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〜これからの診療所の経営と法人化〜
朝日一人医療法人セミナー2002
平成14年3月21日(木)
(社)日本医業経営コンサルタント協会
大阪府支部副支部長
医業経営コンサルト
公認会計士 上田 久之
第1部 これからの診療所経営
- 今後の診療所の経営環境
| (1) | 患者負担金の増
老人患者負担率は、医療制度改革大綱(H13.11.29)よりも、財務省案のほうが厳しく、今後も窓口負担率は上がることが予想される。 |
| (2) | 診療報酬の引き下げ
中医協でH13.12.17史上初の診療報酬本体のマイナス改定が実施されたが、デフレ経済下で今後も診療報酬の引き下げが予想される。 |
| (3) | 新規開業の増加
第4次医療法改正で、平成15年8月末まで、一般病床を有する病院は、急性期か慢性期の選択を迫られており、相当数の病床が医師の定員基準が緩い慢性期を選択することになる。その結果、大量の勤務医のポストレス現象により、強い開業圧力が生ずると予想される。 |
| (4) | 選別の強化
患者負担の増の結果、患者コスト意識と、広告の規制緩和、開業ラッシュにより、今後、開業医間の競合は、強くなることが予想される。 |
- 負担金増の影響
| (1) | 老人の自己負担金の定率化
自己負担金上限が、普通の所得の人で月額12,000円と非常に高い設定になっており、実質的に完全1割負担と変わらない。予定通り2002年10月より定額制の廃止と1割負担が実施されると、1997年健保法改正時よりも強い、受診抑制が働くことが予想される。
また、在宅医療においては、一挙に7,000〜8,000円月額の負担が増えることから、訪問回数の削減の要請が出ると思われる。 |
| (2) | 本人の3割自己負担について
2003年4月から実施される本人の負担金アップは、1997年9月の改正(1割→2割)では、相当の受診抑制が広がったので、実施されれば不況化でもあり、その影響が心配されるが、但し薬剤一部負担金が同時に廃止されれば、負担増分がプラスマイナスとなるので、軽微な影響にとどまるかもしれない。 |
- 医療制度改革への対応
| (1) | 広告規制緩和への対応
1.ネガティブリスト方式とポジティブリスト方式
2.今後、広告可能となる項目
3.医療法の規制対象となる行為、ならない行為 |
| (2) | 特定療養費制度拡大への対応
1.混合診療と特定療養費
2.現行の特定療養費制度
3.今後、拡大される診療所関連の特定療養費 |
| (3) | 自由診療の拡大
1. 自費診療に重点をおいた事例
健康相談クリニック、がん相談所
肛門科、メディカルサロン
2. 自由診療保険メディコムの内容
3. 負担金増で予防にお金をかける人が増える
自由診療のみの予防クリニックの事例 |
| (4) | アメニティーの向上
1. 玄関外部の喫煙用ベンチと灰皿
2. 玄関の靴履き用の椅子と靴べら
3. 土足対応又は、スリッパ滅菌箱
4. タクシー会社の電話番号表示とバス、電車の5時刻表
5. テイーサーバー、おしぼり
6. 季節の花と観葉植物、絵画
7. 持ち帰りできるパンフレット
8. 院長プロフィール、スタッフ紹介の掲示
9. 後方支援、病院の案内掲示
10. 院長の調剤に対する考え方の掲示
11. トイレ、洗面台のペーパータオル
12. 赤ちゃんのおむつ交換台とウエットティッシュ
13. 定時に清掃するトイレ
14. BGM、診療姿勢などを流すビデオ
15. 留守番電話
16. 24時間自動予約
17. 待ち時間対策としてポケベル、電光表示 |
| (5) | プライバシー対策
1.ハード面
2.職員のモラル面 |
| (6) | IT化
1.電子カルテ
2.連携に活用 |
| (7) | 在宅医療の拡大
1.大病院との連携
2.在宅を手がける歯科医との連携
3.行政との連携
4.その他の連携
保健婦、民生委員、老人クラブ、ボランティア団体、在宅関連企業 |
- 最近の新規開業の立ち上り対策
(1) ポスティング、戸別訪問
(2) 挨拶状
(3) 内覧会
(4) 開業までの健康相談会
(5) キーマン訪問
(6) スタッフ接遇訓練
第2部 一人医療法人
- 法人化の歴史
(1) 昭和61年10月の医療法改正
(2) 昭和63年の税制改正を契機に普及
- 一人医療法人のメリット
(1) 医療制度改革への対応コストを捻出する
(2) 事業展開に有利
(3) 事業承継に有利
(4) 経営の近代化
- 一人医療法人のデメリット
(1) 院長の手取が減少する
(2) 設立のコスト、手続き、設立後の事務
(3) 交際費に限度がある
(4) 厚生年金が強制適用される
- 設立に関する留意点
(1) 小規模企業共済の解約
(2) メディカルサービス法人がある場合
(3) テナントの場合の家主の同意
(4) 保健所の検査
(5) その他
第3部 アパート経営と開業医
- アパート経営のメリット
(1) 長期安定的収入の確保
ペイオフ対策に年金資産として活用
(2) 贈与対策に活用
金銭贈与よりも有利
(3) 相続税の節税
(4) 固定資産税の節税
- 大口定期預金とアパートの比較
(1) 大口定期で10年複利運用(0.15%)
利息:150万円
(2) 1億円でアパート建築(10年間保有)
家賃総額:8000万〜1億
(3) 相続評価
家定期預金…満額
アパート…建築価額の40〜50%程度
(土地が15〜20%減)
未利用地(200坪) 1億⇒ 貸家建付地8500万(1−0.5×0.3)
預金1億建物4200万(0.6×0.7)
計2億計1億2700万
7300万円の評価減
税率30%とすると2190万の節税
- 現金贈与との比較
(1) 3000万を現金贈与すると(基礎控除110万)
贈与税:1344万
(2) 3000万でアパートを建てて贈与すると(42%評価として)
贈与税:385万
(その後の家賃も子供に帰属)
- 活用形態のポイント
(1) 有効活用の目的は何か
節税対策
安定収益
老後資金etc
(2) 建物は誰の名義にするか
先生,奥様,お子様
(3) 借入額はどの位にするか
返済期間中も手取収入を確保したいか
早い返済を重視するのか
(4) 個人経営か管理会社を活用するのか
- その他のポイント
(1) 特措法適用者では、奥さんを不動産事業の専従者とする
(2) 開業医の奥さんには認められない小規模企業共済を、不動産管理会社の役員として活用する
(3) 医療法人でない場合は、不動産管理会社から受ける退職金に、相続時の非課税枠を活用する
(4) 定期借家権を活用する
(5) 底地を売却し、又は借地権を買い取り優良資産に組み変える
(6) 収支計算を綿密に行う

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