厚生労働省は4日、社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会(部会長・糠谷真平独立行政法人国民生活センター理事長)に対し、診療報酬体系の骨子(案)を示した。2008年4月1日から開始する後期高齢者医療制度について、主治医による患者の病歴や他機関受診状況などの一元的な管理、入院時の退院調整などを評価する内容だ。9月中旬には社会保障審議会医療部会と医療保険部会で同様に骨子を検討し、10月はじめの特別部会で最終的に取りまとめる。個別項目や点数は中央社会保険医療協議会が決める。
診療報酬体系の骨子(案)(たたき台)では、診療報酬にかかわる部分として、外来医療、入院医療、在宅医療、終末期医療―の各項目について、診療報酬で評価すべき事項を中心に取りまとめた。委員からは評価の在り方についてさまざまな注文が出ている。
この中で、主治医については、病院の医師、診療所の医師が考えられるが、委員からは「生活に密着しているということから診療所の医師がいいのでは」という意見がある一方で、「はじめの段階では病院も診療所も分ける必要はないのでは」との見解もあり、一致していない。
また、骨子案のうち、外来医療では「後期高齢者を総合的に診る取り組み」として▼患者の病歴、▼受診歴、▼服薬状況、▼他の医療機関の受診状況の一元的な把握、▼基本的な日常生活能力などの総合的な評価、▼適切な医療機関への紹介と治療内容の共有―を診療報酬で評価する。後期高齢者自身には主治医を決めるなどの対応を求め、主治医は自分の専門以外にもかかわるべきとした。
さらに、通院する後期高齢者は、同時に介護サービスを受けていることが多いため、受診歴や病歴の医療従事者間での情報共有のほか、ケアマネジャーや家族などとの情報共有も評価対象とする。具体的なカンファレンスなどの在り方については、メンバーが全員集まる場合、集まれない場合の対応などを含めて検討するべきであるとした。
一方、在宅医療については、主治医とケアマネジャーによるカンファレンスによる総合的な評価や情報共有を診療報酬で評価する。病状急変時に円滑に入院できる体制も評価する方針だ。さらに、居住系施設等における医療については、その施設等の中で提供されている医療の内容や施設の状況等も踏まえつつ、外部からの医療の提供に対する適正な評価の在り方について検討するべきであるとした。
また、終末期医療では、訪問看護、医療用麻薬を使った疼痛緩和ケアなどを評価する。
川越委員は「在宅医療を行う医療機関にかなりレベルの高いものが要求されている。昔なら在宅医療でできなかったことが、最近はできるようになっている。在宅医療といっても、専門性が求められるようになっている」として、どんな医師でも在宅医療ができるものではないと指摘し、専門的な教育の必要性を訴えた。