータを示した上で、「今後の老人保健事業は、生活習慣病予防と介護予防の役割を明確化すべき」と提言した。具体的には、歯周疾患健診の対象者を40歳以上に拡大すること、健診のフォローアップとして歯周疾患健康教育、歯周疾患健康相談を充実させることを要望。さらに、介護予防・生活支援事業の参加者については、訪問口腔衛生指導の充実を求めた。
藤野委員は、運動器が原因で要介護に至る危険性がある高齢者を早期に発見し、要介護状態になることを防止する「運動器健診プログラム」を提案した。具体的には、一次健診で60歳以上の対象者約1,000万人を問診を中心としてほぼ半数の500万人に絞り込む。問診では、腰や膝の痛みのほか、過去1年間の転倒の有無、身長の減少など4項目を聞き、1項目でも当てはまるものがある場合は専門医による検診を促す。専門医の検診の結果、要指導や要医療となった場合、専門医の指導と改善評価を行うことを求めている。
プレゼンテーションを受けて信友浩一委員(九州大学大学院教授)は「これらの事業によってどういった死に方になるのか、どういう死に方にさせたいかの視点から評価するべきだ」として、事業によるサービス提供の結果を念頭に議論するべきとの考えを提示。「今後は、生き方、死に方をカスタマイズできる仕組みが求められる。生物学的な予防事業から転換する必要がある」として、単なる長生きから、長生きしてどうするか、どういった死を迎えるかを考えた上での事業とする必要性の検討を求めた。
長谷川敏彦委員(国立保健医療科学院政策科学部長)は「老人保健事業は、いい事業だったが供給側の都合で行われていた。どうして老人保健事業を行うのかという視点をもとに、新たに老人保健事業を編み出すことが大事」として、根本に立ち返って事業を再構築するよう提案した。



2005年度長寿・子育て・障害者基金助成事業を募集

〜独立行政法人福祉医療機構

独立行政法人福祉医療機構は9月1日から10月31日まで、長寿・子育て・障害者基金の2005年度助成事業を募集する。各基金の運用益を用いて、民間の創意工夫を活かした社会福祉を振興するための事業に対する支援を行うもので、2004年度からは国の施策の動向等を踏まえた重点助成分野を設定し、該当する事業について優先的に採択することとしている。
2005年度の重点助成分野は、(1)痴呆性高齢者を介護する家族の負担軽減に関する事業、(2)障害者の自立生活・就労の支援に関する事業、(3)子育て支援のネットワークづくりに関する事業、(4)児童虐待に関する活動への支援強化事業、(5)新しい障害者スポーツの啓発・普及事業。これ以外の分野でも民間の創意工夫を活かした事業として優れているものには積極的に助成する。
助成は社会福祉法人など社会福祉の振興に寄与する事業を行う法人や団体を対象にするものとして、独創性または先駆性があり普遍性のある事業に対する「特別分」と、主として都道府県又は政令指定都市の域内において行うきめ細かな実践的事業を対象とする「地方分」があるほか、事業実施体制の整っている全国規模の法人または団体を対象として、全国的な助成効果が期待できる助成事業を対象とする「一般分」がある。
詳しい募集要項は福祉医療機構ホームページ(http://www.wam.go.jp/wam)まで。




お知らせ

社会福祉・医療事業の経営研究セミナー

現代社会福祉経営研究会

現代社会福祉経営研究会は9月11日(土)、社会福祉・医療事業の経営研究セミナーを開催。
「医療・福祉経営のベンチマークを考える」をテーマに、講演を行う。詳細は次の通り。

▼日時 9月11日(土) 10:00〜17:30
▼会場 Ohmae@workビル B1大会議室 (東京都千代田区六番町)
▼内容 「病院経営持続性を診るための指標を探る」
「医療・福祉機関のケアマネジャーのマネジメント」
「医療・福祉機関の経営安定化に資する経営管理手法の紹介」 ほか
▼参加費 20,000円(資料代・昼食代含む)
▼問合せ先 現代社会福祉経営研究会準備室(矢野経済研究所内) TEL:03-5371-6927



介護予防モデル事業の実施市町村対象に研修会

〜厚労省

厚生労働省は9月21日から2日間の日程で、今年度新たに市町村の「介護予防・支え合い事業」に追加された「介護予防モデル事業」に関する実施市町村担当者研修会(全体研修)を開く。
研修では、老健局介護予防重点推進本部が介護保険制度改正と介護予防の位置づけのほか、介護予防の基本的考え方やモデル事業の実施、支援体制について説明する。また、モデル事業のメニューとしてあがっている「筋力トレーニング」「低栄養予防」「閉じこもり予防」「フットケア」「口腔ケア」の5事業の実践方法やプログラムなどについて外部の有識者による講演を行う。
このほか、全体研修とは別に、基本3事業の「筋力トレーニング」「低栄養予防」「閉じこもり予防」を対象に個別研修も開催する予定だ。




意見募集

障害について「知っておきたいこと」「知ってほしいこと」

〜内閣府

内閣府は今年6月の障害者基本法改正を受け、障害に関する意見を広く募集している。障害者基本法では、障害者差別の禁止とともに障害者の社会参加の促進が明記されており、今回の意見募集は、その啓発の在り方に関する検討事項の参考にしようというもの。詳細は次の通り。

▼募集内容 (1)障害について知っておきたいこと
    (障害者と地域や職場などで共に活動する上で知っておきたい点)
(2)障害について知ってほしいこと
    (障害者自身が社会生活を円滑に行う上で周囲に知っておいてほしい点)
▼提出方法 郵送、FAX、電子メール(ホームページより)
▼提出先 郵送:〒100-8970 東京都千代田区霞が関3-1-1
   内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付 障害者施策担当
FAX:03-3581-0992
電子メール:http://www8.cao.go.jp/shougai/pubcomme.html
▼締切 9月12日(日)
▼問合せ先 内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付 障害者施策担当
(TEL:03-3581-0277/URL:http://www.cao.go.jp)



パストラル・ケアの実践で利用者の心に寄り添う

〜先駆的福祉経営事例

広島県福山市で高齢者医療の一翼を担ってきた医療法人慈生会前原病院は2002年8月、介護老人保健施設「くつろぎ苑」をオープン。今年8月で3年目を迎えた。施設長の近藤基規医師は、「患者の家庭復帰をすすめる上で、介護老人保健施設の必要性が高まり開設に至りました。専門スタッフによる医学的管理のもと、看護・介護・リハビリ等のサービスを提供して、お年寄りの自立を支援しています」と理念を語る。4階建ての施設は、定員89人が利用。通所リハビリテーションとして毎日30人を受け入れており、これを看護師、介護スタッフを含む約70人が支えている。

■パストラル・ケアで利用者の心のケアに努める

「名前のとおり、利用者が自然にくつろげる施設づくりを心がけています」と古林福恵副施設長が言うように、同施設では「パストラル・ケア」を取り入れ、利用者の心のケアに力を入れている。パストラル・ケアとは、精神的苦痛や動揺がある人たちの支えとなるよう、そばに寄り添って心のケアに携わることだ。専任のチャプレン(パストラル・ケアカウンセラー)が日々のケアにあたるだけでなく、外部にも呼びかけて研修会を開催し、その普及に努めている。また花見や盆踊り大会などの行事を企画し、施設をあげて盛り上げるのも「利用者に感動を味わってもらいたい」という思いからだという。

■弱酸性水システムを導入し、感染予防を徹底

一方、ハード面で注目されるのが、人体だけでなく環境にも安全で、高い殺菌力のある弱酸性水を利用した衛生管理だ。同施設内では、水道水のような感覚で弱酸性水を利用できるように各フロアに配管。施設の清掃や調理器具の除菌に加え、利用者の手洗いやうがい、褥そうの洗浄にも使用することで感染症を予防している。近藤施設長は「弱酸性水の導入で、人と環境に優しい施設内の衛生管理が実現できた。高価な薬品からの代替が可能になったため、コスト削減にもつながるなど、期待通りの効果が出ています」と語る。利用者の立場に立ち、より良いサービスへと改善を重ねて経営に反映させる。その王道を貫くことの重要さが、今、施設経営に問われている。



MMPG提供


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