平成15年度の消費税法改正のポイントは、次の3点ですが、本稿では特に歯科医院に関連するところを取り上げて説明をします。
| 1. | 免税点の上限の引き下げ
(改正前3000万円→ 1000万円) |
| 2. | 簡易課税の適用上限の引き下げ
(改正前2億円→ 5000万円) |
| 3. | 総額表示の義務付け制度の創設 |
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- 免税点の上限の引き下げ
- 新たに課税収入が1000〜3000万の医院が課税対象に
従来、個人診療所の場合は前々年、医療法人の場合は前々事業年度の課税収入が3000万円以下であれば、消費税の納税義務が免除されていました。今回の改正で免税点が引き下げられたので、新たに1000万円超3000万円未満の診療所が課税対象となります。弊事務所では、約130軒の歯科医院のお手伝いをさせていただいておりますが、今回の改正で新たに3割弱の医院が対象となりそうです。今回の改正は、個人経営の場合、平成17年分(平成18年3月申告分)、すなわち来年から適用されますので、平成15年分の課税売上高が1000万円を超えていれば、17年から課税事業者となります。医療法人では、平成17年3月決算から適用されますので、3月決算の場合、前々期である平成15年3月期の課税収入が1000万円を超えていれば、課税事業者となります。
- 課税収入とは
課税収入とは、いわゆる自費収入以外に、歯ブラシ等消耗品の販売収入、各種文書料、検診収入、給付扱いとされない嘱託料、副業で貸ビル等を経営する場合の家賃(居住用を除きます)、撤去冠等の売却収入、事業用車両の売却収入等が含まれます。事業用車両(確定申告で減価償却している)や、貸ビル等を売却された場合、通常は1000万円以下に収まっているのに売却により、1000万円を超えてしまい、翌々年が課税事業者になってしまうことがあるので、注意が必要です。なお、介護保険が適用される収入や、自賠責収入、労災保険収入等は課税収入には、含まれません。
- 課税される場合の影響額
今回、新たに課税事業者となる場合、原則課税か簡易課税を選択することになりますが、院外技工でも、院内技工でも弊事務所の財務分析データーによりますと、簡易課税が有利になります。そこで、収入別に消費税の納税額を、簡易課税を適用し試算をしてみました。
<簡易課税を適用した場合の消費税額>
| 年間課税収入 | 消費税 |
3000万円
2500万円
2000万円
1500万円
1000万円 |
75 万円
62.5万円
50 万円
37.5万円
25 万円 |
よほど外注費のウエイトが高いか、MS法人(メディカルサービス法人)を併設していない限り簡易課税が有利となりますが、有利不利の判定計算を実施して、原則課税か簡易課税を選択します。原則課税有利となる場合の消費税は、上記の簡易課税の試算よりも負担は軽くなります。
- 手続関係
申告期限は個人の場合、毎年3月31日。法人では、決算日後2ヶ月以内に確定申告書を提出し、納税することになります。但し納税については、年間48万円超の場合、年の中間で半分を納めることになります。
前々年の課税収入が1000万円を超えていることが判明した場合、「課税事業者届出書」を提出します。また簡易課税を選択する場合、前年末までに「簡易課税選択届出書」を提出することになりますが、今回は特例で、当年末まで(個人であれば平成17年12月末)に提出すればよいことになっています。
- 簡易課税の適用上限の引き下げ
今回の改正で、課税収入が5000万円超2億円未満の医院は簡易課税が適用できなくなります。課税収入が5000万円超というと、大型診療所か、矯正歯科ということになりますが、例えば課税収入6000万円で60万円程度の負担増になるものと予想されます。
次回は、総額表示,MS法人の扱い,自費料金の価格設定等,税制改正への対応策について取り上げます。