診療科名の表記方法の見直しを進めてきた医道審議会医道分科会診療科名標榜部会(部会長・金澤一郎日本学術会議会長)は9月21日、政令や省令で定める診療科名と医師が得意とする専門分野などを自由に組み合わせる方法を導入すると決定した。当初は、33ある医科の診療科を20程度に減らし、専門性の高い診療科領域(サブスペシャルティー)として体の部位や症状などの特性などを記載する方針を打ち出していたが、学会などの反発が強かったことから断念。現在ある診療科はほぼ引き続き標榜でき、内科や外科などには、体の部位などに関する項目を組み合わせることができるようにする。新制度は来年度から開始する。
新しい標榜診療科目名のルールでは、内科、外科、歯科と、▼臓器や体の部位、▼症状、疾患、▼対象とする患者の特性、▼診療方法―を組み合わせて表記する。産婦人科や小児科など、内科、外科などと組み合わせると患者らを混乱させる恐れがあるものについては単独で標榜できるようにし、この場合も症状などと組み合わせることができる。
現行の診療科名はほぼ全て表記できるが、「胃腸科」の表記は内科か外科か明確でないため認めず、「消化器内科」「消化器外科」といった表現になる。また、新たに救急科や病理診断科なども標榜できるようになる。歯科は4診療科に変更はない(下図参照)。
標榜診療科の見直し後の例(今後通知で示す予定)
(医科)
内科
呼吸器内科
循環器内科
消化器内科
血液・腫癌内科
(血液内科、腫癌内科)
糖尿病・代謝内科
内分泌内科
腎臓内科
神経内科
心療内科
感染症内科
小児科
精神科
皮膚科
眼科
耳鼻咽喉科
アレルギー科
リウマチ科
放射線科
(放射線診断料、放射線治療科)
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外科
呼吸器外科
心臓血管外科
消化器外科
乳腺外科
小児外科
気管食道外科(※)
肛門外科
整形外科
脳神経外科
形成外科
美容外科
泌尿器科
産婦人科(産科、婦人科)
リハビリテーション科
救急科
病理診断料
臨床検査料
※ 耳鼻咽喉科等との組み合わせも可能
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(歯科)
歯科
小児歯科
矯正歯科
歯科口腔外科
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■客観的でない科名は不可
内科などと組み合わせる項目の内容は原則自由だが、「気持ちいい内科」や「長寿内科」など、客観的でないものや事後検証が不可能なものは付けることができない。疾病名に「専門」と付けるのも認めない方針だ。今後、標榜可能な診療科名や不可能な診療科名を通知で例示する予定だ。また、客観性などについて疑問が残る診療科名については、医療情報の提供のあり方等に関する検討会で個別に協議する。
標榜できる診療科名は医師一人に対して原則で2つとする。メインの2診療科を大きな文字で、それ以外は小さい文字で表記して分かりやすくしたり、地域の実情で複数の診療科に対応する必要がある場合には3つ以上記載したりすることも可能だ。
標榜診療科名の見直し案は今後、関係団体へのヒアリングやパブリックコメントの募集、医道分科会に報告した上で、年内をめどに医療法施行令などを改正する。新しい診療科名を導入するのは2008年度からになる。都道府県への医療情報届け出は2008年度から新しい診療科名を報告するが、看板などは経過措置を設けて新たに作り替える時まで変更しなくてもよいとする見通しだ。
■「総合科」の議論は今後に
同部会では、従来の診療科名が多過ぎて患者から見て分かりにくいとの指摘があったことから見直しを進めてきたが、診療科目の削減に関係学会などの反対が相次いだことから、結果的に従来の科目の標榜も認める形になった。これに委員からは「医療を受ける側からすると、今とあんまり変わらない。改革の信念が分かりにくくなった」「収まるところに収まったが、何やらうやむやにされて結局変わらないという不満はある」など、結局分かりやすくなっていないとの批判の声も上がった。
内科や小児科など幅広い領域を総合的に対応する科として「総合科」の創設について検討することになっているが、この日の会議ではあらためて議論していくことを確認した。ただ、議論再開の日程は明確になっていない。