《厚生労働省》 総合科・総合医ついてヒアリング
医道審議会医道分科会診療科名標榜部会(部会長・金澤一郎日本学術会議会長)は13日、総合科・総合医の創設に向けて参考人からのヒアリングを行った。参考人は大内尉義氏(東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座教授)、草場鉄周氏(医療法人北海道家庭医療学センター所長)、森洋一氏(京都府医師会会長)の3人。
大内氏は総合医について、「必要とするのはほとんどが高齢者」とした上で、「内科をベースに、単なるプライマリケアだけでなく、患者の状態(疾病、身体機能、精神機能、社会環境など)を総合的に判断し、臓器別専門医よりも一段高い立場に立って、その患者に必要な医療、介護、福祉の流れを計画できるコンダクターとしての役割を担える医師」であり、「総合医は地域の診療所〜中規模病院を活動拠点とする」と定義し、「高齢者総合診療科」の創設を提案した。
また、草場氏は欧米で総合医にあたる「家庭医」が広く認知されているのに対し、日本では学術的にも法的にも未整備なため、家庭医を目指すのが困難な状況にあると説明。「日本でも専門医養成プログラムを確立すべき」と主張した。
■早急な創設に慎重な見方 日本医師会 内田委員
ヒアリング後の議論では、若手医師の総合医育成システムなどを含めた制度の整備が早急に必要だという意見と、慎重に進めるべきとする意見があがった。
この中で、辻本好子委員(NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)は「団塊の世代が後期高齢者になるころ、総合医として現場で活躍するのはこれから医師を目指す若者たちが中心となる。彼らが総合医になるための環境整備を急がないと、適切な診療を受けられない後期高齢者が大勢出てきてしまう」と総合医創設の緊急性を指摘した。
また、草場氏も「総合医の役割を果たせる人材が増えてきたから、標榜科として創設するというのは、鶏が先か卵が先かという議論に等しい。総合科ができなければ、若手医師や医学生は既存の専門分野に進むしかないと思ってしまう」と述べた。
大内氏は「日本の医学生の7割が高齢者のことを学ばず卒業し、臨床現場で初めて高齢者と向き合っているのが現状。大学や大学院には、高齢者について学ぶ講座や選択科目をつくってほしい」と要望した。
一方、内田健夫委員(日本医師会常任理事)は「現在、総合医としての機能の多くを開業医が果たしているのではないか。総合医を創設した際、彼らをすべて排除してしまうのか。またはすべて総合医として認めていくのか。そうした議論も必要になってくる。急いで創設すると医療界に混乱を招くのではないか」と早急な創設に慎重な見方を示した。
《厚生労働省》 後期高齢者医療制度 4月からの円滑な施行を
厚生労働省老人医療企画室は6日、全国老人医療・国民健康保険主管課長および後期高齢者医療広域連合事務局長会議で、4月から始まる後期高齢者医療制度の円滑な施行に向けて、被保険者に対する制度周知を徹底するよう都道府県に要請した。
特に保険料の徴収については、年金からの保険料徴収が実施されるが、被用者保険の被保険者、被用者保険の被扶養者、国民健康保険の加入者では徴収開始時期が異なり、保険料に関する通知書の発送時期なども異なることから被保険者の理解が得られるように周知が必要だとしている。
また、低年金受給者など、徴収される保険料額によっては生活に困窮する場合も考えられるため、被保険者からの納付相談に応じることも重要であるとし、徴収主体である市町村においてこうした相談を受けられる窓口(コールセンター等)を設けるなど、保険料の減免制度の適用検討など納付相談へのきめ細かな対応を求めた。
このほか要請した周知事項は(1)今月中に保険料見込額に関する情報提供、(2)今月下旬から65歳以上75歳未満の老人医療受給対象者に対する周知、(3)3月に後期高齢者医療被保険者証の事前送付―など。
■レセプト点検には、国庫補助は行わない
後期高齢者にかかる医療費適正化事業に関しては(1)レセプト点検専門員の研修、(2)介護保険との給付調整にかかるレセプト点検、(3)重複・頻回受診者等への訪問指導体制の強化、(4)普及・啓発、(5)医療保険者等の「意見を聞く場」の設置―などについて国庫補助を行う一方で、医療費通知、レセプト点検の実施などについては運営主体として当然に実施する事務であることから一般財源化を図ることとし、国庫補助を行わないとした。
さらに、健康診査については2008年度から75歳以上は「後期高齢者の健康診査」とし、40歳から74歳までは「特定健康診査」とした。後期高齢者の健康診査の実施主体は広域連合(努力義務)で、費用負担は原則、保険料となり、3分の1(約30億円)が国庫補助。本人負担は課税世帯で3割、非課税世帯で1割で、この他に、健診経費に補助をする市町村への地方財政措置がある。現行の老人保健法では40歳以上を対象に「基本健康診査」を行い、市町村が実施主体となって国、都道府県、市町村がそれぞれ3分の1の費用負担をしていた。
《福祉医療機構》 医療貸付の利率を0.1%引き下げ
独立行政法人福祉医療機構は14日、病院などに対する医療貸付利率(10年経過後見直し金利)を全項目で0.10%引き下げた。病院や診療所などの新築資金と増改築資金甲種の利率を1.30%、増改築資金乙種の利率を1.80%、介護老人保健施設への貸付利率も1.40%とした。問い合わせは同機構(代表電話03-3438-0211)まで。
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