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月刊福祉経営情報



2004年05月号

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社会福祉法人の存在意義に疑義続出

〜社保審福祉部会

社会保障審議会福祉部会は20日、社会福祉事業と社会福祉法人について、「利用者の視点に立った改革」「社会福祉法人の活性化」の視点から検討を行い、委員からは現状の社会福祉法人の役割について疑義を呈する意見が相次いで出された。
まず「利用者の視点に立った改革」としては、▼公益性の追求、▼サービスの質の向上、▼事業の透明性の確保――について協議した。このうち「公益性の追求」では、「低所得者や制度の狭間に落ちた人々への支援、公益的な事業の実施など、他の事業主体では果たせない役割を社会福祉法人が担う」との視点について論じた。このなかで堀田力委員(財団法人さわやか福祉財団理事長)は、「本来、社会福祉法人は、社会や社会福祉の手が届いていない人々にサービス提供を行わなければならない」と述べた上で、「しかし構造改革が進む中で、社会的弱者に限って事業を行うことで、社会福祉法人の存在の理由付けをしても、国民への説得力はない」と指摘した。また、京極高宣委員(日本社会事業大学学長)も「社会福祉法人の社会的役割を打ち出すべきではないか」と述べ、さらに大きな意味付けが必要であるとした。
このほかに堀田委員は、事務局が提示した社会福祉法人の地域貢献の例をあげ、「NPOでもやっていること。この程度のことで社会福祉法人を維持するために税金を投入するというのでは説得力がない。施設から在宅へ、自宅の近くでサービスが受けられるようにと政策が進んでいる中、施設は自らの機能をサテライトのように分けていくことが求められる。こうしたサービスで役割を果たすのであれば、かろうじて公的に支援する理由はあるように思う」との見解を示した。これに対して、松尾武昌委員(財団法人日本リハビリテーション協会副会長)は、「地域によっては必要なところもある。地域性をみなければならない」と反論した。


 

福祉用具給付判断基準で、パブリックコメントを募集

〜厚労省

厚生労働省老健局は、「介護保険における福祉用具給付の判断基準(案)」を作成し、同省ホームページなどを通じてパブリックコメントを受付けている。
現在の福祉用具における利用状況をみると、要介護度が低い要支援者などに対して、その必要性が想定しにくい福祉用具の給付が行われているケースも見受けられており、適正化を図るべきとの声があがっている。同案はこれらの要望を受け、介護保険における福祉用具が適切に選定されるよう策定。福祉用具の品目ごとに「使用が想定しにくい」状態像や要介護度を例示しており、介護支援専門員にケアプランを作成する際の判断基準として活用してもらう考えだ。しかしその一方で厚労省は、「今回の基準は、あくまでも標準的な目安であり、提示している要介護度に応じて一律に給付対象外にするということではない。使用が想定しにくいとされる場合であっても、利用者個々の生活環境や解決すべき課題によっては、使用が考えられる場合もある」と示唆。判断基準に関しては、今後、さらなる検証を進めた上で、追加や見直し等を適宜行っていくとしている。
同案の主な内容としては、まず車いすや特殊寝台、褥瘡予防用具など17品目に関して、「福祉用具の解説」「使用が想定しにくい状態像」「使用が想定しにくい要介護度」を提示した。例えば、「特殊寝台」については、「起き上がり等の動作を補助、要介護者等の自立を支援するとともに、介護者が無理な姿勢で介助することにより身体を痛める危険性を避けるために使用される福祉用具」と定義、「寝返り、起き上がり、立ち上がりが比較的可能な『要支援』では、使用が想定しにくい」としている。
また、要介護度別にみると、例えば「要支援」では車いすや特殊寝台、褥瘡予防用具、体位変換機、痴呆性老人徘徊感知機器、移動用リフトなどの利用が想定しにくいと判断。移動用リフトは「要支援」のほか「要介護1」「要介護2」も利用者として除外されている。一方、スロープや手すり、歩行器、歩行補助つえ、入浴補助用具などに関しては、特に利用を制限する状態像や要介護度を設けていない。このほかの詳細については、厚労省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp)まで。
なお、同案に対するパブリックコメントは、電子メール又は郵便にて下記まで送付〔締切:5月21日(金)〕。


厚生労働省老健局振興課
  〒100−8916
  東京都千代田区霞ヶ関1−2−2
  E-mail:kmswjt@mhlw.go.jp(テキスト形式)



高齢者虐待への対応は4割が施設入所

〜医療経済研究機構調査

財団法人医療経済研究機構はこのほど、厚生労働省からの補助金を得て行った「家庭内における高齢者虐待に関する調査」の結果を公表した。同調査は、在宅介護サービス事業所等の関係機関1万6,802ヶ所と、全国市区町村3,204ヶ所を対象に2003年11月〜2004年1、2月にかけて実施したもので、有効回答率は機関調査が39.9%、自治体調査が80.1%だった。
機関調査の結果によると、過去1年間に虐待と考えられる行為を受けたケースのあった機関は2,865機関で、回答した機関の42.8%を占めた。虐待を受けている高齢者の要介護度は「要介護3以上」が51.4%、「要介護度2以下」が45.4%、痴呆性高齢者の場合には、日常生活自立度「U以上」が57.8%にのぼっている。虐待者は「息子」が最も多く32.1%、次いで「配偶者」20.3%(「夫」11.8%・「妻」8.5%)となっており、88.6%が高齢者と同居していた。また、虐待者と高齢者の接触時間については、「日中も含め常時」が51.5%、「日中以外は常時」が27.5%で、接触時間が長いほど虐待につながっていることがわかった。虐待の内容は、心理的虐待が63.6%を占め、次いで介護・世話の放棄・放任が52.4%、身体的虐待が50.0%で、虐待されている高齢者の51.4%が「心身の健康に悪影響がある状態」に陥っていた。虐待が発生する要因については、虐待者や高齢者の性格や人格、人間関係上の問題が多くあげられたが、介護疲れや痴呆による言動に対する混乱、排泄介助の困難など介護負担もあった。
一方、虐待を発見した関係機関の対応としては、51.8%が「改善に向けて取り組んでいる」と回答。具体的には、病院や施設への入院(所)や介護サービスの利用増を行っているとした。このうち入院・入所等のサービスを利用したのは4割で、内訳は病院14.6%、老人保健施設8.0%、特別養護老人ホーム(措置及び措置以外)7.5%、入所等の手続き中12.9%だった。また、介護サービスの内訳としては、介護負担軽減などを目的とした「短期入所者生活介護」31.8%、「訪問介護」29.8%、「通所介護」28.2%などが多く、「ケアマネや在宅介護支援センター職員の訪問回数を増やした」という回答も29.0%あった。


居宅介護支援費請求追加分のサービスコードを提示

〜厚労省

厚生労働省障害保健福祉部はさきごろ居宅介護の支援費請求上の留意事項を事務連絡したが(当誌191号で既報)、このほど、請求に際して入力するサービスコードを公表、その使用例を提示している。
詳細は下記の通り。


例)6:00から2時間のサービスを実施。
   その後18:00から4時間のサービスを実施した場合

(1)時間帯内訳

6:00〜 8:00
夜間早朝時間帯 2時間提供
18:00〜22:00
夜間早朝時間帯 4時間提供
6:00〜 7:00
サービス開始時加(減)算 1時間
18:00〜19:00
サービス開始時加(減)算 1時間

(2)請求時に使用するサービスコード

サービスコード
略 称
金 額
1111214
身障居宅身体夜間早朝2H
9,100円
1111218
身障居宅身体夜間早朝4H
18,200円
1111915
身居宅身体開 夜早1
475円
1111915 身居宅身体開 夜早1
475円

 

福祉サービス第三者評価の新指針受け、全国担当者会議を開催

〜厚労省

厚生労働省社会・援護局福祉基盤課では新たに発出する「福祉サービス第三者評価事業に関する指針(案)」についてパブリックコメントを募集していたが(当誌194号で既報)、近くその意見を踏まえた新指針を発出する。また、新指針策定を受けて、5月7日には福祉サービス第三者評価に関する全国担当者会議を開く。
指針案では、各都道府県が推進組織を設置し、第三者評価機関の認証や評価調査者養成研修、第三者評価結果の公表などの業務を行うこととし、全国社会福祉協議会に評価事業普及協議会と評価基準等委員会を設置、各県レベルの推進組織が活用する福祉サービス第三者評価機関認証ガイドラインや福祉サービス第三者評価基準ガイドライン等の策定・更新、評価調査者養成研修等のモデルカリキュラムの作成などを行うこととしている。

 

派遣サービス活用で質の高い職員確保を目指す
                         〜先駆的福祉経営事例

神奈川県川崎市にある社会福祉法人母子育成会高齢者福祉施設「しおん」では職員の確保にあたり、一般人材派遣会社の派遣サービスを利用、施設ニーズに合った質の高い人材の雇用を実現している。近年、介護労働者の離職率増加でサービスの質の悪化が懸念されているなか、いかに優秀な人材を得られるかは施設経営を左右する重要なポイントだ。同法人理事長で、同施設の施設長でもある深瀬亮一氏は、人材派遣サービスを利用した経緯を次のように語る。「当施設も開設当初は職員が定着せず、先行きに不安を感じていた。そんななか、供給スピードが早く、施設の求める人材を紹介してくれる人材派遣を知り、その効率性の高さに驚いた」雇用形態として非常勤職員の採用も考えたという深瀬氏だが、非常勤は待遇面で正規職員と大差がなく、都合で有給休暇を取る人もいるため、正規職員の隙間を埋める人材にはならなかったという。「そうした面でも人材派遣はこちらのニーズに適っていた」と説明する。

■雇用と雇用される側のタッグでより質の高いケアを実現
同法人が利用しているサービス「ケアワーカー派遣」は、施設向けに特化したもので、現在20〜60代までの人材が約2,000人登録している。同施設の派遣社員数は延べ20人以上に達しており、なかには正職員として採用したケースもあるという。「こちら側が見極めるだけでなく、派遣社員側でも当施設が合わないと感じる方はいる。そうした双方の意思確認を行うことで雇用のミスマッチ防止につながっている」と深瀬氏は説明する。雇用する側と働く側、この両者が納得してタッグを組むからこそ、より質の高いサービス提供が実現する。さらに、利用から3年経った今では、派遣会社の方でも同施設の欲しい人材、ニーズを理解し、より的確に人材を紹介してくれているという。

■質向上に加え、コスト面に至るまで派遣によるメリット大きく
以前からユニットケア的な概念でケアに努めてきたという同施設では、「利用者が満足する施設の最も重要な条件は、職員のケアの質」と言い切る。そうした人材を施設自ら探す労力、コストを考えたとき、ニーズに合った人材を迅速に提供してくれる人材派遣サービスを活用することは、今後の施設経営において非常に効果的な手段といえるのではないだろうか。

 

MMPG提供


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