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月刊福祉経営情報



2003年11月号

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生活機能を高める「リハビリ前置」徹底へ

〜厚労省・高齢者リハビリテーション研究会

厚生労働省の高齢者リハビリテーション研究会(座長=上田敏氏・日本障害者リハビリテーション協会顧問)は10月29日、論点整理メモをもとに議論を行った。これをもとに事務局では中間報告のとりまとめに向けて素案の作成作業に着手する。11月17日の次回会合から具体的な議論に移り、関係団体などからのヒアリングと事務局第1案を討議。その後、会合を経て12月の15日までには中間報告書をまとめる予定だ。
論点整理は大きく「総論」と「各論」で構成。「総論」では、利用者の生活機能向上を目的とする介護予防・リハビリを推進するとともに、予防・医療・介護を継ぎ目なく提供するシステムを構築すべきとの認識で一致した。リハビリの対象は、脳卒中や骨折などの急性的なものと、変形性関節症や廃用症候群など慢性的に進行するものに分類し、それぞれ利用者の状態像を絞り込んでいく。
「各論」では予防、医療、介護それぞれの課題と対応策が提示され、国民に対するリハビリ啓発普及の徹底や、医療・介護両面からのケア体制の構築など、各課題に対し、実効性ある仕組みづくりを目指した意見が出された。そのうち、介護サービスの課題については、要介護度の改善や在宅生活を継続的に支援する取組が不十分であるとの指摘がなされ、今後の対応として、まずリハビリを提供し、生活機能を高めた上で他のサービスにつなげる「リハビリ前置」の徹底を図るべきとの考えが示された。また、予防のあり方については、老人保健事業と介護予防事業の統合を求める意見が相次ぎ、制度上は別体系だが一次予防が目的であるという点では共通していることから、本来は一体的に取り組むべきではないかとの声が多くあがった。

施設内で終末期迎える希望者多く、看護職員の役割に期待

〜日本看護協会調査

日本看護協会は22日、2003年「介護保険施設サービスにおける看護実態調査」結果の概要をまとめ、公表した。同調査は介護保険施設における看護サービスの実態や課題を把握し、より充実したサービス提供のあり方を検討するため、今年6月に同会員の勤務する全国の介護保険施設を対象に行われたもの。
それによると、施設内での終末期対応について利用者等からのニーズが高いことがわかり、今後、介護保険施設における「看取り」の充実と看護職員の果たす役割がますます重要になるとしている。調査では、施設で終末期を迎えることを利用者が希望した場合の対応として、介護老人福祉施設、介護療養型医療施設では「原則として応じる」がそれぞれ71.2%、90.0%と高かったが、介護老人保健施設では29.6%にとどまった。
また、看護職員の確保状況については、約3〜4割の施設が「採用はできたが予定数に満たなかった」「全く採用できなかった」と回答。看護職員の平均月額給与(税込)は、介護老人福祉施設328,643円、介護老人保健施設363,779円(最も勤務年数が長い職員の場合)、介護療養型医療施設298,339円(勤続10年のモデル賃金)となっている。
一方、利用者からの苦情処理への対応に関して、委員会等の体制を整備して対応していると答えた施設の割合は、介護老人保健施設(96.2%)に比べ介護老人福祉施設(86.4%)がやや低いことがわかり、今後の体制整備が望まれる。
このほかの詳細は同会ホームページ(http://www.nurse.or.jp/)まで。

訪問看護ステーションの整備・活用求める

〜日看協が介護保険部会で

社団法人日本看護協会(会長:南裕子氏)は、介護保険制度改定に向けてより充実したサービス提供のために、10月27日に行われた社会保障審議会介護保険部会に対し、「介護保険制度の見直しに関する意見」を提出した。保険料負担及び利用者負担をめぐる問題や低所得者対策のあり方、さらに介護サービスの地域偏在、在宅・施設の給付におけるアンバランスなどの問題点を指摘した上で、今後の見直しとして次頁の5項目を掲げている。

1.社会保障制度改革の一環としての制度見直し

2.利用者本位の制度見直し

3.在宅重視の理念に沿った見直し

4.介護予防と医療ニーズに対応したサービス提供の充実

5.医療・介護従事者の雇用・労働環境の改善

 

このうち、「在宅重視の理念に沿った見直し」については具体的な項目として、▼24時間365日ケア体制の整備、▼在宅と施設の給付の整合性、▼居宅介護支援サービス――をあげている。また、「介護予防と医療ニーズに対応したサービス提供の充実」に関しては、▼介護と医療の一体的な提供による支援、▼訪問看護ステーションの整備と活用、▼介護老人福祉施設の人員配置基準の見直し、▼痴呆ケアの充実等――を提示。このうち「介護老人福祉施設の人員配置基準の見直し」については、入所者へのケアの充実と質向上のために看護職の人員配置基準の引き上げを要望している。さらに、「医療・介護従事者の雇用・労働環境の改善」では、看護職・介護職・ホームヘルパー等のサービス提供者の給与水準をはじめ労働条件の改善や、感染防止対策の強化ならびに労働安全衛生を充実させることなどを求めた。

第三者評価機関は民間とNPOが6割占める

〜厚労省・福祉サービス第三者評価実施状況

厚生労働省は、全国で実施されている福祉関係の第三者評価の今年8月時点における実施状況をまとめた。それによると第三者評価事業に関する認証機関等の整備を実施又は検討している都道府県は12都府県で、第三者評価機関は115機関、そのうち民間企業とNPOが6割以上を占めていることがわかった。
12都府県を実施主体別にみると、都道府県は5府県(宮城、長野、三重、京都、兵庫)、都道府県社協は5県(神奈川、栃木、群馬、埼玉、富山)、公益法人を設置しているのは東京、その他は大阪だった。また、第三者評価機関総数115機関を実施主体別にみると、民間企業が全体の33.9%を、NPOが30.4%を占めている。評価対象事業別では、複数の福祉分野を対象とするものが全体の7割強を占め、ついで高齢者福祉のみを対象としているものが2割超だった。また、第三者評価機関1機関あたりの平均受審費用は約42.7万円、そのうち民間企業が56.7万円で最も高く、最も低かったのは行政の1.5万円となっている。


高齢者入所施設は独自の感染対策指針策定を

〜厚労省・インフルエンザ対策

厚生労働省がこのほど明らかにした今冬(2003年11月〜2004年3月)のインフルエンザ対策では、「予防接種で、インフルエンザに負けないぞ!」を標語にワクチンの接種を広く国民に呼びかけている。
このうち、施設内感染防止対策の推進については重点項目のひとつに掲げられた。免疫力が低下している高齢者等は、インフルエンザにかかったときの被害が深刻であるためだ。具体的には高齢者等が多い入所施設に対して、「まず施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要」とした。その上で、日本医師会感染症危機管理対策室とともに策定した手引きを参考に、施設内感染対策の委員会等を設置し、各施設の特性に応じた独自の施設内感染対策の指針を事前に策定しておくよう求めている。さらに、インフルエンザが流行した場合には、都道府県等と調査を実施し、感染拡大の経路や原因の特定などを行い、施設内感染の再発防止に役立てることが重要であるとしている。
インフルエンザ施設内感染予防の手引きについては、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページ(http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)まで。

 

 


募集

2004年度「福祉用具研究開発助成事業」
              〜財団法人テクノエイド協会

財団法人テクノエイド協会では、高齢者や障害者の自立促進と介護者の負担軽減を目的に、2004年度「福祉用具開発助成事業」の新規課題を募集する。対象は企業、研究機関等で、助成期間は原則として2年以内。研究開発に4千万円(施設向け大型用具は6千万円)、調査研究に4百万円が助成される。

▼テーマ (1)介護保険が適用される用具
(2)身体拘束ゼロに役立つ用具
(3)就労支援のための用具
(4)自助具
▼募集期間 2003年10月1日(水)〜11月28日(金)必着
▼選考結果 2004年4月頃、応募者に採否を通知
▼応募方法 所定の用紙により書類作成の上、持参又は郵送で(FAX、E-mailは不可)
▼問合せ先 同協会開発部
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-8-5
駿河台ヤギビル4階
TEL:03-3219-8211   FAX:03-3219-8213
URL http://www.techno-aids.or.jp/inf.htm

 

職員700人に対し公平な「トータル人事システム」構築

〜先駆的福祉経営事例

姉妹法人である社会福祉法人多摩大和園と社会福祉法人多摩養育園は、あわせて職員数700名の大所帯。同じ理事長の下、時期を異にして開設された2つの法人は従来までそれぞれ別の人事制度を敷いていたが、介護保険制度のスタートを機に、両施設の全職員を対象とした新しい人事制度の構築に乗り出した。「2法人16施設というスケールメリットを活かすため、改革は全部門、同時に行うと決めていた」と、同法人やまと苑苑長の足利正哲氏は語る。

■試験制度で管理職を募り、有能な若者にチャンスを
「トータル人事システム」と名付けられた人事制度改革は、人事考課制度、試験制度、多面評価制度の導入など多岐にわたった。職員に不安を抱かせないため、これらを段階的に実施した。なかでも特に注目されるのが、施設長・主任・副主任クラスを対象とした試験制度。職員全体から管理職を募り、公平な選任を行うというものだ。「これまでは管理職が辞めると自動的にすぐ下の職員が昇格していた。しかしこれからは力のある若い人達を積極的に登用できる環境をつくりたい。そうでなければ経営刷新はあり得ない」と足利氏は言う。さらに、16人いる施設長には毎年試験を行うほか、任期を2年と決め、評価次第で人事異動も行うという徹底ぶり。1人の施設長に長年任せるのではなく、常に新しい視点で現状を見直し、人材を流動化させることで部門ごとの能力の平均化を図るねらいだ。


■能力のみならず全職員の人間性も評価対象に
同システムのなかでもう一つ新たな試みとして目を引くのが「多面評価制度」。これは施設長はじめ職員全員が、自分以外の全員を5段階で評価するもの。主観的・私情的な判断も入るだけに、かなり本音の部分が見えてくる。「試験結果などの能力以外の人間性も見たかった。さらに、人事が密室ではなく、全員参加で決まるという意味合いも持たせたかった」
大胆な人事制度改革がこの先、どのような成果をもたらすのか。「このシステムが順調に機能すれば、管理職を投票で決めるなど、新たな改革を推進したい」と足利氏はさらなる抱負を語る。

 

MMPG提供


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