財政制度等審議会は6日、社会保障関連のサービス提供コストの縮減や公的保険の範囲の見直しなどに重点を置く2008年度予算編成における考え方をまとめ、尾身幸次財務相に建議した。政府は近くまとまる経済財政諮問会議の「基本方針2007」と合わせて、来年度予算編成における概算要求基準(シーリング)を取りまとめる。
同建議では、高齢化による社会保障費の将来的な増加に言及して、2011年度のプライマリーバランスの黒字化だけでなく、早期の対応が国民の負担を減らすものとして、歳入・歳出構造の見直しを求めた。
その上で、社会保障分野については、社会保障制度全体及びそれを支える財政の双方の持続可能性を確保する観点から、(1)将来の国民負担の上昇を極力抑えていくために、医療・介護等のサービスコストを抑制、(2)高齢者を一律に弱者と捉えるのではなく、年齢を問わず負担能力に応じて公平に負担をしていく仕組みに見直す―などを改革の視点として挙げている。
このうち、医療については、課題として▼医療のコスト構造、▼医薬品のコスト構造、▼医師確保等―を挙げた。このうち、医師確保については、病院勤務医が開業医に比べて厳しい勤務環境にあることや、小児科医不足による小児救急病院の勤務医の負担を問題視。開業医が期待される役割を担っているかという視点での再評価と、病院における医師・看護師などの役割分担の見直しの必要性を言及した。
また、医薬品のコスト構造に関しては、後発品の使用量を課題に挙げた。米国や英国、ドイツなどに比べて3分の1程度にとどまっている日本の後発品使用量が欧米並みにまで高まった場合、1兆3000億円が節約できるとの試算を示した。
その上で、改革の方向性として、(1)医療サービス提供コストの縮減・合理化、(2)公的給付の範囲を真に必要なものに重点化する、(3)年齢を問わず負担能力に応じ公平に負担する―を掲げた。さらに、2008年4月の診療報酬改定と同時に後期高齢者医療制度を創設するが、持続可能性の観点から効率化を図る必要性を強調した。
■日医が財務省の建議に反論
日本医師会は13日、経済財政制度等審議会が2008年度予算編成に関する考え方を建議したことについて、「日本の医療は高コストであるという前提に立ってサービスコスト抑制が打ち出されたが、日本の総医療費はOECD加盟国中平均以下だ」として、このままでは現状を脱することができないとの問題点を指摘した。
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同建議は「日本は高齢者の一部負担金が若者に比べて軽減されている」、「フランスやドイツでは年齢に関係なく同一の自己負担金が設定されている」ことなどを挙げ、高齢者の負担増や保険免責性の導入を検討すべきとしている。これについて日医は、ドイツでは以前から外来診察料の自己負担はなく、2004年1月からは3ヶ月ごとに10ユーロの定額負担が求められるようになったことを説明し、「負担割合は非常に低い」と述べた。またフランスに関しても、償還払いが基本で外来償還率は70%(3割負担)だが、多くの場合は共済組合や相互補助組合によりカバーされていると指摘した。
また、後発医薬品が存在する先発品の公的医療保険給付を、後発医薬品の薬価水準までとし、差額は患者自己負担とするフランスの施策に関しては、「フランスの新薬と後発医薬品の価格差は20%で他国に比べて比較的少ない」として、国内の事情にはそぐわないと反論した。