特養1万4,500人分、老健6,500人分を整備
〜2004年度予算案・閣議決定
閣議決定された2004年度予算案では、厚生労働省所管の社会保障関係費の伸びが大きく、前年度比4.3%増の19兆6,391億円となった。
このうち、介護保険関係の施策として、制度の着実な実施と関連施策の推進に2兆535億円を計上。具体的には、(1)介護保険制度の安定的運営の確保・1兆8,714億円、(2)介護サービスの質の向上・17億円、(3)介護サービスの提供体制の整備・1,739億円、(4)痴呆性高齢者対策の推進・6.4億円、(5)介護予防対策等の充実・400億円、(6)適正化の推進等60億円――等があげられている。
介護サービス提供体制の整備としては、特別養護老人ホーム等の整備に939億円が盛られた。具体的な整備内容は下記の通り。
| サービス区分 |
サービス規模
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| 特別養護老人ホーム |
1万4,500人分
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| 老人保健施設 |
6,500人分
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| 痴呆性高齢者グループホーム |
4,455人分
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| 短期入所生活介護(ショートステイ) |
5,000人分
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| 通所介護(デイサービス) |
960ヵ所
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| ケアハウス |
3,700人分
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また、介護予防対策等の充実としては400億円を計上し、介護予防・地域支え合い事業を中心に行う。高齢者ができる限り寝たきりにならずに自立した生活を送ることができるよう、市町村が行う各種の取組みを支援するもので、新規に「痴呆にやさしい地域づくりネットワーク形成事業」を立ち上げるほか、「痴呆性高齢者地域生活支援事業」として、▼グループホーム開設予定者等研修事業、▼グループホーム外部評価機関立ち上げ支援事業が盛り込まれた。
さらに、介護サービスの質の向上については、新たに第三者評価モデル事業の実施が盛り込まれ、利用者による良質なサービスの選択を支援するとともに、介護サービス事業者における質向上を促す。あわせてケアマネジメントの質向上に12億円を計上。介護支援専門員に対する現任研修等の着実な実施、ケアマネジメントリーダーの養成と活動支援事業の推進を図る。
■新障害者プランに1,426億円
一方、障害保健福祉関係については、対前年度比4.2%増の6,941億6,400万円が盛られた。主なものとしては、障害者の自立と社会参加を推進するための新障害者プランに基づく施策の充実と、支援費制度の着実な実施のための予算があげられており、新障害者プランには1,426億円が計上されている。
支援費制度関係では、3,479億円が計上され、具体的にはデイサービスの4時間超単価見直しや、重度重複障害者が施設通所する場合の加算適用があげられたほか、新規に「支援費支給決定事務の適正化を図るための巡回指導事業」、制度施行1年を経ての「支援費事業経営実態調査事業」の経費も盛り込まれた。
施設サービスのホテルコスト等「自己負担で」
〜厚労省・介護保険部会
厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会は2003年12月22日、給付の在り方をめぐって議論した。このなかで、施設サービスと在宅サービスの間では給付の範囲に偏りがあるとして、施設利用者に対して自己負担の増加を求める声があがった。現行制度では、施設サービスに対しては介護業務、食事、居住環境の維持のすべてが保険給付の範囲に含まれる一方、在宅サービスでは介護業務と一部の食費(通所介護時やヘルパーによる調理)、グループホームや特定施設では介護業務のみ給付の対象。厚労省は、施設サービス優遇の保険適用が施設偏重の傾向を生んでいる原因の一つであると問題提起した。
また田中栄治委員(一橋大学院教授)も、「保険給付の範囲に入っている食費やホテルコストに当たる部分を除外するべきだ。施設サービスと、在宅サービスの特定施設やグループホームとの格差をなくす必要がある」と訴えた。これは「出来高」である在宅サービスに比べ、施設サービスが「マルメ」になっている点も、施設サービスの利用を助長している可能性があると問題視したもの。
一方、「要支援」や要介護度が軽い利用者などに、一定の給付制限を求める意見も出された。現行では「要支援」は、施設サービスとグループホームを除くすべてのサービスが給付対象となっている。同日、厚労省が示した資料によると、「要支援」「要介護1」の利用者の多くが車いすや特殊寝台を利用していることがわかり、過去3年間で在宅サービスが要介護度の改善に寄与していない実態との関連も問われた。
京極高宣委員(日本社会事業大学長)は、現行の給付範囲は措置制度時代を引きずっていると指摘、介護保険の目的である在宅生活維持のためには、「要支援者については介護予防を中心に給付するべき」と述べた。さらにこの要支援者への予防事業については市町村にゆだね、「要介護1・2・3の高齢者はなるべく在宅サービスを利用してもらう方向で見直す必要がある」と提案している。
■要介護認定の更新期間は12ヶ月に
また、同日の社保審介護保険部会では、要介護認定作業の見直しを図るとの報告があった。それによると、要介護認定の更新期間について、これまで原則6ヶ月、最大12ヶ月とされていたが、原則12ヶ月、最大24ヶ月までの延長に改められる。24ヶ月までの延長は、要介護度が「4」「5」の高齢者が対象で、前回の認定から変更がない場合に限定し、認定審査会の意見を経て決定するとしている。
また、市町村におかれている介護認定審査会の合議体の委員数については、現行で5人が標準とされているところ、更新に限って3人でも運営ができるようにする。
厚労省はこれらの見直しについて、政府の三位一体改革で介護事務費交付金が2004度から一般財源化されることに伴う措置であると説明。老健局の担当者は、「介護保険制度の見直しは待ってほしいと要望していた」と述べ、今回の見直しが真意ではないことを強調した。
社会福祉施設・事業者のためのモデル就業規則
〜東社協
東社協はこのほど、2004年施行の労働基準法改正を受けて普通解雇、懲戒に関するモデル条文を全面的に改訂し同書を出版。就業、育休・介休規則見直しにも必携の一冊。A5判370頁。
| ▼定価 |
2,800円(税込)/別売CD-ROM 1,500円(税込) |
| ▼申込 |
東京都社会福祉協議会 図書係
〒162-8953
東京都新宿区神楽河岸1-1
セントラルプラザ5階
TEL:03-3268-7171 FAX:03-3268-7433
URL http://www.tcsw.tvac.or.jp/
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特養への株式会社参入は具体策示されず
〜規制改革会議・第3次答申
政府の総合規制改革会議は2003年12月22日、規制改革の推進に関する第3次答申をまとめた。焦点となっていた特養への株式会社参入については先送りされた形となった。答申は12月26日に閣議決定され、今年3月の新規制改革推進3か年計画に反映される。
答申では、これまで医療・福祉分野において議論してきた「株式会社等による特養経営の解禁」、「幼稚園・保育所の一元化」、「医薬品の一般小売店での販売」、「混合診療の解禁」などについて、2004年度は「規制改革推進のためのアクションプラン」に基づく検討に議論をゆだねるとした。このうち、「株式会社等による特養経営の解禁」については、民設民営方式を構造改革特区で解禁し、補助金を適用して社会福祉法人との間で条件をそろえるべきとの従来からの主張を示すにとどめた。
また、介護関係に関しては「高齢者介護の新しい仕組みの在り方」として、「本来の目的である、利用者の生活の質向上や要介護度の維持・改善のために必要なサービスは未だ十分でない」と指摘。個々の高齢者の状況に応じた適切なケアを提供するためには、(1)アセスメントの適切な実施・分析による要介護高齢者の状態像の科学的・客観的把握と、(2)それに基づいた介護ニーズの抽出――が必要だとした上で、2004年度から科学的・実証的研究を開始し、逐次実施する必要があると主張している。
■株式会社参入は施設体系見直しの状況見ながら 〜厚労省
厚生労働省は2003年12月24日、総合規制改革会議「第3次答申」に対する同省の考えを明らかにした。このうち、株式会社等による特養経営の解禁については、特区における公設民営またはPFIでの民間による経営を認め、第3回の特区認定で岩手県一戸町が公設民営方式を活用した特区計画の認定を受けたと説明。さらに介護保険部会で施設体系の見直しが検討項目としてあがっていることを踏まえ、「特区における効果や影響等の十分な評価を行うとともに、施設体系の在り方の見直しの状況を見ながら、さらに検討を行っていくべき」とした。その際には、介護保険制度下で民間が参入し、サービスの中で最も高い伸びを示している痴呆性高齢者グループホーム、介護付有料老人ホームなどの特定施設の存在も十分に考慮する必要があると指摘している。
なお、民間と社会福祉法人に同様の施設整備費補助金を交付することについては、「憲法上の制約があり、不可能である」とした。
他施設に差をつけた接遇能力で経営向上を図る
〜先駆的福祉経営事例
日常業務において人との関わりが深い福祉施設では、スタッフの接遇能力の向上が大きな課題になっている。兵庫県姫路市にある医療法人松藤会介護老人保健施設「ゆめさき」では、接遇委員会を中心に独自のプログラムに基づいた様々な研修や活動を展開。「地域の皆様に健康と笑顔を」をモットーに、利用者本位のサービスの提供を実践している。事務長の入江健次郎氏は、「福祉施設が陥りがちな受身体質を脱出し、他の施設との差別化を図りたかった。そこで、ホテルのように、全てのスタッフが高い接遇能力を身に付けた施設を目指し、接遇委員会を設置した」と力強く語る。
■委員会を3つの組織にわけ、より深い接遇活動を実施
接遇委員会のメンバーは各部署ごとの指名によって選出、「マニュアル・調査委員」「広報委員」「研修委員」と主に3つの役割にわかれる。まずマニュアル・調査委員は、スタッフに対する自己評価と、利用者の評価を調査する2種類のアンケートを実施。その結果を分析し、実用的なマニュアル作りを行っている。また広報委員は、「夢咲き」と名付けられた接遇新聞を年に3〜4回発行。同施設の接遇活動に関して、利用者をはじめ他の事業所などにも広く情報公開している。「外部との交流を持つことでマンネリ化の防止につながるほか、内部では気づかないような指摘を受けることもあり、問題点が明確になる」と入江氏は説明する。さらに研修委員は、実際の接遇研修業務を統括。「接遇美人シリーズ」と題した1年間にわたる独自の研修プログラムを作成し、毎月のテーマや内容を決め、実施している。
■研修を通じた疑似体験が新たな相乗効果を生み出す
また、同施設では、業務中によく遭遇する場面を想定したロールプレイング研修を導入。全スタッフに他職種の業務や利用者の役割を擬似体験させている。これが施設内の業務や情報の透明化を推進するとともに、職種間の理解を深め、良好な職場環境の構築にも一役買っているという。
今後も接遇マナーの向上を目指し、利用者や家族が気持ちよく過ごせる施設を追求していく。利用者の立場に立った高度な接遇によるサービス提供は、利用者の増加に結びつくことが期待され、経営向上の一番の近道といえそうだ。
MMPG提供

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